是夷/They【八岐の書架】

氷の様な忘我と、妄念の様な闘志だけが私を支えて居る。 理論《ロゴス》に、溢れ出す感情を…

是夷/They【八岐の書架】

氷の様な忘我と、妄念の様な闘志だけが私を支えて居る。 理論《ロゴス》に、溢れ出す感情を込めて。 主に詩人をやってます。 私の作品を良いと言ってくれる人がいたから始めました。 詩やコラム、挿絵にはAI画像生成を使ったりしています。 冥い世界をお楽しみ下さい。

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緊急休載のお知らせ: いつもご覧頂きありがとうございます。 私事で誠に申し訳ありませんが、現在所有オートバイの車検作業が難航のため、暫しの間休載致します。 いつもご覧頂いている皆様、大変申し訳ございません。ありがとうございます。

    • 【詩】白檀

      白檀の立ち昇る甘美い香りは、 私の心を身体から解き放ち、 遠く、何処か遠く離れた異国の、 月光に浮かび上がる密林の奥深くへ、 未知なる華が咲き乱れる場所へ、私を誘う。 不思議の華園の向こうから、 白檀の神秘なる香りが静かに流れて来る。 私は其処に、金色の月明かりに照らされた、 異教の巫女、褐色の宝石の様な一人の女性の姿を視る。 月光の眼差しの麗貌、長く纏わる銀色の絹糸の髪。 一点の歪みも無く伸びやかで、且つ蠱惑的な其の肢体。 其の華麗さを際立たせるべく、至る所に装われた黄金。

      • 【詩】金魚

        ゆがんだ、ゆがんだ、ゆがんだ世界。 歪んだ、歪んだ、歪んだ世界。 真紅い綺麗な金魚が泳いで居る。 蒼い深い水の中を游いで居る。 たった一つ、蒼い艶の中に、 真紅い艶が游いで居る。 ゆがんだ、ゆがんだ、ゆがんだ世界。 歪んだ、歪んだ、歪んだ世界。 彼はドレスを纏って踊る。 深い真紅いドレスを着て舞う。 雄の金魚の金襴緞子の、 真紅の裳裾が蒼い水の中で揺れ動く。 ゆがんだ、ゆがんだ、ゆがんだ世界。 歪んだ、歪んだ、歪んだ世界。 私は自分の手首に疵を付ける。 象牙の膚から

        • 一夏残照【下】〈終〉

          なんにもしたくないんだ どうせ世の中なんてこのままなんだから そうだ 思い出したよ あの頃も丁度今みたいだった 今みたいなのが ずっと続いてたんだ だから 阿呆みたいに一杯 詩なんか書けたんだ もうこれ以上大人になんかなりたくねえ もうやだ お願いだから処女膜の破れた血と 童貞の流した精液とで汚れた牙で 俺の胃袋を噛みちぎろうとするのを止めてくれ 瓜の破れたところと 菊の散らされたところ あなたが見たいのは どっちですか? 気違イの邦に両足を突っ込んだまま 意識が無く

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          一夏残照【上】

          あなたの口唇をわたしの紅い血で満たして下さい わたしの脳髄をあなたの心で満たして下さい どうか どうか わたしは不安です わたしは不安です 可愛い可愛い女の子たち お人形さんみたいな女の子たち その首だけを切り落として 僕の剣に串刺して焼いてしまおう ああ、お願いします!どうか太陽を焼かないで下さい わたしは只、夜の邦にずっとすんで居たいだけなのです 脳味噌の中で蠢く一匹の虫を追いかけていたら いつの間にか自分が自分で無くなった 溶け出した脳の海に溺れる前に 早く死ん

          休載のお知らせ: 現在、大学院の前期成果報告作業に翻弄され、同時に配置転換の問題も発生しており、8月の初週以後まで休載させていただきます。 いつも楽しみにして下さっている方へ、無限の感謝を込めると共に、深くお詫び申し上げます。

          休載のお知らせ: 現在、大学院の前期成果報告作業に翻弄され、同時に配置転換の問題も発生しており、8月の初週以後まで休載させていただきます。 いつも楽しみにして下さっている方へ、無限の感謝を込めると共に、深くお詫び申し上げます。

          【作品解題】小夜序曲、または順法的狂気について

          イントロ皆様御機嫌よう、こんばんわ。 『半自動筆記に依る夜想曲』のライナーノートのお時間です。  父が病院に担ぎ込まれたり、メンタルを崩したり、相変わらず修論が忙しかったりなどで、こうやって作品を発表する機会を奪われる程に目まぐるしい日常を過ごして居たりします。  また、stable diffusionも試したりしていますが、現在の所自分の求めていたような成果は全く得られず、自分の求めていたような複数種のAI作画をミックスするスタイルは頓挫気味の企画となっています。  人

          【作品解題】小夜序曲、または順法的狂気について

          半自動筆記に依る夜想曲(14)-3(終) 『痴愚』-3(終)

           頭の中は輝き煌く一番星で一杯に為って居た。弾ける星の光は、偏りの有る幻想を思いださせ乍ら、緩やかに霧が晴れる様にして消え去って逝った。  気が付けば、私は先程の密林の外れに仰向けに為り、空を仰いで居た。 見れば、空の色は只の暗色では無く、紫や紅色等、様々な色をした夜空だった。  起き上がって辺りを窺うと、周囲の密林も又、夜とは思え無い七色の光に満ち満ちて居た。 しかし其の何も彼もが眩い景色の中には、彼の玲瓏たる偉大な詩歌美神の姿は無かった。  すると頭の内側から私に語り掛け

          半自動筆記に依る夜想曲(14)-3(終) 『痴愚』-3(終)

          半自動筆記に依る夜想曲(14)-2   『痴愚』-2

          生命の刻の半分以上を自由に遣って良いと云うのなら、私は何時迄も果つる事無く、絶えざる夜の夢の衷に在りたいと願うだろう。少なくとも、私は本気で迷う事無く然う願うだろう。  当然世間様は其の様な不謹慎且つ不健全で在り、非生産的で不毛で有る事この上無い此の思考或いは嗜好乃至志向の持ち主に対して、微かなりとも理解を示す事も無く、往古の刻より最悪の愚か者の称号を与えて事足れりとしている。  聖書は云って居る。『土は土くれに、灰は灰に、塵は塵に』と。  この、是認も不可能で有れば反証も亦

          半自動筆記に依る夜想曲(14)-2   『痴愚』-2

          半自動筆記に依る夜想曲(14)-1『痴愚』-1

          私は、私のしている竜騎兵の扮装が馬鹿げている事この上無い事に気付いた。 其れは、凡そ如の様な理由があったにせよ、慙愧に耐えられず、暫し其の場に立ち尽くすには十全たるものだった。  出来る事ならば、此の世に産まれた其の日から、全てをやり直したかった。少なくとも、此の三年間と云うものは、然うした気概に基づいて何事にも取り組んでいた心算だった。  しかし乍ら、目に見える様な成果を上げて居ない事が、次の言葉と共に私を追い立てる。 『結果の出ない努力に意味は無い』 失意に膝を折って

          半自動筆記に依る夜想曲(14)-1『痴愚』-1

          2週連続休載のお知らせ: 先週、新規AI画の開拓によるお休みを頂きましたが、 今週は父が緊急入院のため、全く身動きの取れない週になってしまい、 休載する運びとなったことをお詫びいたします。 いつも楽しみにして下さっている皆様、大変申し訳ありません。

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          休載のお知らせ: 新機軸のAIとしてStable Diffusionを導入するため、 今週6月2週の掲載はお休みいたします。 楽しみにしてくださっている皆様へ、大変申し訳ございません。

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          【詩】怨嗟

          歪が喰われて逝く、 顔の無い街に。 大気は物言わぬ精霊達の、 怨念と慟哭に満ちて、 この虚無に等しい艶の無い暗闇に、 永遠なる呪いを吐き出す。 調べは吹き荒ぶ嵐に乗って、 何処迄も遠く、果てし無く遠く迄届く。 其の声を聞き届け、 涙するもの等、無いと云うのに。 <了>

          半自動筆記に依る夜想曲(13)-3(終)『揺籠と墓場』-3(終)

           私の意識は、遥か遠くの氷原に在った。果てから視る世界は味気無く、実に取るに足らぬもので有ったとしか言いようが無い。 如何に舞台を繕うた処で、其の裏側を覗いて仕舞えば、如何と云う程のものでは無い事を、手の中の薔薇の魔術は告げている。  華美なる光煌で私を魅了して止まない、其の真紅の力は、亦もう一つの真実を私に伝えて呉れた。  過ぎ去りし日々の無得物が、然う在るからこそ、極めて近くに在り続け、限り無く遠い時の彼方へ誘う力に成るのだ、と。 <終>

          半自動筆記に依る夜想曲(13)-3(終)『揺籠と墓場』-3(終)

          半自動筆記に依る夜想曲(13)-2『揺籠と墓場』-2

          『華ヲ召シマセ、華ヲ召シマセ』  彼の遥けき彼方へと過ぎ去った彼の時代は、只陶酔と幻惑だけが、今一度殷賑と絢爛華美な古の王国への門扉を開く。其処では、若人も乙女も、鳥も地生も、樹も華も街並みも全てが、盛りの刻の儘、絶美の極みにだけ存在している。同時に其等、ものみな総てが、陽の老いたる影に包まれ、永遠の黄昏の中で、停まり続けていた。 『華ヲ召シマセ、華ヲ召シマセ』  不意に、私の足許で語り掛けて来る何かが在った。視線を向けると、其処には一羽の白兎が居た。 『華ヲ召シマセ、綺麗ナ

          半自動筆記に依る夜想曲(13)-2『揺籠と墓場』-2

          半自動筆記に依る夜想曲(13)-1『揺籠と墓場』-1

           無知!!! 嗚呼、『此ノ世ヲ知ル』と云う類の衆生の如何ばかりに哀れなることか!!! 更に悲しい事に、其れ等の度し難き衆生は世界の隅々、枝葉末節に至る迄溢れ返るを通り越して既に飽和するに至った!!! 私は内心では此れ等卑しき衆生を降り注ぐ鉄火を以て綱紀を粛清し尽くしてしまいたいと欲する。其れも強く。  しかし乍ら、畜生にも劣る此等衆生を殺害し尽すには、亦現世を地獄の二つ名に変えてしまうには、些か、甚だ力不足である…。  依って、私は其の精神を以て相争う得物とするだろう。例

          半自動筆記に依る夜想曲(13)-1『揺籠と墓場』-1