【NOVEL】ある男の人生 第3話
後日、男は友人のもとへ車をとばした。道中、彼は友人の言った台詞を思い出しながら、自分らしくある友人のその後に期待が高揚するのだった。
陽が沈みかけた頃、彼は適当な道の駅に車を停め一休みをした。硝子張りの喫煙所で一服をしていると、一人の男に出くわした。胡麻塩頭で顔の小じわが目立つ中年男だった。ジッポーに燃料が無いからか、ホイールをいくら回しても着火出来ずにいた。
「貸しますか」男はライターを差し出すと、その中年男はにっこり笑ってこう言った。
「ありがとう、君は好青年だね」