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みなさんの宝物[保存版]

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お世話になっているnoterさんの作品をひとつか2つずつ、少しずつ集めさせて頂きます。
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#詩

元気ですか…

元気ですか…

自分から絶ったのに
待ってる自分がいる

日が経つに連れて

そんな気持ちは
薄れてしまう予定だったのに

日が経つほどに

ひょっこり着信がないか
待っている

きっと

待ちくたびれてしまうぐらいの
時間が必要で

来るはずのない連絡を
期待している時間も

人生の
無駄ではない時の一部

元気かな…

いつか思い出に

いつか思い出に

好きは心のアザになって
簡単には消えない

本心はこのアザを引きずって
貴女を忘れたくないのに

そのアザを見ないように
心掛けたりなんて…

そんな無意味なことが
諦めに変わる

痛みや哀しみは
その裏返しの時間があったから

いつか

その幸せがくれた優しさや逞しさに
感謝する日は来る…

𝐩𝐨𝐞𝐦 ♯𝟓𝟗 𝐒𝐥𝐞𝐞𝐩𝐥𝐞𝐬𝐬 𝐍𝐢𝐠𝐡𝐭

𝐩𝐨𝐞𝐦 ♯𝟓𝟗 𝐒𝐥𝐞𝐞𝐩𝐥𝐞𝐬𝐬 𝐍𝐢𝐠𝐡𝐭

Sleepless Night / yama

⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆

入 口 か ら

出 口 に 向 か う





逃 さ ぬ よ う に

蓋 を し て

ひ と と お り

循 環 さ せ た ら

ち ゃ ん と







き み の 心 の 傷 口 に

セ ロ テ ー プ を

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𝐩𝐨𝐞𝐦 ♯𝟐𝟒 𝐒𝐭𝐨𝐥𝐞𝐧 𝐌𝐨𝐦𝐞𝐧𝐭𝐬

𝐩𝐨𝐞𝐦 ♯𝟐𝟒 𝐒𝐭𝐨𝐥𝐞𝐧 𝐌𝐨𝐦𝐞𝐧𝐭𝐬

Stolen Moments / Cautious Clay

盗 ま れ た

「わ た し」







✧︎

盗 ん だ 犯 人

ほ ん と は

誰 だ か 知 っ て る の

返 し て ほ し い だ な ん て

言 わ な い わ

い つ ま で も

隠 し 持 っ た ま ま

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帰るための手段

帰るための手段

逃げる夢特有の、足が沼地に取られるような
前に進みにくいもどかしさ
右手に握るスマホは、何度も操作して
でも、誰にも繋がらない

逃げる夢を見ると、決まって登場するのは
古民家の小さな住宅で
玄関の引き戸を閉めると消音されて
ガラスがひしめくものを遮断した

ひしめくものは、やがて虹に変わって夕陽になる

黒に近い濁流から逃れたときに見た夢
引き戸の向こうは、トパーズのような透明な青と
気泡が、古

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幸せは、案外転がっている

幸せは、案外転がっている

「アタシが帰る日
冬瓜のスープと炊き込みご飯が食べたい」

前々から幼なじみに言われていた通り
広島最終日は、冬瓜でもてなした

スープや炊き込みご飯以外に
秋ナスのマリネ、ニンジンと葉のきんぴら
かぼちゃのコロッケなど、地産地消の野菜を使い
月曜からまた、都内で仕事する彼女をもてなす

飛行機の搭乗手続きから時間を逆算し
朝から下ごしらえなどをして
夕方、彼女がうちへ訪れるのを待っていた

「お

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草の花冠

草の花冠

小学生の時
友だちのお姉さんと
一度だけ
ふたりきりで
遊んだことがある

背が高くて
とってもきれいな
お姉さんに誘われて

まだ小学六年のお姉さんでも
ぼくには立派な
大人の女の人に見えた

草原のまん中に座って
お姉さんは器用に
草花で冠を作り
ぼくの頭に被せた
「うん。似合ってるよ、きみ」
「女みたいで嫌だなあ、ぼく」
「そんなこと、ないってば」
くすくす、くすくす
太陽のように笑いながら

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