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ひかりの角度で

海と空の不透明な恋愛というものは
 フィルムカメラの天気予報では
 測れないから/春を一枚剥ぎ取って
 それは15時のひかりの角度で
 マンションのベランダから
 クジラに乗って/飛び降りてみた

  あめのひは一夜限りの紙タバコふかして
  はれのひでは構造色のオフィスから
  くもりのひは螺旋階段を駆け抜けて

 休日には/居留守だらけの遊園地で
 珈琲を片手に踊っている
 さてこの玄関には/散ったばかりの

  ステンドグラスの/花びらになりすます時間や
  気候の違う淡雪が/沢山いるらしいのですよ

 わかりますね/御嬢さん
 今はもう帰れない白昼夢に
〈そのあたりは鹿になったのか――〉


お題詩 幽霊/秘密

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