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マイクロノベルちょいす

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ほぼ100字小説をテーマ別にまとめ直しています。 運がよければ週に5回ぐらい更新します。
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#神様

マイクロノベルちょいす 048「ぴたっとマッチ」

マイクロノベルちょいす 048「ぴたっとマッチ」

No.1205
今時の神は鞄についておる。人々を守るにはこれが一番。虎視眈々と心の隙を狙う悪魔を祓うのじゃ。だが、満員電車で縁の糸が千切れてしまった。もはやここまでか。わらべよ、達者で暮らせ。「あった! あたしの悪魔のぬいぐるみ!!」いや、神様じゃよ?

No.1225
本を買いすぎて人間が暮らすスペースがなくなった? あほか。悪魔の世界を貸してやる。入り口はクローゼットでいいな。この地底世界には

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マイクロノベルちょいす 029「どうぞ中へ」

マイクロノベルちょいす 029「どうぞ中へ」

No.1085
神様が通る道を歩いてはいけない。神社や里山で神様と出会った人間は不思議な事件に遭う。今のお前がその状態。ここは神様のウォーキングコースなんだよ。そもそもお前、どうやってそんなでかい体で鳥居をくぐったんだよ。チビT着るのが得意? 嘘つけ。

No.1131
モノリスは地下から発掘されるものだろ? どうしてうちのゴミ箱に。「ぼくは駄目なモノリスなんです。うっかり落ちた場所がゴミ溜めだな

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マイクロノベルちょいす 019「吾輩は猫だったかもしれない」

マイクロノベルちょいす 019「吾輩は猫だったかもしれない」

No.1073
吾輩は猫だったかもしれない。名前はみっちゃん。前に姉から「こんど生まれ変わったら、必ずや私の妹になるのだぞ」と言われた気がする。よく撫でてもらったし、エサをもらった記憶もある。「どこかかゆいトコないですかー」特にシャンプー遊びに覚えがある。

No.1093
吾輩はみっちゃんである。前世はまだよくわからない。でもなんか猫らしい。たまたまこの家に生まれたのに、お姉ちゃんは「運命の出会

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マイクロノベルちょいす 016「何屋さんなの?」

マイクロノベルちょいす 016「何屋さんなの?」

No.1006
靴屋さんでーす。一足どうですか? 新しいサンダルがありますよー。「お母さんのスリッパで遊ばないで」クレームで靴屋さんは潰れました。今日から八百屋さんです。安いよ安いよ。きつーいにおいの納豆が500円。「突っ込みとクレーム入りまーす」ひゃー。

No.1012
猫が自分のしっぽを追いかけてくるくる回っている。最初は一匹だけだったのに、次第に増えてたくさんの猫たちがくるくる回る。バター

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マイクロノベルちょいす 006「お疲れサマ」

マイクロノベルちょいす 006「お疲れサマ」

988
糸が見えます。ちょきん。繋ぎ直します。左手の小指から伸びる赤い糸は運命の相手と繋がっています。右手の小指から伸びる白い糸は魂を売った相手に繋がっています。むむっ、これはひどく絡まっている。ちょっと右足のドス黒い糸を切っていいかしら?

993
散歩の途中で知り合った神様が、ジョンを撫でながら「これは人間には内緒なんだけど」と愚痴をこぼす日々が続いている。犬としても楽しくはなかったらしく、先

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マイクロノベルちょいす 003「こうしてぼくたちは結婚しました」

マイクロノベルちょいす 003「こうしてぼくたちは結婚しました」

978
年貢の納め時だよ。そう宣告された上で、口の中で飼っていたキツネを恋人にかみ殺されたので、結婚しました。

984
「そんなにほしいならくれてやるよ」彼女は機械仕掛けの魂をくれた。「大切にしてよね」メンテナンスが重要ってことだね。取扱説明書はないの? 「そこまで単純じゃないから」弱ったな。機械は苦手なんだ。「人間だって得意じゃないくせに」ぐうの音も出ない。

989
才能が落ちていた。ネコバ

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