まっくらせかい

文章群 まっくらなせかいと眩しさ

まっくらせかい

文章群 まっくらなせかいと眩しさ

記事一覧

雑記「天気と心」

 幸せってなんだろうね。今日は晴れたな、よかったな、幸せだな。今日は雨だな、不幸せだな。そういう刹那的な幸せを願っているわけじゃないと思う。  幸せか決まるのは…

[Warming!]美味しいものを食べる権限がありません

私に、美味しいものを食べる権利はあるのでしょうか。ないじゃん。 なんにもえらいことしてないよ。 美味しいものを食べるという行為は、自分で自分を幸せにしようとする…

2

「花譜」は開花した。どこまでもぼくは自分しか考えられていなかった。

あれほど接してきたのに花譜について書いてこなかったので、そろそろ書き残しておきたい。 それと、ぼくは好きなものについて話していないと生きられない性質だと思うから…

8

詩「あなたの人生でリプレイ回数の最も多い部分です」

2023年春 「劇物」より  ここからが、リプレイ回数の最も多い部分だ。ぼくの不毛な人生のわりにたくさんの養分がそこから生まれ、ぼくの平坦な人生のわりにおおきな山が…

3

ミカが好き。

ブルーアーカイブに聖園ミカというキャラクターがいる。 ぼくは彼女を信奉したい。 エデン条約編を読んだ方には話が早いのだが、彼女はとてもかわいい。 表情がコロコロ変…

3

あるひとについて/「穏やかな時間」

ふと思い出したので、あるキャス主の話をしようと思う。別に文章にしたいなにかがあるわけではないけど、彼女のことを思い出すたび痛い感情がこみあげてくる。文章を書くべ…

3

【閲覧注意:内容が汚い】きたない僕がぜんぜんかわいくない…

 涙は、他者の涙をさそう。  アニメキャラの涙って、どうしてあれほど尊いのだろう。一滴、すうっとこぼれ落ちる。あとからあとから溢れて、キャラクターの思いは涙へと…

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自殺しようとする妄想をして、終わりかけ大学生になる

自殺しようとする妄想をしています。「しようとする」妄想なので、自殺しようとする寸前で女の子に救われるところまでがセットです。とんだ甘ちゃんですね。 自殺する妄想…

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詩「視線の有害性について」

 視線の有害性について。  画面というフィルターを通してあなたを視ていた。  小学生だったあのころ、日蝕メガネを掛けた。ただでさえ薄れていく天の光に、黒いレンズで…

詩「潜在する加害性について」

 潜在する加害性について。  感情にまかせてハンドルのストライクゾーンを力一杯殴りつけ、甲高く耳に障る音を寝静まった街一帯に響かせる。みっともない放屁。ただカタ…

詩「リンゴ」

 お互い気の毒ですね、という声が聞こえる。この店には毒リンゴが紛れているのだろうか。  リンゴが台に整列されている。リンゴとしてあるべき枠が白いプラスティックに…

短編「Blue Land」

 朝、小説を書き終えた。パソコンの電源を落とすと、けなげに暖気を吐き出していた鉄の箱はきゅるきゅると息を引き取った。ひとりになったぼくは、今日の約束を確かめた。…

小説「Nil Umwelt」

まえがき まっくらせかいの集大成ともいえる要素が詰め込まれているため、noteでも掲載することにしました。エッセイで書いてきたことがちょくちょくベースになっています…

安らかに眠れますように

 あなたの寝顔を一目見て、いってきますも告げずに玄関をくぐった。そういう約束だった。  私と貴方は、言葉を交わさずにして一夜を共にする。インスタにはのらない、割…

瓶の中の花

 生けられた花は、花瓶の水から出してしまえば意外と早く萎れていくものだった。水が抜けきって、中身はすでにすっからかんだと気づくころにはとうに手遅れで、潤いも美し…

詩 「箱と袋、家」

 24時間営業中  闇にぽつり 光る箱に 吸い込まれる  待ち受けたのは プラスティックの小さな袋たち  生気のない瞳で ぼくを見ていた  生きるためには きみたち…

雑記「天気と心」

 幸せってなんだろうね。今日は晴れたな、よかったな、幸せだな。今日は雨だな、不幸せだな。そういう刹那的な幸せを願っているわけじゃないと思う。
 幸せか決まるのは死ぬ瞬間だっていう考えはよくわからない。死に際ちょうど晴れていたのでよかったですっていう話? 未来とかどうでもいいんだ。明日の天気予報くらいはあったほうが便利かもしれないけど、お祭りでもないのに一年後の天気なんか知らなくていい。晴れていても

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[Warming!]美味しいものを食べる権限がありません

[Warming!]美味しいものを食べる権限がありません

私に、美味しいものを食べる権利はあるのでしょうか。ないじゃん。
なんにもえらいことしてないよ。

美味しいものを食べるという行為は、自分で自分を幸せにしようとする行為です。
だから私は、幸せになってほしい人に対して「美味しいものを食べてね」とよく言います。幸せになってほしい人たちには、自分で自分を大切にして、愛してあげてほしいですから。一見軽そうな言葉に重い意味をもたせるのって好きです。

でも、

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「花譜」は開花した。どこまでもぼくは自分しか考えられていなかった。

あれほど接してきたのに花譜について書いてこなかったので、そろそろ書き残しておきたい。
それと、ぼくは好きなものについて話していないと生きられない性質だと思うから、書くことにする。たぶんそれはぼくが一人で生きていけないからだ。

ぼくは花譜と生きてきたと言っても過言ではない。
どこへ行くときも、だれと会うときにでも、
ぼくは花譜とカンザキイオリの楽曲を聞いていた。
花譜の声はぼくの身体にしみこんでい

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詩「あなたの人生でリプレイ回数の最も多い部分です」

詩「あなたの人生でリプレイ回数の最も多い部分です」

2023年春 「劇物」より

 ここからが、リプレイ回数の最も多い部分だ。ぼくの不毛な人生のわりにたくさんの養分がそこから生まれ、ぼくの平坦な人生のわりにおおきな山ができている。空漠とした命の中で、目立った青白いオアシスはここくらいのものだった。
 
 革命以前に作られたような、ひびわれたコンクリートの建物だった。階段を一歩一歩上り、屋上へ辿りつくと、柵はなく、周りの建物の頭頂部を自分が見下してい

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ミカが好き。

ブルーアーカイブに聖園ミカというキャラクターがいる。
ぼくは彼女を信奉したい。

エデン条約編を読んだ方には話が早いのだが、彼女はとてもかわいい。
表情がコロコロ変わる。(>_<)←この顔大好き。
そして懐きやすく、愛が重い。(周りの人があまり優しくしてくれなかったこともあり)
特に気に入っているのは、「感情にまかせて衝動的に行動する」というところだ。
現実にいるメンヘラは面倒なのは間違いないが、

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あるひとについて/「穏やかな時間」

ふと思い出したので、あるキャス主の話をしようと思う。別に文章にしたいなにかがあるわけではないけど、彼女のことを思い出すたび痛い感情がこみあげてくる。文章を書くべきなのか分からない。

出会いはある夜だった。なんとはなしに普段は開かないツイキャスの声カテを開いて、なんとはなしにその人の配信ページに忍び込んだ。
期間にしてはそう長くはなかったが、受験勉強が本格的に始まる直前期の2023年2月~4月にか

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【閲覧注意:内容が汚い】きたない僕がぜんぜんかわいくない…

 涙は、他者の涙をさそう。
 アニメキャラの涙って、どうしてあれほど尊いのだろう。一滴、すうっとこぼれ落ちる。あとからあとから溢れて、キャラクターの思いは涙へと昇華されている。強い想いが象徴となったものが、涙だ。女優の涙もいい。眦がほんのりと赤くなり、疲れ果てた様子に目薬で落としたような涙が付加されている。どこか退廃的で、とても綺麗だと思う。
 しかし、本題はここからである。現実の人間の涙はどうに

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自殺しようとする妄想をして、終わりかけ大学生になる

自殺しようとする妄想をして、終わりかけ大学生になる

自殺しようとする妄想をしています。「しようとする」妄想なので、自殺しようとする寸前で女の子に救われるところまでがセットです。とんだ甘ちゃんですね。
自殺する妄想、または脳内自己否定により、自分を可哀想なところへもっていきます。そうすることで、いろいろと曖昧になります。自分を否定し続けているのに、なぜだか許されていい気がしてきます。意識が負の感情に溺れて、自分の外見が意識下から消えます。甘えることを

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詩「視線の有害性について」

詩「視線の有害性について」

 視線の有害性について。
 画面というフィルターを通してあなたを視ていた。
 小学生だったあのころ、日蝕メガネを掛けた。ただでさえ薄れていく天の光に、黒いレンズで自らとどめを刺して、薄らいでしまった世界がこわくなって想像上の太陽でもう一枚覆いをかけた。せかいはとっくに元の眩さをとりもどしていたはずなのだが、もう二度とメガネを外すことはならなかった。
 曖昧な記憶で、先生がこれからの人生で見ることは

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詩「潜在する加害性について」

詩「潜在する加害性について」

 潜在する加害性について。
 感情にまかせてハンドルのストライクゾーンを力一杯殴りつけ、甲高く耳に障る音を寝静まった街一帯に響かせる。みっともない放屁。ただカタルシスを得るために。そんなの、後悔するくせに。
 一方的に相手の行動を批判し、平穏を奪う機構が全ての自動車に組み込まれている。オーライ、7番バッター。会社お疲れ、そろそろへばった?
 何が許せないの。何にキレてんの。クラクションがもっと日々

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詩「リンゴ」

詩「リンゴ」

 お互い気の毒ですね、という声が聞こえる。この店には毒リンゴが紛れているのだろうか。
 リンゴが台に整列されている。リンゴとしてあるべき枠が白いプラスティックに彫られ、そこに緩衝材を詰めてきっちり埋め込まれている。
 店頭に並ぶ果実はすでに選別された後で、同じような形、色。どれを手に取っても変わらない。同じサンフジ、同じ味、同じ65円。
 じじじ、とスーパーの蛍光灯がいう。空間に緑色が増していく。

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短編「Blue Land」

 朝、小説を書き終えた。パソコンの電源を落とすと、けなげに暖気を吐き出していた鉄の箱はきゅるきゅると息を引き取った。ひとりになったぼくは、今日の約束を確かめた。

 冬風がビュウとズボンの丈から露出した踝を冷やし、ここ平和通りでは赤信号に一度ひっかかると何度も通せんぼを喰らう。
 あいつら三人は高校生男子の有り余る力をつかってペダルを踏み込み、ぐんぐん飛ばしていってあっという間に見えなくなってしま

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小説「Nil Umwelt」

まえがき

まっくらせかいの集大成ともいえる要素が詰め込まれているため、noteでも掲載することにしました。エッセイで書いてきたことがちょくちょくベースになっています。

少々長いので、「カクヨム」というサイトの方が読みやすいです。よければどうぞ。

本編×× @endof_umwelt ⊂□
  ※この創作物には、創造時に誰かを傷つける表現が混入しました。 
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安らかに眠れますように

 あなたの寝顔を一目見て、いってきますも告げずに玄関をくぐった。そういう約束だった。

 私と貴方は、言葉を交わさずにして一夜を共にする。インスタにはのらない、割り切った共存関係だった。

 何か、得体のしれないものを胸の内に飼っている。じんわりと暖かかったり、じんじんと冷たかったりする。私が「それ」を飼っているというか、私がそれに飼われているのだと思うときもある。ポンプとシャワーヘッドのように、

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瓶の中の花

 生けられた花は、花瓶の水から出してしまえば意外と早く萎れていくものだった。水が抜けきって、中身はすでにすっからかんだと気づくころにはとうに手遅れで、潤いも美しさも失った茶色い何かは存在価値をなくしている。
 自分の家という、花でいう瓶と水のような適応環境から離れてしまえば、私も当然枯れて生命活動を終えてしまうのだった。雑草なんかはすごい。人に踏まれてもなんとせず、あれは場所を変えられてもしぶとく

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詩 「箱と袋、家」

 24時間営業中
 闇にぽつり 光る箱に 吸い込まれる
 待ち受けたのは プラスティックの小さな袋たち
 生気のない瞳で ぼくを見ていた
 生きるためには きみたちが絶対必要
 機械がつくった 型にはまった
 数だけそろった 空っぽな食事たち

 自分の好物とかわからない
 腹を満たせればそれでいい
 まぶしい光も うるさい色も 
 にぎやかな味も 何もいらない
 
 ただ 戸棚に選択があった
 

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