記事一覧
一夏残照【下】〈終〉
なんにもしたくないんだ どうせ世の中なんてこのままなんだから
そうだ 思い出したよ
あの頃も丁度今みたいだった 今みたいなのが ずっと続いてたんだ
だから 阿呆みたいに一杯 詩なんか書けたんだ
もうこれ以上大人になんかなりたくねえ もうやだ
お願いだから処女膜の破れた血と
童貞の流した精液とで汚れた牙で
俺の胃袋を噛みちぎろうとするのを止めてくれ
瓜の破れたところと 菊の散らされたところ
あ
半自動筆記に依る夜想曲(14)-3(終) 『痴愚』-3(終)
頭の中は輝き煌く一番星で一杯に為って居た。弾ける星の光は、偏りの有る幻想を思いださせ乍ら、緩やかに霧が晴れる様にして消え去って逝った。
気が付けば、私は先程の密林の外れに仰向けに為り、空を仰いで居た。
見れば、空の色は只の暗色では無く、紫や紅色等、様々な色をした夜空だった。
起き上がって辺りを窺うと、周囲の密林も又、夜とは思え無い七色の光に満ち満ちて居た。
しかし其の何も彼もが眩い景色の中に
半自動筆記に依る夜想曲(14)-2 『痴愚』-2
生命の刻の半分以上を自由に遣って良いと云うのなら、私は何時迄も果つる事無く、絶えざる夜の夢の衷に在りたいと願うだろう。少なくとも、私は本気で迷う事無く然う願うだろう。
当然世間様は其の様な不謹慎且つ不健全で在り、非生産的で不毛で有る事この上無い此の思考或いは嗜好乃至志向の持ち主に対して、微かなりとも理解を示す事も無く、往古の刻より最悪の愚か者の称号を与えて事足れりとしている。
聖書は云って居る
休載のお知らせ:
新機軸のAIとしてStable Diffusionを導入するため、
今週6月2週の掲載はお休みいたします。
楽しみにしてくださっている皆様へ、大変申し訳ございません。
半自動筆記に依る夜想曲(13)-3(終)『揺籠と墓場』-3(終)
私の意識は、遥か遠くの氷原に在った。果てから視る世界は味気無く、実に取るに足らぬもので有ったとしか言いようが無い。
如何に舞台を繕うた処で、其の裏側を覗いて仕舞えば、如何と云う程のものでは無い事を、手の中の薔薇の魔術は告げている。
華美なる光煌で私を魅了して止まない、其の真紅の力は、亦もう一つの真実を私に伝えて呉れた。
過ぎ去りし日々の無得物が、然う在るからこそ、極めて近くに在り続け、限り無
半自動筆記に依る夜想曲(13)-2『揺籠と墓場』-2
『華ヲ召シマセ、華ヲ召シマセ』
彼の遥けき彼方へと過ぎ去った彼の時代は、只陶酔と幻惑だけが、今一度殷賑と絢爛華美な古の王国への門扉を開く。其処では、若人も乙女も、鳥も地生も、樹も華も街並みも全てが、盛りの刻の儘、絶美の極みにだけ存在している。同時に其等、ものみな総てが、陽の老いたる影に包まれ、永遠の黄昏の中で、停まり続けていた。
『華ヲ召シマセ、華ヲ召シマセ』
不意に、私の足許で語り掛けて来る
半自動筆記に依る夜想曲(13)-1『揺籠と墓場』-1
無知!!!
嗚呼、『此ノ世ヲ知ル』と云う類の衆生の如何ばかりに哀れなることか!!!
更に悲しい事に、其れ等の度し難き衆生は世界の隅々、枝葉末節に至る迄溢れ返るを通り越して既に飽和するに至った!!!
私は内心では此れ等卑しき衆生を降り注ぐ鉄火を以て綱紀を粛清し尽くしてしまいたいと欲する。其れも強く。
しかし乍ら、畜生にも劣る此等衆生を殺害し尽すには、亦現世を地獄の二つ名に変えてしまうには、些