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【心理学】決断力を高める方法

心理学では面接官は、空腹で消耗している時に、雑な合否判定をしてしまうという実験があります。

この事実を知らない多くの人は、印象で物事を決めます。ではどうすれば合理的な判断ができるようになるのか、本日はお話ししていきます。


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と言う事で、本日も他愛も無いお話しをしていこうと思うのですが、本日は前回の記事に引き続き人の決断力を上げる方法についてお話していこうと思います。



まず昨日の記事の復習をしておくと、人の思考モードには2パターンあって、早い思考遅い思考の2つがあります。

遅い思考計画性、長期的な利点を選択する傾向にあります。

早い思考短期的・利己的で、自分に甘い選択をする傾向にあります。



そして早い思考はみなさんご存知の「直感」に当たるのですが、これは使える時と使えない時があって、ほとんどのシーンでこの早い思考は合理的で論理的な判断ができないという事がわかっています。



直感は使えないケースが多い


例えば、面接ってあるじゃないですか。

大学のAOや推薦入試をするにも面接があったり、就職活動をする時にも面接があったり、バイトを決める時にも面接があったり、社会人になってからでも例えば営業なんかも面接みたいなもんですから、日本人は面接が大好きなんですよ。


だから面接を受けた事がない人の方が日本では少ないと思うのですが、この面接をする時面接官って何を見ていると思いますか?

また、面接官をやった事がある方は面接をする時、どういう意識をもって相手の何を見ていますか?



これがね、実際に友人や知り合いの面接官をやった事がある人に聞くと、多くの人は

「面接官は人を見るプロだから。人の事はわかるよ。」

って言うんですよね。



面接官は相手の印象で合否を決めている


まひろ(筆者)は人を見るプロでも面接のプロでもないのですが、心理学と脳科学を一応11年間しているんですよ。


そんな僕がその人達の話を聞いて思ったのが

「面接ってやる意味ある?」

って事でした。結局皆んなの話を聞いていると、科学的な根拠もないし、相手の話からそれらしい言葉も出てこないし、結局ほとんどの人が「自分は人を見るプロである(そう思いたい)」っていうだけなんですよね。

そして、もう実際にこれは科学的なデータでも出ていて「人は他人の嘘をどれぐらい見抜けるの?」って事が心理学では沢山調べられているのですが2006年にBondとDePauloがそられの嘘に関する数々の研究をメタ分析した結果によれば、一般人が嘘を見破れる平均正答率は53.98%だった事が分かっているんですよね。


一般的に考えて「それが嘘か真実か?」と言うのは嘘である確率が50%と、真実である確率が50%なので、まあほとんどの人が嘘を見破れないし、当たっていたとしてもである確率が高いんですよね。


だから日本人が好きな面接っていうのはやる意味がほとんど無くて、ほとんどの面接官が何をやっているのかというと、その人の印象を直感で決めているだけで、結局何も分かってないんですよ。

さらに、面接官や何かの判定人が、空腹で消耗している時には雑な合否判定をしてしまうという例が取り上げられており、判定人の状態や気分(脳の状態)によって意志決定が歪んでしまうという事が、ファストアンドスローという著書にも書かれています。



印象は直感で決まる


まあだから人って基本的に楽をしたいので、早い思考を使いたいんですよね。遅い思考の特徴として、カロリーを消費したり、セルフコントロール能力を消費したりするので、人はできる事なら早い思考を使いたいわけです。


これがどういう事か詳しく説明すると、まずカロリーは脳の糖分を消費するという事です。

そしてセルフコントロール能力とは、心理学では誠実性と言ったりするのですが、これが何なのかと言うと自分はこうする、と自分の中で決めたゴールを達成するために、欲を抑制したり、集中力を保ったりする力の事を言います。

そして、この誠実性はカロリーのようにプールされている事が分かっているんですよね。

実際にフロリダ州立大学のロイ・バウマイスターが行った実験では、被験者に感動的な映画を見させて、その時に感情を抑えるように指示をするんですよね。

そしてその後、身体的耐久テストを受けさせ、握力計を思いっきり握らせ続けるテストをしたのですが、感動的な映画を見た時に感情を抑えた人々は、もうギブアップしたいという衝動にいつもより早くかられる事が分かったんですよ。

このことからセルフコントロール能力はプールされているという事がわかるんですよね。これを心理学では自我消耗と言います。


人って走ったり、激しい運動をしたりして体力を消耗するのを嫌がるように、この遅い思考を使ってカロリーやセルフコントロール能力を消耗する事を基本的に嫌がるんですよね。

だから楽をしようと、早い思考を使ってしまうケースが多いのです。



✔︎人の決断の仕組み


人が物事をどうやって決めるのか、人の意思決定の仕組みをここで言ってしまうと、まず人は早い思考を使って一瞬で物事の印象を決めます。

例えば「この女の子可愛いな〜」とか「この車カッコ良いな〜」みたいに。


そこから次は遅い思考を使って、さっきの考えを擁護するんですよね。

これはなぜかと言うと、人って第一印象(速い思考)で感じ取ったことが基準となり、それを疑ったり間違っていると認める事はしたくないという傾向が人にはあるんですよね。これを心理学では確証バイアスと言ったりします。


「まあ彼女おるけど、あんな可愛い子口説かんかったら、逆にあの子に失礼やんか。」

「まあ車って仕事に行く前に乗るから、その日の仕事のクオリティーを大きく決まる大切なものやからな。」

だからこんな感じでめちゃくちゃな意見もそれらしい意見を言って罷り通して、非合理的な行動を人はとってしまうんですよね。本当に、浮気はダメだぞ(誰が言ってんねん)



と言う感じで人って、まずは早い思考を使って第一印象を決めた後、遅い思考を使ってその第一印象が正しくなるようにそれらしい理屈を考える、これが人の決断の仕組みなんですよね。

これは自分にだけでは無く、例えば仕事をする時に客はどうやって商品を選んでいるのかという事を知るのに使える知識なので、是非そちらにも応用してみてください。


そしてここからはビジネスをされている方々向けへの情報です。

どうやったら第一印象に引っ張られずに合理的で論理的な決断ができるようになるのか、という事が気になりますよね。


もちろんまひろのnoteはそこまで突っ込んでいきます。



遅い思考を使って合理的で論理的な決断をする方法


ではどうすれば合理的で論理的な判断ができるようになるのかというと、ここで実は原点回帰をするのですが、全ての物事にはメリットとデメリットが存在するのです。

絶対的にメリットしかないものと、デメリットがないものなんて存在しません。


だからまず決断をする時に、メリットとデメリットを同じ数だけ書き出してみるんですよね。

例えば浮気をするかしないか、という決断をする時に、浮気をする事で自分が得られるメリットとデメリットを書き出してみるんです。


「メリットは可愛い子と一緒におれる事・今度の飲み会のネタになる事・今度から一緒に飲みに行ける事。

デメリットは彼女がいるって伝えていない事・彼女に浮気がバレるリスクがある事・もしバレたら彼女とその親に殺される事。」

みたいにね。

こうやって同じ数のメリットとデメリットを書き出すと「まあこのデメリットは受け入れられるか」とか「このデメリットは回避したいな」って事がよくわかるわけです。



これが行動経済学と脳科学と心理学の観点から見た、より良い決断方法です。たまに「〇〇秒以上決断に時間をかけるな」という人がいますが、その決断方法が使えるのはある条件下のみだという事が分かったと思います。

全く新しいジャンルや、自分がやった事のない仕事で決断をする時は、メリットとデメリットを同じ数だけ書き出して、じっくり考えるのが良いのです。



という事で、決断に関する記事を3本仕立てでお話ししてきたが、なんか良く「俺ビジネスマンです!」みたいな人が「これで1億売り上げた決断方法」みたいな話を見るじゃないですか。


ただ、その方法はその人に当てはまっているかもしれないのですが、僕はそういう人の話があまり好きでは無く、人の経験話や感情ほど当てにならないものはないと思うので。

コミュニケーションとして面白おかしく話す分には良いと思うのですが、それを自分の仕事で使うってなったら、全く使えませんからね。そんなのはまだネットが十分に普及していなくて、科学的な情報や統計を知る事ができなかった人々が、成功した人の体験談を参考にしていた時代の話で、今の時代は違います。

ネットが十分に普及したこの時代に大切なのは、科学的な根拠や事実や統計で、脳科学や心理学や行動経済学はビジネスに使える全てが詰まっているとまひろは考えています。


人間の脳の構造的にこうやって理解していくと成功した人の話なんて聞かずとも「別に人間ってこうだから合理的な方法はこうやん。」って事がよくわかります。

そしてまひろはその最先端の情報をこんな感じで楽しく発信しているので、早い思考と遅い思考で僕に良い印象を抱いてくださった方々は是非フォローよろしく思います。


それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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