シェア
あさうら
2024年1月13日 17:07
私、浅浦 藻が個人的にいいなと思った詩を勝手に追加していくマガジンです。目的としては1いい(と浅浦的に思われる)詩を他の人にも読んでもらうこと2浅浦が自分の知見を広めることがあります。とはいえ浅浦に影響力や拡散力はほぼないので、1に関して詩の作者の方にはメリットはさしてなく、2に関して言うと完全に浅浦にしかメリットがありません。浅浦が素朴にめちゃいいと思った詩を、勝手に追加してい
柿沼オヘロ
2024年4月1日 10:04
雲丹がういているとしてこの一歩目からすでに戦いがはじまっているわけだだからぼくは何食わぬかおで血の歩兵のマントになるだろうはくいきすういき全てのいきに遺る白亜の振動たたかいはもうはじまっていた指のうごきすいめんを撫でる、叩く、込めるそこにもぼうっとして野蛮なうにがまとわりついてるわけだちょうどのものを見ることができない耳も、鼻も、味蕾も、発声も、発生もた
arai/詩
2024年2月25日 19:23
海と空の不透明な恋愛というものは フィルムカメラの天気予報では 測れないから/春を一枚剥ぎ取って それは15時のひかりの角度で マンションのベランダから クジラに乗って/飛び降りてみた あめのひは一夜限りの紙タバコふかして はれのひでは構造色のオフィスから くもりのひは螺旋階段を駆け抜けて 休日には/居留守だらけの遊園地で 珈琲を片手に踊っている さてこの玄関には/
佐々木さとる⇄斑山羊
2023年12月28日 16:50
テレビを突然消したものだから茶の間は混乱した。今夜、皆で歌番組を見ていると、爺の左手が急に電源を切ったのだ。姉や母や婆が〈いいところなのに〉と口々に小声を尖らせる。何が我慢できなかったのか、爺はもう土間に降りようとしている。〈点けてもいい?〉と中学生の姉。もう少し待ちなさい、と父。〈戦争から戻ってかれこれ三十年にはなるのにねえ〉蜜柑を取ろうとしていつも通りに婆が尻をあげる。女の声高い歌謡曲がつっと
omohayu
2023年8月23日 22:56
椎名救
2023年12月25日 03:46
最近ぼくは内側にいます。水膜に触れて、る、指先は僕の。ぼくもてをのばす。膜越しに手を合わせて、ね、だから、だからもう、さみしくないんだ。ぼくら。共鳴している。ひとつとひとつのゆびさき。故意に侵した蜃気楼の先へ。ゆける。ゆけるよ、ぼくらなら。ぼくたちなら。だからね、もう、だいじょうぶなんだ。僕が寂しいときは、さみしくないよって、ぼくがいるからへいきだよって、いっしょにいるから。からだ、は、僕に預け
山羊山ヨウコ
2023年12月30日 00:00
列車の窓硝子を雨粒が穿って都市に衝き進む溶かす摩擦熱のように外界の冷感に内在する熱かつかつと削れつつ崩れ行くグレーの 歪から不特定多数の指向性が過密する圧力の足し算引き算に相殺される 無へ飛び込んだ終点まで吐き出される原形質のなれの果ての塊になっても考えるまもなくひきちぎれて細やかな熱の粒になって遊離削れつつ
柿山双葉
2023年12月24日 23:23
12月の夜は部屋のあかりを消してヘッドホンをつける、そして壁にもたれかかる背中のあたたかさ、冷えたコーラを飲んで夢を見る、目をあけたままで眠る。こんなふうに安らぐこと、こんなふうに息をすること、こんなふうに赦すこと、こんなふうに生きること、そして。淡いグリーンの光を指先に感じる、まるで生まれる前の走馬灯、淡いパープルの光を唇にあてる、それは永久凍土の20世紀だね。サンタクロースは麒麟や
の
2024年1月13日 19:30
無限に耽る、寡黙な椅子でカレンダーに記録を付ける雨と永遠のノイズが先走る明日軽やかに立ち竦む扉の夢の前斜陽は高鳴って消えそう魚になって斜陽はただ待って消えそう魚になって柔らかな窓辺にまどろむ月の歌カレンダーに既読を付ける雨と宵闇のダンスが駆け抜ける明日軽やかに待ち望む扉の夢の夢の前斜陽は高鳴って消えそう魚になって斜陽は漂って消えそう魚になってどこ
あまねし
2024年1月10日 20:58
めざめたときには過ぎていたひこうき雲はもうすっかり青空に散って見慣れない鉄塔だけがふぉんふぉんと光りそびえるあれはゼットンみたいなものだ空に線をえがいて通り過ぎたあなた見送りになんていくはずなかった灼熱の玉がこの星を終わらせるときがくる赤い空の下で立ちつくすがいい近所で出くわしたみたいに素知らぬ顔して駆けつけてあげる背中に手をあててあげるこれはうたた寝じゃないシエスタだ
絶ッッッッ句
2023年1月24日 01:51
やァシイラカンスといふものが飾られていると聞いたのだが(和服を着崩している、ちらりと見える脇差)古代も古代の大神秘、アフリカなる地の珍物とな と語る彼の背には、幾人もの影現代を生くる化石なのだよと父君からは教えられたものだ鮭 商人はこっそりと見せたのだ それは見紛う事なきただの鮭であるが詮方無いこと それは彼の真実であるアフリカから来たる白い歯の男は言う コントラストの