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学校の裏側

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教員から見た学校のあれこれをまとめています。学校のいいところ、悪いところ、先生たちの裏の顔も。
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2023年12月の記事一覧

学校の怪談〜管理職候補から聞いた怖い話〜

学校の怪談〜管理職候補から聞いた怖い話〜

ある冬、県の人と一緒に仕事をしたときの話です。

県から派遣されてきたその男性の先生は、年齢を尋ねたわけではありませんが、まだ30代に見えました。
当時20代半ばだった僕の目には、ちょっと上の頼れるお兄さんという風に映りました。

その日、ある行事のために、学校にはそういった方が数人来ていて、警備や案内の仕事を一緒にしていました。

僕は外の担当で、その若い先生と校門のあたりで2人して震えながら割

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定時で帰れない先生の実態

定時で帰れない先生の実態

悲しいことに、教員がブラックだということは今更言う必要もないほど知れ渡っています。
過酷な長時間労働で、心身を病んでしまう人も少なくありません。
小・中学校がよく注目されますが、高校だってそれなりにひどいものです。
今回は、長時間労働について、定時で帰れない(もしくは帰らない)先生の実態を、僕の経験に照らして考察してみました。

定時で帰れない先生①忙しすぎる

マジで忙しい人は各学校に必ずいます

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同僚が亡くなった話

同僚が亡くなった話

学校では、朝の職員会議でたまに伝えられるものがあります。

それは、訃報。

どこかで先生が亡くなると、それが仲間に伝えられるのです。

とはいえ、そういった話は大体が高齢の方の話。
僕はまだ若手(気持ちだけは)、実際には中堅(むり)と呼ばれる年齢なので、あまり知り合いも多くないし、ほとんど他人事です。

ところが一度だけ、衝撃で言葉を失ったことがありました。

その方は、50代。
管理職試験も通

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「教員の給料は低い方がいい」という闇理論

「教員の給料は低い方がいい」という闇理論

教員は、それなりに給料をもらっています。
自治体や公立私立によって多少異なりますが、少なくとも、ひとりで生活する分には困らないだけの収入は得られます。
30代でだいたい年収600万円くらい。
(※ネットで「教員 平均年収」で検索するといろいろ出てきます。)

しかし、いくら給料をもらおうが、それが割に合っているかどうかはまた別の問題。
僕の知り合いで2,000万円近くもらっている某コンサル企業のマ

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学校に潜む特級呪霊

学校に潜む特級呪霊

どの学校にも必ずいる呪霊。
それは。

プライドです。

手強すぎます。
なぜ学校の先生ってあんなに頑なな人が多いの。

絶対に自分の採点ミスを認めない。
効率のいいやり方も断固として取り入れない、慣れたやり方至上主義。
「教えて」と「ごめんね」が言えない。
生徒には授業を押しつけていくのに同僚には誰にも見せない。
意見は聞いても変わるつもりがない。

誰も彼も、自分で培ったノウハウで固めた城に住

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保護者からの電話で立ちすくんだ朝のこと

保護者からの電話で立ちすくんだ朝のこと

2年生の担任をしていたときの話です。
ある朝、ホームルームで無断欠席の生徒がいました。その生徒は、それまで皆勤で、成績優秀な生徒だったので、余計に不審に思いました。家庭に連絡しようと考えていたところ、まさにその生徒の父親から学校に連絡が入りました。

ひとまず連絡があってよかったと思い、事務から内線を受け取り、朗らかに挨拶をしました。
挨拶を返す、相手の声が寒そうに震えていました。

ーーいや、寒

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学校の先生と友達になってわかったこと

学校の先生と友達になってわかったこと

自分が生徒側にいたとき、先生というのは不思議な存在でした。
表現が難しいのですが、彼らは決して自分と同じ「人間」ではなく、あくまで「先生」という別の生き物でした。

「先生」は学校という世界の住人で、こちらの都合で利用できる、いわばゲームのNPCみたいな存在。
何か聞いたら答えてくれるし、頼めばやってくれる。
いつもそこにいて、杓子定規のような授業を繰り返す。

レストランやホテルのスタッフに近い

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