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身近な人を幸せにする建築。本音に向き合うためのマテリアル選びとは?|建築士・姫野智宏 インタビュー

いつもMaterial Bank® Japanをご利用いただきありがとうございます!

今回は、住宅~店舗デザイン、ホテルなど多岐に渡って活動する、姫野智宏さんにインタビューしました。

▲建築士・姫野智宏さん

建築の原点「人と、ものづくりが好き」

──まずは自己紹介をお願いします。

姫野:姫野建築設計事務所の姫野智宏です。普段は、別荘やホテル、クリニック、店舗設計に多く携わっています。

千葉県船橋市の出身で、小さい頃からものづくりが好きということもあり、千葉大学の工学部建築学科を専攻し、大学院にも進学。より建築を学ぶためにイースト・ロンドン大学院へ留学しました。大学院修了後は、公共施設や鉄道車両を設計するアトリエ事務所に入社して、駅舎や船舶、個人邸など幅広くデザインを担当。5年間勤めて、2020年に独立しました。

アトリエ事務所で得た知見もそうですし、英国で勉強したことやヨーロッパの建築物を巡った経験は今の案件で設計する上でも活かされていると思います。

──素晴らしいキャリアですね。設計される上で心がけていることはありますか。

姫野:アトリエ事務所にいたときは、担当する案件の種類が定まっていなかったこともあり、毎回勉強から始まることが多かったです。障がい者支援施設を担当したときは、あちこち敷地を見たり、利用者の方々と話したり、福祉について隅々まで調べました。

また、独立後に担当している案件は、飲み屋さんで繋がった方からいただいたものが多く、その方とどんなことをやりたいか、飲みながら本音の部分で話し合って決めるようにしてます。

対応案件が全く知らなかった分野だとしても、お施主さまとの対話を積み重ねてチャレンジしていくことは、僕が設計する上で変わらずやっていることだと思います。

──設計する立場と利用者の意思疎通は大事ですよね。過去のご対応案件で印象的なものはありますか。

姫野:僕の同級生が発展途上国をサポートするボランティアをしていたんですが、そこでいただいたブータン王国の道の駅を設計するプロジェクトですかね。5年ほど時間をかけて現地の方とワークショップやオンラインミーティングを通じてつくっていきました。

いざ現場に行くと図面と左右反転に壁が建っていたので、図面を太陽に透かして監理しました(笑)。限られた素材と技術で作ることや伝統工法で歌を歌いながら壁を建てていくことなど、普段味わえないことの連続を楽しんでできたことは、ひとつ良い経験になりました。

▲姫野さんがプロジェクトに携わった、ブータン王国の道の駅

──これからやっていきたいこと、展望などありますか。

姫野:もちろん大きい案件をやっていきたいですが、僕自身、人が好きというところもあり、仲良くなった人のために何かを作りたいという気持ちは変わらず、この先も深層心理に向き合った設計ができたら嬉しいです。
個人が隅々まで把握できる範囲は限られると思っていますし、たとえプロジェクト規模が大きくなりチームで設計する場合でも、対話から生まれる空間づくりの細やかさは担保していきたいですね。

施主の満足度を上げるマテリアル選び

──ここからは、Material Bank® Japanのお話をさせてください。使ってみていかがですか。

姫野:パッケージに感動しました。オーダーするまでどんなかたちで届くか全く知らなかったんですけど、黒いボックスを開けてみたら、整頓されていたところにも驚きました。きっとものすごく考えられて作られているのだろうなと思いましたし、返却する前提でデザインされているのだと思いました。

▲お届けしている、 Material Bank® Japanのボックス

──嬉しいです、ありがとうございます。Material Bank® Japanを使ってみて生まれた変化はありますか。

姫野:普段はサンプルを取り寄せるとき、各メーカーのサイトを見て発注することもありますが、短期間で決めなきゃいけないときは、1日かけてショールームをはしごしてサンプルをいただくこともあります。Material Bank® Japanは、サンプル取り寄せのハードルが低く、その一歩目を早く歩み出せるのは良いですね。

また、サイトのインターフェースの部分でも見やすく、プロジェクトごとに案件管理ができて、それもアーカイブできますよね。いつもだと自分のPC上でフォルダ整理をしていたので、それを勝手にまとめてくれるのは嬉しいですし、Material Bank® Japanを使ってみないとできなかったことです。

──姫野さんのマテリアル選びのこだわりはありますか。

姫野:建物を建てたときに大抵竣工写真を撮るじゃないですか。僕はそのときがベストじゃないと思っていて、何年か経ってその素材がその街や人に馴染んで、だんだん良くなっていくことが理想です。建てたら何十年もその場所にあり続けるわけですから、素材とともにその建物の歴史になっていったらいいなと思います。

そのため毎回サンプルの点数は多くなってしまいますが、検討は欠かせません。お施主様とマテリアルを使って何度も会話をするので、Material Bank® Japanで取り寄せしたものは返却できるのでありがたいですね。

──Material Bank® Japanを利用する中で、お気に入りのマテリアルはありましたか。

姫野:最近オーダーしたマテリアルを返却をしたんですけど、ひとつだけ返さなかったものがあります。それが、日本エムテクスの「塗るデニム」です。PC画面上ではわからなかった、ザラっとした質感がお気に入りです。

お施主さまにも見せて「これ良いじゃん」となって採用となりそうだったんですが、施工面の問題で叶わず。でもいつかは使ってみたいなと思って事務所に飾っているんです。こういう左官材って可能性を感じますね。

▲大手デニム工場から排出されるデニムの端材を粉砕し、左官材へアップサイクルされた「塗るデニム」

日本エムテクス「塗るデニム」について詳しくはこちら

──ぜひ次回のご提案に役立ててみてください。最後にMaterial Bank® Japanに期待することがあれば教えてください。

姫野:最終的に世の中に出てるほぼ全てのマテリアルを網羅して欲しいなと思います。マテリアル探しをするとなったときにMaterial Bank® Japanにアクセスして、誰も使ったことがないマテリアルを見つけたいですし、使い方や素材のストーリーをたくさん載せていただけたら嬉しいです。

あと、Material Bank® Japanを使ってるデザイナーさんたちと何かやりたいですね。Material Bank® Japanで取り寄せたマテリアルの施工事例コンテストとか、普通の飲み会とか(笑)。プロ同士が集まることで新しくできることがある気がしてるので期待してます!

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