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なにものでもなくていい。
YouTubeから、YOASOBIの「群青」が流れてきた。
『好きなものを好きだという、怖くてしかたがないけど』
このフレーズを、誰かに聞かせたい。
ルッキズムや肩書き、カーストやヒエラルキーとやらに縛られている、昔の、今の、未来の誰かに。
「もう頑張りたくない、でも、何者かでないと存在してはいけない」と怯えていた、あのときの自分に。
外から、色づいた広葉樹の放つメープルシロップのような香りが
アメリカン・レモネード
「お勧めのカクテルをお願いします、ワインかビールで」
バーテンダーはゆっくりうなづいて、ワインのボトルを取り出した。
長かった髪の毛を、数日前に切り落とした。髪を切って周りに騒がれるれる年齢では無くなっていたが、さすがに周りの人は少し驚いたらしい。
4年間働いていた職場を異動することになった時、決別した。
負けたわけじゃない、先に進むことを決断しただけ。
「アメリカン・レモネードです」
目の