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学校の裏側

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教員から見た学校のあれこれをまとめています。学校のいいところ、悪いところ、先生たちの裏の顔も。
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#仕事について話そう

公立と私立のギャップ①入職にあたって

公立と私立のギャップ①入職にあたって

辞令伝達を目前に、何度か採用先の私立校に足を運んで感じた、公立校とのギャップ。
現時点で印象的なものから順に記録していきます。

1.DX化が進んでいる

PCやモニター、iPadなどのハード、そして個別のアカウント、クラウドなどが貸与されます。

さらに、校内でのやりとりはすべてオンライン(Slackなど)で行われ、会議の資料もすべてデータで共有されます。

公立校でも、PCとアカウントはもらえ

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ギリギリアウトだった同僚の話①

ギリギリアウトだった同僚の話①

同僚で、処分にはならなかったけど、
ギリギリアウトだった人の話です(ギリギリとは何かは置いておいて)。

ある年の、進路に関する面談中の、担任と生徒の会話。
生徒からは自分の意思がまるで感じられず、担任はイライラしています。

これ、実は以前の記事でも紹介したエピソードではあるのですが……↓

この会話には続きがあるのです。

生徒「この大学受けます」

担任「(ちょっと高望みだな……)どうしてこ

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教材の共有について思うこと

教材の共有について思うこと

学校の先生は、それぞれ教材について勉強し、それぞれ授業を作ります。

学年で進度を合わせたり、テストが共通の場合は内容の擦り合わせをしたりするときはありますが、
僕の知る限り、少なくとも高校では、
教材研究はソロプレーです。

僕は、常々思うのです。

共有したらいいのに、と。

これ、一見簡単なことに見えますが、
現実はものすごく難しいのです。

僕が共有したいと思うのは、

①各教材に対する考

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学校の怪談〜管理職候補から聞いた怖い話〜

学校の怪談〜管理職候補から聞いた怖い話〜

ある冬、県の人と一緒に仕事をしたときの話です。

県から派遣されてきたその男性の先生は、年齢を尋ねたわけではありませんが、まだ30代に見えました。
当時20代半ばだった僕の目には、ちょっと上の頼れるお兄さんという風に映りました。

その日、ある行事のために、学校にはそういった方が数人来ていて、警備や案内の仕事を一緒にしていました。

僕は外の担当で、その若い先生と校門のあたりで2人して震えながら割

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定時で帰れない先生の実態

定時で帰れない先生の実態

悲しいことに、教員がブラックだということは今更言う必要もないほど知れ渡っています。
過酷な長時間労働で、心身を病んでしまう人も少なくありません。
小・中学校がよく注目されますが、高校だってそれなりにひどいものです。
今回は、長時間労働について、定時で帰れない(もしくは帰らない)先生の実態を、僕の経験に照らして考察してみました。

定時で帰れない先生①忙しすぎる

マジで忙しい人は各学校に必ずいます

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保護者からの電話で立ちすくんだ朝のこと

保護者からの電話で立ちすくんだ朝のこと

2年生の担任をしていたときの話です。
ある朝、ホームルームで無断欠席の生徒がいました。その生徒は、それまで皆勤で、成績優秀な生徒だったので、余計に不審に思いました。家庭に連絡しようと考えていたところ、まさにその生徒の父親から学校に連絡が入りました。

ひとまず連絡があってよかったと思い、事務から内線を受け取り、朗らかに挨拶をしました。
挨拶を返す、相手の声が寒そうに震えていました。

ーーいや、寒

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学校の先生と友達になってわかったこと

学校の先生と友達になってわかったこと

自分が生徒側にいたとき、先生というのは不思議な存在でした。
表現が難しいのですが、彼らは決して自分と同じ「人間」ではなく、あくまで「先生」という別の生き物でした。

「先生」は学校という世界の住人で、こちらの都合で利用できる、いわばゲームのNPCみたいな存在。
何か聞いたら答えてくれるし、頼めばやってくれる。
いつもそこにいて、杓子定規のような授業を繰り返す。

レストランやホテルのスタッフに近い

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「いい先生」の正体

「いい先生」の正体

どの学校にも、「いい先生」「悪い先生」はいます。この「いい」「悪い」の厄介さについて。

僕がこれを「厄介」と言うのは、「いい」「悪い」の意味が視点の違いによって変わるがゆえです。今回は、これらの言葉が持つ意味を、視点別に考えてみます。

生徒にとって「いい先生」

条件の例を挙げてみます。

数ある要素の中で、僕が特に問題に感じているのは、「授業がわかりやすい」です。

現代の教員が授業でやるべ

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教員から見た部活の闇

教員から見た部活の闇

個人的に、学校の仕事で最もギルティだと思うのは、
圧倒的に「部活動顧問」です。
部活の顧問さえなくなれば、病んで休職する人も半減するのではないかと思うくらい。

あなたは、学生時代、何部に所属していましたか。

顧問の先生は誰でしたか。

どの部活にも、必ずいる顧問。
生徒から見ると、一人の人間というよりも、どこか設備の一部のようにも感じられる顧問。
保護者にとっては、どれだけ自己犠牲してくれるか

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