マンタムmantamu

美術作家、骨董商 2010年雑誌夜想の拠点パラボリカビスで個展開催。ヤンシュヴァンクマ…

マンタムmantamu

美術作家、骨董商 2010年雑誌夜想の拠点パラボリカビスで個展開催。ヤンシュヴァンクマイエル氏より「マンタム氏のオブジェを見ていると蝙蝠傘とミシンが手術台の上で素晴らしい会合をするというロートレアモン伯爵の名句から飛び出して来たとしか思えない」という言葉が贈られている。

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normal lamp

normal lamp - 壊れた地下に残された街灯が鼠の死骸を照らしている 2024年 鹿骨 街灯 300000円  190cm30cm30cm 時々ですが現実と夢想の境界が曖昧になる事があります。…

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2024.Zaroff個展 骸 屍

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骸muqro屍cavane

遥か世界の果てから続く遠い砂漠を超えて現れたのは見窄らしい老人だった。 それでも眼光だけは力がありなにより強い言葉で話しかけてくるのだ。 彼は遠い世界から弱く庇護…

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ナトロン湖の鳥

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私はその地域で最後の1人となった年老いた漁師である。 妻と二人で暮らしている。 そこに取材で若い女性がよく来る様になり彼女は私達の世話をしてくれる。 それはありがた…

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Ἄνουβις

私はずっと孤独だった。 この地域にいる最後の一頭になってしまったからだ。 元々は群れで動いていて死肉をあさっていた。 でもその事を理由に排撃される覚えはない 我々は…

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Dekadansu

Zaroff  「 dekadence 」 マンタム作品展示 漫画 池袋万里  会場音源 田吹三千郎 2023年1月29日から2月11日(最終日は午後5時終了) 午後13時より午後19時まで 古道…

死者を器として背嚢にする

南方戦線で飢餓から原住民の村を襲撃して捕らえられた兵士が寄生虫を植え付けられてそのまま身体の中身を食われヒトの抜け殻のようなものに変わり果てるがそれはその村の守…

滅びの国

王国は既に潰えていた。 彼女が甘受してきたあまりにも贅沢な生活は 彼女が望んだ物では無かったが王族達の贅を尽くした暮らしはその民からの簒奪によって成立していたもの…

夜の王

夜の王 彼は生まれた時はまだ鳥だった。 水鳥で さして大きくもない池で小さな魚を啄んでいたのだ。 だがある時長く暑い日が続き池は枯れていき彼の仲間達も他の多くの生…

溺れる犬は藁をも食べる

溺れる犬は藁をも食べる 八月に初台Zaroff全域を占拠してマンタム個展と首領をつとめる不可解な古道具屋アウトローブラザーズ骨董市、とってもフリーダムなマンタム式錬金…

この先のスケジュールと覚書です。

まず6月20日に日野市の高幡不動の骨董市にお店を出します。少し作品も持っていくつもりです。 午前6時から午後2時くらいまで。 22日から27日までは恒例になっている横浜…

二人のとても小さくて大きな王

二人のとても小さくて大きな王 その奇妙な頭骨はとても古い王族の墓と思われる遺跡のそばに無造作に転がっていた。 所謂長頭骨とされるものでありこれも当初は乳幼児の頭…

世界の果ての在るべき夜に私は犬を抱く

世界の果ての在るべき夜に私は犬を抱く 彼女は単眼で生まれそれ故疎まれ排撃され世界を放浪しましたが 場所によっては神とあがめ豪奢な神殿に住まわせようとする国もあり…

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ミャンマーヤンゴン2019年3月旅の終わりはそのままタイへ向かう事でした。タイでも軍の力は絶大なのですがミャンマーの軍は同時…

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2019年3月ミャンマーヤンゴンこの機会に色々調べてみたら軍の独裁と特に少数民族に対しての攻撃はあまりにも酷く日本はその軍政…

normal lamp

normal lamp

normal lamp - 壊れた地下に残された街灯が鼠の死骸を照らしている
2024年 鹿骨 街灯 300000円 
190cm30cm30cm
時々ですが現実と夢想の境界が曖昧になる事があります。
子供の頃家から少し離れた所にある塾に通わなければならなかったのですが、そこに至る道に狭くて小さなトンネルがあり、そこの蛍光灯が切れかかり、点滅を繰り返していたのです。
当時の私は、その点滅が時間を細

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骸muqro屍cavane

骸muqro屍cavane

遥か世界の果てから続く遠い砂漠を超えて現れたのは見窄らしい老人だった。
それでも眼光だけは力がありなにより強い言葉で話しかけてくるのだ。
彼は遠い世界から弱く庇護のない人々を救う事が目的であると言い触るだけで病を治し水をワインに変える事が出来た。
やがて多くの虐げられ搾取され続けていた人々が彼の周りに集まるようになっていた。

彼は言う
この世界は何処をどう煮詰めても必ず不幸な人達を生み出すだろう

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夢

私はその地域で最後の1人となった年老いた漁師である。
妻と二人で暮らしている。
そこに取材で若い女性がよく来る様になり彼女は私達の世話をしてくれる。
それはありがたいことではあるがでも長く受け継がれてきた私達の漁は神との契約であり信仰を持たない外部の人間には知られてはならないものなのだ。
そこは気をつけないといけないだろう。

魚は死んだ者が姿を変えたものなのだ。

つまり川で泳ぐものも海を潜るも

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Ἄνουβις

Ἄνουβις

私はずっと孤独だった。
この地域にいる最後の一頭になってしまったからだ。
元々は群れで動いていて死肉をあさっていた。
でもその事を理由に排撃される覚えはない
我々はそういう生き物だしそれも必要な事だから我々は一定数は増えてそれなりのテリトリーを持ち他の生態系と共存して来たのだ。
自体が変化したのは我々の仲間が土中に沢山の死肉が埋められているのに気がつきそれを掘り起こして食い始めてからだ。
それはヒ

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Dekadansu

Dekadansu

Zaroff

 「 dekadence 」

マンタム作品展示
漫画 池袋万里 
会場音源 田吹三千郎

2023年1月29日から2月11日(最終日は午後5時終了)
午後13時より午後19時まで

古道具屋アウトローブラザーズによる不可解な骨董市同時開催
尚会期中は休まず営業

私は終わりのはじまりに
世界の淵に立っている
未だ収束に至らない世界規模でのウイルス感染とかつての時代の如くfašis

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死者を器として背嚢にする

死者を器として背嚢にする

南方戦線で飢餓から原住民の村を襲撃して捕らえられた兵士が寄生虫を植え付けられてそのまま身体の中身を食われヒトの抜け殻のようなものに変わり果てるがそれはその村の守り神として生まれ変わる作業でもありある種の即神仏のようなものだったのだ。

その村は2000年の昔から存続する村であり外敵から村を守る為に襲撃者をこの様なカタチで神にしてなかば見せしめのようにして襲撃を防いでいたのだ。

戦争が終結してかつ

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滅びの国

滅びの国

王国は既に潰えていた。
彼女が甘受してきたあまりにも贅沢な生活は
彼女が望んだ物では無かったが王族達の贅を尽くした暮らしはその民からの簒奪によって成立していたものだ。
それだから王族を倒し主権者となった民が彼女を赦すわけがなかった。
そのままにしておけば親族とともに残酷な死が与えられたであろうがまだあまりにも幼すぎそういう事がわかる筈もない彼女を哀れに思った王族に仕えた魔法使いが最後の力を振り絞り

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夜の王

夜の王

夜の王

彼は生まれた時はまだ鳥だった。
水鳥で
さして大きくもない池で小さな魚を啄んでいたのだ。
だがある時長く暑い日が続き池は枯れていき彼の仲間達も他の多くの生き物達も池を捨てて何処かに飛んでいってしまった。
彼もそうしたかったが彼には生まれたときから羽が無かったのだ。
だから泥のようになった池に残るしかなく泥の中をほじくり返し虫を食べて食べる物がとうとうなくなるとやはりこの池から逃げ出すこと

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溺れる犬は藁をも食べる

溺れる犬は藁をも食べる

溺れる犬は藁をも食べる

八月に初台Zaroff全域を占拠してマンタム個展と首領をつとめる不可解な古道具屋アウトローブラザーズ骨董市、とってもフリーダムなマンタム式錬金術師の為のワークショップ+役者石野竜三によるマンタム原作「夜の海に溺れる犬」語り芝居をまとめて「溺れる犬は藁をもたべる」という括りで展開致します!

その手前に七月十七日から八月一日まで上野骨董市があって現在かなりボランティアなアル

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この先のスケジュールと覚書です。

この先のスケジュールと覚書です。

まず6月20日に日野市の高幡不動の骨董市にお店を出します。少し作品も持っていくつもりです。

午前6時から午後2時くらいまで。

22日から27日までは恒例になっている横浜中華街ギャラリーソコソコで無政府主義的な骨董市を開催します。

当店のアウトローブラザーズという名称は直訳すれば無法者でまるで犯罪者の集団のようですが法などに縛られず自由であり続けたいという願望によるもので国家など必要のない世界

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二人のとても小さくて大きな王

二人のとても小さくて大きな王

二人のとても小さくて大きな王

その奇妙な頭骨はとても古い王族の墓と思われる遺跡のそばに無造作に転がっていた。

所謂長頭骨とされるものでありこれも当初は乳幼児の頭蓋を変形させたものと考えられたが大後頭坑が二つ並んでいた事からシャム双生児のような奇形のものと判断された。

だが当時はそれ以上の事がわからなかったので錬金術師である私にまで研究の依頼が入ったのだ。

私は生贄に供される山羊を用意しその

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世界の果ての在るべき夜に私は犬を抱く

世界の果ての在るべき夜に私は犬を抱く

世界の果ての在るべき夜に私は犬を抱く

彼女は単眼で生まれそれ故疎まれ排撃され世界を放浪しましたが
場所によっては神とあがめ豪奢な神殿に住まわせようとする国もありました。

でもそれはそうすることによってその国の権力者達が彼女を利用して都合よく戦争を始めたいだけだったので
どちらにしても疎ましくその為に世界のあらゆる場所を彷徨う事になりました。

とても寒い場所で1人で過ごしたいと思い氷河を渡りな

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