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看護が嫌いになる前に

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はじめて看護師を目指した日の気持ちを忘れないように。 未来のあなたにむけて手紙を届けるような想いで。 看護のよさだけでなく、一人間として感じているつらさも含めて、赤裸々に綴るエッ…
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【さよなら、病棟LIFE。】

看護が大好きで、後輩も大好きだった。
だけど、病棟からいなくなることを決めた。
もう、限界だった。

4年前の4月、この病棟に配属された。
ここの病棟はとても人間関係がよかった。
あたたかい人たちで溢れていて、心地よかった。

「わたしはここに居ていいんだ」看護師になってから、はじめてそう感じられた。
ほとんど諦めかけていた夢が、ひとつ叶った瞬間だった。

それから4年が経ち、わたしはプリセプター

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祖母と看護の心

祖母と看護の心

新人看護師の時に先輩から教えてもらった言葉で、今も心に残っている言葉はいくつもある。

その中で、最近思い起こした言葉が「患者さんは自分の家族のように関わる」という言葉だった。

当時、その言葉を受け取ったわたしは、家族と同等程度に丁寧に関わるという意味で受け取っていた。

今わたしは、実の祖母の看護を通して、まさにそれの大切さを体感している。

職場で家族を看護するとは、なんとも言えない気持ちで

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やってることに誇りを持ってやっている

よく、いろんなことをしてると

「看護師を辞めて、将来は違うことするんですか?」

って聞かれるけど、今のところ看護師を辞める予定はありません笑

そりゃあ大変なこともあるけども、看護師は誇りを持ってやってるし、看護が楽しいって、心から思ってやってる。

嫌いやから、いろいろやってるわけじゃないんよな。

使命感だけじゃ、やっていけない。

使命感だけじゃ、やっていけない。

使命感だけじゃ、やっていけない。
最近の医療業界で、よく聞くことば。

人を支援する仕事をしていると、
相手ファーストになりやすく
自分を満たすことがないがしろになる
傾向があると感じてる。

だけど、自分を満たすことは実は
最優先事項なんじゃないかな。

自分が心底疲れてるのに、自分の心に嘘をついて相手のために力を使うのって、それこそ自己犠牲なんじゃないかな。

最近のわたしは、そう思う。

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訴えに耳を傾ける

「おトイレ行きますか?」

食堂で手をあげる姿に対しての、なにげない一言だった。

ただ、目の前の車椅子に乗った80代女性から返ってきた言葉は、予想していなかったものだった。

「いつもトイレじゃないよ」

そう言って、わたしの腕をつかんだ。そして、あろうことかふにふにと気持ちよさそうに触ってきた。

どこか寂しそうな、愛らしいような相手の表情を見て、もしかしたらと思って訊いてみた。

「お話した

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気がつけば、看護師になっていた。

気がつけば、看護師になっていた。

気がつけばもう看護師4年目。

教えてもらうばかりのひよっこだったわたしが、いつの間にか病棟の運営に携わったり、後輩を指導する側になったりと、随分と仕事を任されるようになってきた。

「気がつけば看護師4年目」になれたのも、ここまで運んできてくれた周りの先輩や院内外で支えてくれた多彩な友達がいたから。

いつの間にか「看護師らしくなったね」と看護師の叔母にも言われるようになった。

看護師一年目の

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看護師一年目の夏の終わり

夜勤で早朝に挨拶に行った時、患者さんに言われたんだ。
「ああ、今日も目が覚めた。よかった。」って。
ガンを長く患っていると毎日が闘いで、明日目が覚めるかもわからない。
たくさん治療をしてきたけれど、これがなければもう死んでたね。

その言葉を聞いて、ふと涙が滲んできそうになったから、さりげなく一言置いて病室を出て、人の居ないところで一人で泣いた。

命と向き合う職業は、命の大切さや儚さ、強さに気づ

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看護師1年目の夏の夜勤中のできごと

看護師1年目の夏の夜勤中のできごと

「丁寧にしてくれるからね、これ以上のものはないよ。嘘は言われへんからね。」

痰の貯留が多いため呼吸が苦しくて
吸引と口腔清拭した後に頂いた患者さんからの言葉。
普段褒めない方が真っ直ぐ伝えて下さって。
それが嬉しくて嬉しくて。
仮眠の時間なのに、夜勤の疲れがぶっ飛んでしまった。

自分が真心込めて行った看護は、必ず相手に何かが伝わっていて。
小さなことでも雑にならずに心を込めて行うことで、少しで

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涙あり笑いありの誕生日 AM9:00

涙あり笑いありの誕生日 AM9:00

※看護のこと書いたら、めっちゃ長なりました🙇‍♀️

2020/6/27 9:00 ピンポーンとインターホンが鳴った。
「ん…」前日はしご飲みをしていたことを、体の重さが思い出させてくれる。
「宅配便でーす」インターホンの受話器を置き、眠い目をこすりながら扉を開ける。
(注文してた商品が届いたのかな…!)部屋に入ってから包みを開けようとすると、思っていた宛名と違う。

午前中指定、と書かれた荷物

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【チームコロナファイター3dayを終えて】

【チームコロナファイター3dayを終えて】

医療崩壊の危機を目の前にして、いてもたってもいられなくて。現場の仲間の声を聞きたい、わたしたちに何かできることはないか。そんな想いで、みなことはじめたこの企画。

集った医療の仲間は、みなこが書いてくれたように、すっごく頼もしくてアツい仲間ばかりで。
https://www.facebook.com/100008435325099/posts/2450277005263453/?d=n
命をは

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コロナの今、わたしたちにできること。

コロナの今、わたしたちにできること。

こんにちは、もえこです。
今日は雨がしとしとと降ってますね。

そんな中、今日は仕事がおやすみなので、わたしもおうちで1日過ごしています。

最近はね、ニュースがコロナコロナじゃないですか。
ほんでね、そんな状況をみて、看護の仲間はどういう状況なんだろうとか、わたしたちにできることはないのかなって思って。
みなことチームコロナファイターっていう、コミュニティーを立ち上げたんですね。

そこでは、z

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看護でつながる深く大切な仲間

看護学生時代に学外の活動で出逢い、意気投合して看護コミュニティを創ってから
ことしで6年の付き合いになるみなこから

もえこは興味あることはやってると思うよ
好きなことをいろいろすることが
もえこにとって幸せなんじゃないかなあ。

仕事はひとつ、これだとおもうことを続けておいて
趣味やそれ以外で、いろいろやったらいいんじゃないかなあ。

というような言葉をもらって。

「看護」とい

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看護の世界をハッピーに。

看護の世界をハッピーに。

#マーケティングタウン のあとは、自分たちで創った看護コミュニティ #ハピコナ でグランフロントで夜景を見ながら語り☺️✨

これもひとつのご縁で、グランフロントのオフィスを貸していただけて、時間の許す限り、未来の看護界とハピコナのこれからについて、経験も年代も違う学生、看護師が混じり合って語りあった。

学生からの視点で得る刺激も大きくて。
保健師の実習に行って、在宅へ帰った患者さんが病院で

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【夜眠れない患者さんに、寄り添う】

わたしの名札が手に取られ、ふわりと宙に浮かぶ。

「おぼえられへん」

微かな声でそうささやきながらも
わたしの名前をフルネームで何度もくり返す。

かすれる声で、わすれまいと
一音一音発声しようとするAさん。

夜眠れなくて、ナースコールを30分おきにおす。
その行為だけをみると、忙しい業務の中でなら
苛立ってしまうこともあるかもしれない。

ただわたしは、そういう時こそ蔑ろ

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