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小説『26時のカフェ』
「ありがとうございました、鼻からイングリッシュのペペロンチーノのぺっぺっぺっとね」
25時の店内、褐色肌の同僚の女性スタッフが、レジのドル札を数え終えて、俺もフロアのモップ掛けを終えたところだった。
25時の店内には俺と同僚の女性スタッフ以外誰もいない。
ノーゲスト。閉店作業。気怠い店内の薄オレンジ色の光。
最後にモップを絞っているときに、その奇妙な歌のような何かが聞こえてきて、俺は思わず声
エッセイ:『僕の母』が癌かもしれないと聞いて思ったこと。
まずは『僕の母』がどんな人か簡単に説明するために過去の記事を掲載します。
先週、母から連絡が来た。
『癌かもしれない……来週もうちょっと精密検査をしてみるから』
母の年齢を思い出そうとしたけれど、ちっともわからなかった。
家族という個人的な組織がまともに機能していたとしたら、おおよそでも割と正確な年齢ってわかるのではないだろうか、と思った。
生憎、僕の母は、僕が幼い時に消えてしまったから
最近仕事オンリーの生活になってきて、中々に何かをする時間がとれない。
疲れたけれども、労働後のクタクタな体を通るバンクーバーの美しさは色褪せない。むしろ、割と充実している。
今の僕にはやりたいことが多い。行く行くはそのバランスは取っていきたい。