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PL学園

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元PL球児の語るリアルなPL学園での生活
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PL学園OBが活躍できる理由を論理的に分析してみた

PL学園OBが活躍できる理由を論理的に分析してみた

 PL学園出身のプロ野球選手はPL学園硬式野球部創立62年の歴史の中で実に82名に登る。更にプロ野球の中でも超一流と呼ばれる名球会に入っているPL出身のプロ野球選手は七名。他にも強豪校と呼ばれる高校は全国にも複数あるのだが、これほど継続的に超一流を輩出している高校は他にない。

 なぜPL出身の選手はこれほど活躍するのだろう。筆者である僕自身がこの疑問をいだいたのが僕自身が中学生のときである。この

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PL学園硬式野球部一年(アンパンマンジュース編)

PL学園硬式野球部一年(アンパンマンジュース編)

PL学園の入寮初日、PL学園野球部の伝統行事である”系列”の先輩への挨拶を僕はガチガチに緊張しながらおこなっていた。

PL学園の野球部には系列という縦の関係が存在し、一年である僕らは、二年生と三年生に一人づつ系列の先輩が存在する。早い話、一派や弟子と言ったところか。

入寮初日、二年生の系列の先輩にまず挨拶をし、寮内や硬式野球部としてのルールを叩き込まれる。あまりにそのルールが多いので僕たちは細

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PL学園硬式野球部一年(平成版PL飯編)

PL学園硬式野球部一年(平成版PL飯編)

この時のために生きてきた。時刻は深夜3時。僕たちはゴキブリの如くクッキング室へと忍び込み一年生だけの静かなる宴を開催しようとしていた。

1日の全ての仕事を終わらせた深夜3時。最後に食べ物を口にしたのは夕方の6時。ほとんど味のしない食堂の晩飯を流し込みその後ぶっとうしで9時間の労働を終わらせた。

空腹とメンタルは限界を迎えていた。このまま寝ることも可能だが今眠ってしまってはメンタルが回復しない。

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PL学園ユース化計画

PL学園ユース化計画

現在のPL学園硬式野球部の状況は2016年に休部してから進展がありません。現在は、高野連からもPL学園硬式野球部は脱退しており、無所属の状態です。ここで僕はPL学園硬式野球部のユース化を提案します。

日本には高校世代に上がってからの硬式野球をやる選択肢は高校野球の一択です。中学から周りから騒がられ、プロ注目の中学生も、楽しく野球をやりたいだけの高校生も同じ高校野球の舞台でプレーします。

単純に

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PL学園硬式野球部1年(罰ゲーム編)

PL学園硬式野球部1年(罰ゲーム編)

5限目が始まる前、僕はトイレの個室にいた。練習用のユニフォームを持って。

グラウンド1番

グラウンド1番。これは硬式野球部の中での一年生に課す罰ゲームだった。その罰ゲームはその名の通り、いかなる事があってもグラウンドに1番にいかなければいけない、という理不尽で意味不明な罰ゲームだった。

この罰ゲームを僕に課したのは一つ上のZ。Zは僕のことを嫌っていた。理由は分からないが理由もなく理不尽なこと

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PL学園硬式野球部1年「憂鬱な5限目編」

5限目の現代国語の授業。睡魔とこの後の練習についての不安で心はぐちゃぐちゃになっていた。
学校で過ごせる時間は残り50分。1時間後にはユニフォームに着替えて、グラウンドに向かって走らなければならない。想像するほど吐き気がするほど憂鬱な気持ちになった。

「ザンナオ「の授業はマジメに受けろ」

入学当初、先輩に寮と学校のルールを叩き込まれているときに、教えられた唯一学校でのルールがこれだった。
ザン

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PL学園硬式野球部1年(アイスクリーム争奪戦編)

PL学園硬式野球部1年(アイスクリーム争奪戦編)

昼の食堂。9割、カツカレーを食べ終えたところでスプーンを止める。周りにいる他の1年も各々の食事を食べ終えようとはしない。全ては売店のアイスを食べるために。  

食堂には硬式野球部1年のいくつものルールが存在したが、その一つに食堂の購買を利用してはいけないというものがあった。特に昼の購買は特別でそこには何種類ものアイスクリームが置かれていた。外の世界と遮断されている僕たちは外界でしか手に入らないそ

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PL学園硬式野球部1年(学校生活編)

PL学園硬式野球部1年(学校生活編)

心地がいい。寮での辛いことや、練習の厳しさが嘘だったのではないかと錯覚するほどの別世界に僕はいる。聞こえてくるのは他の生徒の寝息と教科書を抑揚なく音読する先生の声だけだ。今僕は一年生とって唯一の楽園である学校の教室にいる。

寮では毎日平均4時間しか寝れていない。週7日で野球の練習をしている僕らにはあまりにも少なすぎる睡眠時間だ。心と身体の回復を促すためにはなんとしてでもこの教室で睡眠時間を確保し

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PL学園校歌三番で海外進出

PL学園校歌三番で海外進出

世界の平和 ねがいつつ
海の内外 陸のはて
おもいはるけく 若人の
たからみなぎり 雄飛せん
PL学園 魂極る
栄光の道 樹つるなり
ああ PL PL
永遠の学園 永遠の学園

この歌詞がPL学園の校歌の三番です。個人的にはPLの校歌の中で一番好きな歌詞です。僕は、この歌の歌詞から感銘を受けて自分が海外に出るきっかけになりました。

PLには「世界平和の為の一切である」という教えがあります。この世

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PL学園硬式野球部一年 「作詞家の孫編」

PL学園硬式野球部一年 「作詞家の孫編」

”燃ゆる希望に いのち生き
高き理想を 胸に抱く
若人のゆめ 羽曳野の
聖丘清く 育みて
PL学園 永久に
向上の道 進むなり
ああ PL PL
永遠の学園 永遠の学園”      

作詞 湯浅 竜起

作曲 東 信太郎

制服を着た僕は、この伝説ともいえる校歌を教室で歌っていた。この校歌には嘘か本当か分からない、いくつもの逸話が残されている。PLが初めての甲子園出場を決めた年、PL学園の校歌は

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PL学園硬式野球部1年        「地獄の夜明け編」

PL学園硬式野球部1年        「地獄の夜明け編」

「はっ」何か異様な恐怖感に襲われて目を覚ます。枕元に置いてあるデジタル時計に目をやると、時間は朝の6:58を示している。「よかった。。なんとか今日も生きている。。」安堵したのもつかの間、すぐに強烈な緊張感と恐怖感が体全身にはしる。「あぁ。。また、”今日”がきてしまった。。」

親元の静岡を離れて今僕が住んでいるのはPL学園高等学校の寮である「金剛寮」と呼ばれる男子生徒用の学生寮だ。部屋は12人部屋

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