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不適切とモヤとスタート地点

ドラマ『不適切にもほどがある!』が、結構叩かれているみたい。
「せやろな」「せやな」と思った。
1話目を観たわたしはうれしかった。
笑ったり笑ったり、なつかしさを感じたりもしていたから。
時事ネタがではない。
「よく観ていた頃の小劇場」感、がちゃがちゃごちゃごちゃ生き生き感、ギャグやオフザケを散りばめながら「言いたいことを伝える」を感じてだ。
でも、かな、だから、かな。でも、かな。
2話目くらいから「ん?」を思い始めた、「ん?」と「んー?」だ。
「ああ、これは、叩きがいがある」って。
ああ、うまく言えていないな。
声をあげるひと、ちゃんとあげる人にとっては、
ちょっと厳しい、誤解されるし、×が多すぎるなあ、多すぎるよなあって、真剣に。
 
わたしは、クドカンのクドカンらしさ、みたいなところが好きだ。
好きという言葉は違うかな。「巧いな」と思うし思ってしまうことが多い。
その作品(ドラマ)たちを観てきたことも大きい。
「アップデートされていく過程」のようなものをも観てきたようにも思う。
それこそ、初期は今よりももっと、「んー??」だったところ、
でも自分もまたそれに「んー??」とはなれておらず見すごしたり笑ったりしていたところ、
それを経て、きっと調べたり、学んだり、考えたりしていかれたところ、
そうして、あらたな作品としてわたしたちに提示していかれるいかれた過程、でもそれでもまた、まだ、ある、「ん?」な点……。

〝このひとの(作品の)このひとらしさ〟と、
でも、〝このひとの(作品の)このひとらしさ〟では、もうあかん(かもしれへん)ところ……。

でもだから、まだ(もう?)3話目のこの作品が、意義深いんじゃないかな、このテーマの今作が、だからこそ「どうなるねん」と楽しみになっている。いろんな意味でドキドキしながら。
 
「わからん」「無理? 無理かも」
でもだからそれでも「一緒に考えようよ」、もっと。
 
最近、改めて思うことがある。
世の中でいちばん、は言いすぎだけれど、
〝距離感とバランス〟って、なんかすごく大事なことじゃないかな、って。
大事だろうけれど本当にむずかしいことじゃないか、とも。
自分も苦手だったり悩むことが多いからだろう。
どちらかに偏りすぎたものや、極端に「絶対」みたいなもの、
それは、「そちら側でしかない」と、別側から思われかねず、
そもそも理解し合えないかもしれないことがもっと遠く「し合えない」になりかねないと考えもする。
極論だが、その先にあるのは、更なる排除や攻撃や虐殺かもしれない。
棲み分けたり、わけたりしても、その中で、差別や、排除や攻撃はなくならへんことを、たくさんのちいさくもちいさくない嫌な目に遭って来たからこそ、思いもする。

「わからん」でもだからそれでも「一緒に考えようよ」

これも無理すぎるに近しすぎることかもしれないけれども。
 
先月から、1章1章、ゆっくりと読んでいる本のタイトルはその名も『モヤ対談』だ。
人気書店員(っていう言い方もどやねんやけど)である著者が20人と対話をする。
対談の中には、私的に、「ん?」「んー?」「んー……」なものも、ある。今は。
でも、だから、時間をかけて読みたいし、読み終えてから、二回目三回目も、したいなと思ってる。

20人の中にはとても好きな作家さんたちも、名は知るも著作は未読の方も居るのだが、
哲学者の永井玲衣さん、昨年初読みして「うおー」だった彼女の言葉が、ジンと来た。
 
≪「人それぞれじゃん」って結論づけられてしまうとき、「どうでもいいじゃん」のほとんど言い換えの言葉なんですよね。それはやっぱりさみしいです≫
 
≪「答えなんてないさ」という冷笑的な態度ではなくて、答えは今すぐに見つからないだけで必ずある、だからそれを信じて探求しようよ、と思います≫
 
≪「人それぞれ」をゴールにするんじゃなくて、そこをスタート地点にして、じゃあ人それぞれのその人たちはどこが違うんですかとか、どこだったら私たちは手をつなげるんですかとか、そういうことをしつこく問い続ける≫
 
なんだかこじつけがましくなっていたら、ごめんなさい。もしくはやっぱり、甘いかなあ。

でも、ジンと来た。ちょっと涙も? 出た! よ!




1話目を観た後に書いたもの。


これ観たときも「ん?」からの、だった話。


永井玲衣さんの本を読んだ時のつぶやきはこちら。

◆◆
【略歴や自己紹介など】

構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
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