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太陽が照らした、月の夢。


「今年は
縁がなかったね」

「そんな時もあるよ」

あなたとなら見れる気がした
真夏の夢
根拠はないけど
いつも信じれた

まだ辿ったことのない
地図広げ
幾度も足を伸ばした
新しい場所

だけど
あると思っていた景色は
夢のままで

咲いていなかった
枯れていた
倒れていた
切られていた

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時には
タイミングに
恵まれないこともある

2年前から見れなくなった
花火のように
どんなに準備しても
誰より強い気持ちがあっても
運が眠る夜がある

晴れ予報
降水確率0%に裏切られ
雨に打たれる

傘はない
予想外の休憩
雨宿りしてる間に
慣れていく
待ってるだけの現状に

伝染していく
何かのせいにして
誰かのせいにして

信じていく
叶わないことを
埋もれていくことを

諦めかけてた
達成感のない日々

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いつの間にか
旬を過ぎ
次の夢を探すけど
なんだか違って
そうじゃないんだよなって
行き先なくす

それでも
じっとはしてられなくて
何かあるんじゃないかって
目的地なく
あなたと車を走らせた

長い一本道

一向に晴れない空
だけど少しずつ
灰色から白に移りゆく雲を
助手席から
眺めていた

ひらけた景色は
何もないけど
不思議に
体は緩くなり
心満たされていく

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坂道の上に着いた途端
ふと止む雨
突然
あなたは驚き
急いで
道を引き返す

下り坂
目を輝かせ
ほら!と指差した

そこには
季節外れの
向日葵
曇り空に咲く
無数の太陽

「忘れないで」と
言わんばかりの
サプライズ

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とても
とても
嬉しかった

ずっと会いたかったんだ
待っててくれてたの?
咲いてくれてて
ありがとう

「信じた夢を
諦めないで

晴れの日だけに
夢は叶うんじゃない

曇り空でも
見失わないで」

咲きたての花から
返事が聞こえた

そうだね
私のペースで
辿りつけばいい
私のペースで
夢を咲かせばいい

真っ直ぐ美しい黄色
小粒に輝く水滴
秋の風に優しく揺れては
くすみかけた心を
透明に流してくれた

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やっと見れたね!
繋がれた手が
嬉しそうに踊る

変わらない
出逢った時から
あなたの心は
向日葵
真っ直ぐ素直に
私だけを見てくれている

変わらない
あなたの笑顔は
太陽
その光に照らされ
私の心は月になり
笑顔になる

ありがとう
偶然だとしても
いつも
信じてくれるから
今、この景色にも
巡り逢えた

足元に転がる
真っ赤にふくらんだ実
あなたは手にとり
両手で包む

それは
春に白い花を咲かす
サンザシの実
花言葉は「希望」

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迷っていた私に
❜叶うから信じよう❜

あなたは「希望の実」を
プレゼントしてくれた

そして言ってくれた

「実りたての
何色にも染まっていない
キミの絵が好きだった」と

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2人ではじめた新しい夢
いつの間にか
他の絵が良く見えて
自分がちっぽけに見えて
❜らしさ❜を見失っていた

「君の絵が好きな人がいるよ」

そうだった
この絵にしたのは
「癒されるんだよね」と
言ってくれた人がいたからだ

上手い下手じゃない
届けるのはカタチじゃない
あたたかい心

もう一度
自分を信じよう

夢の始まりは
自分を信じること

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私には
あなたが広げてくれた
無限のキャンパスがある

一緒に見た
美しい花や景色から採れる
私たちの特別な色で

心の引き出しに溜めた
たくさんの想いを
時には大胆に
時には繊細に

今泣いている誰かの心が
明るくなりますようにと
私は私の絵を描く

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太陽が照らした、月の夢

何度も迷うけど
何年経っても
やっぱり変わらない

あの時
泣いていた私自身を
笑顔にするために
私は描くんだ
同じように
今泣いている
誰かに届けたいいんだ

今日の向日葵のように
あなたの笑顔にように

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P.S.
先週の日曜日に耳男君とドライブした時の
出来事と想いを
長めの詩にしてみました。
秋と夏がマーブルな季節です。


泣き虫 パン子

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