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2022年11月の記事一覧
わたく詩 11/26
鼠色
鼠色に鼠色を混ぜて鼠色のカンバスに塗りたくる。癇癪を起こした鼠色の少年はまだ乾かぬカンバスに身を横たえる。何もかもが哀しくなった少年は鼠色のコートを羽織りお気に入りの眼鏡をかけて鼠色の穴を出る。はるか彼方には七千色の世界が見える。鼠色の百均で買った七千色眼鏡の効果である。鼠色の北風に襟を立てて少年はただ歩き歩き歩き歩く。鼠色のブーツは底が剥がれて鼠色の麦畠に脱ぎ捨てる。なぜ歩くのかと問いか
Looking Thru Me 90s From Both Sides
《Side A》
はじめて聴いたのは1995年、高校2年のときで、模試A判定にかまけてバンドばっかりにかまけていた頃。ドラムスだったが、留年してた同級生の別バンのリョウジ君があまりに上手すぎて、そりゃ上手いわ、あの人大学行かずにバックバンド行ったもの、で、ともかく始めて1週間くらいで向上心は失せて、まあ何でしょう、スタジオでまあまあ練習してはすり鉢状のせっまい街中でナンパと合コンにかまけていたわ
Bluebird Lullaby
むかーしむかし、あるところで『青い鳥』という卓れた寓話を書いたのはリリエンタールではなくてハイエルダールでもなくて、作者とチルチルとミチルという内縁関係にある3名は、何かのために唐突に青い鳥を探しにゆくのだが、それは確か、この子の七つのお祝いにお札を納めに参るその途上、実にさまざまの魔物――スライムにはじまり森喜朗に至る魔物オールスターズ――に出会いと別れを繰り返し、やがて倒れた彼らは青は藍より出
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