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【PRIVATE】トレーニングモード
以前、友人に「お前、仕事しながら筋トレって良く続くよな…どんな風にやってるの?」と聞かれました。
今回は、トレーニングの様子を写真で紹介します。
メニューについては、日々変化しているので詳細は記しません。あくまでも、私の趣味であり、アマチュアの部類だと思って参考にして下さい。ただし、3つの「軸」でもって行います。
1、「巧みさ」
⇒いわゆる、神経系への意識です。運動動作のフォームを大事にします。
【NOVEL】ある男の人生 第1話
それは、大国に独善的な男が大統領になった頃の話である。人種差別的観念は、主張するに分かりやすい時代で、タブーとするのは今は昔なのかもしれない。「問題になっていることを沈黙するようになったとき、われわれの命は終わりに向かい始める…」もしそうだとすれば、我々は声を上げ続けなければならない。
これとは全く関係無いが、とある国の大都市に、立身出世を夢見る青年がいた。彼は貧しい雪国育ちで、将来、町の炭鉱
【NOVEL】ある男の人生 第2話
男は善良な気質だったが、役職が変わり、部下を従えるようになってくると、徐々に態度も変化していった。部下の仕事が気に入らなかったり、自分の機嫌が悪い時には、公然な場で彼らを厳しく叱責してみせた。男は必要以上に高価な車を所有し、自分の趣味に金をかけるようになった。新婚当時、あれほど家庭を大切にしていたが、以前と比べると、仕事の量は増し、その質も責任のある重厚なものになりつつあった。終日、働き続け、稀
もっとみる【NOVEL】ある男の人生 第3話
後日、男は友人のもとへ車をとばした。道中、彼は友人の言った台詞を思い出しながら、自分らしくある友人のその後に期待が高揚するのだった。
陽が沈みかけた頃、彼は適当な道の駅に車を停め一休みをした。硝子張りの喫煙所で一服をしていると、一人の男に出くわした。胡麻塩頭で顔の小じわが目立つ中年男だった。ジッポーに燃料が無いからか、ホイールをいくら回しても着火出来ずにいた。
「貸しますか」男はライターを差し
【NOVEL】ある男の人生 第4話
男は生活を一変すべく、郊外に新居を構え、身の丈に合った生き方を目指した。会社での高圧的な態度を改め、模範的な上司になるよう努めた。休日は、娘の勉強を見てやり、家族との時間を少しずつ増やしていった。
半年ほど経ったある日、男は出張で近くの町へ出かけて行き、商用を終えると、適当な喫茶店で休憩を取っていた。
しばらくして、店の引き戸が開き、一人の男性が入店すると、つかつかと男の側に近寄って「久し振
【NOVEL】ある男の人生 第5話
フランスのある劇作家は「理屈をこねると理性を追放する」と言った。男が、こんなにも誇っていた生活は、もしかすると気取った未完成に過ぎなかったのかもしれない。男は少なくとも悪ではなく、かと言って善とも言い難い、大らかな気持ちで我慢しており、不満に似ているが幸福でもない。それは、実現しえないものに対する郷愁のようであり、男にとって幸福とは近づくことは出来ないが、絶えず追及していくものなのかもしれない。
もっとみる【NOVEL】ある男の人生 第6話
ある日のことである。男の家に例の旧友から結婚式の招待状が届いた。男は彼を懐かしく思い、その文面に安堵した。友人とその妻は歳が近いようで、住まいも男の家からそう遠くはなかった。男としては、人を祝いに行ける心境では無かったが、どうやら【友人からの挨拶】も頼まれているので、仕方なくも一応、快く引き受けることにするのだった。このことを彼は妻に話した。妻も友人の結婚を祝福してみせたが、すぐに互いの年齢を心
もっとみる【NOVEL】ある男の人生 第7話
男が抱える問題は、人間が幸福になるような生活様式に意味があった。このような生活に終始しているうちに、彼の生活の今後をほとんど変えるほどの事件が惹き起った。
平日のことである。男は、普段と変わらぬ朝を迎え、出社した。ところが、会議をしていた最中、胸に強い痛みを感じたのである。経験したことの無い感覚だったが、忍耐強い性格だったので、少し横になれば楽になると思っていた。が、その痛みはやがて背中に渡り
【NOVEL】ある男の人生 第8話
男を困惑させるものは、それだけではなかった。仕事に復帰すると、会社の雰囲気が一変していたのである。
まず、社員各々の特定の机が無くなっていた。社内には区画が存在せず、分掌的な体制は廃止され、組織としての集団成員の在り方が無くなっていた。それは、男が休職していた間に彼の立ち位置を代行していた者による考案だった。
この体制に男は面食らってしまったが、時間が経つにつれ、落ち着き払う周囲の様子に溶け
【NOVEL】ある男の人生 第9話
男が駅で待ち合わせしていると、小さな子供が駆け込んできて「おじさん」と言って身を寄せた。
「ふふ、君はすっかり僕の親戚だね」
そう言って、友人夫婦は現れた。
男は小さく息を吐いて、子供を抱きかかえて「光栄だよ」と言った。
友と男の交流は、定期的なものだった。家族ぐるみの付き合い方は、その都度異なったが、近頃は昼時に合流し、少々上等な店で談話するくらいの余裕があった。
席に着くと、男はまず
【NOVEL】ある男の人生 第10話(最終話)
男は、自社の軌道を操るまでの役職に成り得た存在だったが、自ら拒否した。他薦において男の名が最も挙がっていたが、現場では、彼が行う活動に恩恵を授かろうとする者が拡大しつつあった。彼は、大病をきっかけに仕事を自ら抑制している上、そうしたハイエナを追い払う体力は残っていなかった。
周囲の期待は、彼の器からこぼれてしまっており、彼の身代が知らぬうちに巨額になっていた。男は躊躇してしまったのだ。
長女