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便利過ぎて、エライことに…。実家で起きた珍事件をきっかけに改めて考えさせられた話…お食事中の方、ご注意を。

何でも便利なのは、基本大歓迎だ。

例えば、人によるが食洗機、ドラム式洗濯乾燥機以外にも、身近にトイレ自動(清掃)洗浄、風呂自動洗浄(いずれも時々自分で洗うことも必要だが)なるものも登場して持っている人もおり、その人が羨ましくなる。

何せ“スチャラカ主婦”なので、ちょっとでも家事軽減、時短の言葉を聞くとつい敏感に反応してしまう。普段“時代の最後尾”を生きているのに、そういうことに対しては“時代の最先端”が気になってしまう。

「トイレの自動清掃洗浄と脱臭機能のついでに、芳香機能も付けられたらいいのに…。液体芳香剤も販売してもらって、トイレ使用後に“脱臭+芳香”もしてくれたら更にええのにな…。」

と少しでも便利で楽な機能を考えているところに、自分でも呆れつつ、笑ってしまう。
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今まで私は過去にも“時代の最後尾”を叫ぶお話を挙げているが、ある時からもう一つ危惧するものがある。

それは“トイレ自動洗浄(自動で流すこと)問題”だ。

実家はトイレを2回リフォームしており、2回目に導入されたのがこの“自動洗浄及び清掃機能付きトイレ”である。

初めて利用した時は「へぇ~、便利やねぇ。ええやないの。」と言っていたが、ふと思った。

「これって、コレを一回身体に覚え込ませたら、それ以外のトイレに行った時、エライことになるんじゃないの?」

実際、日本国内でも公衆便所含め、その普及率は徐々に増えてるだろうが、私の体感ではおそらくそういう便利なトイレを備えている所はまだそんなに多くないのでは、と思っている。

友人ともその話をしていたら、やはり彼女も同じことを思っていたようで、

「私もそれが気になって、あちこちでトイレを利用する際、『ここは手動よね?自動やったっけ?』って何度も確認する。」

「あれって、どうなんでしょうね?」

という会話を交わしたことがある。

便利なものに慣れた時、急に“アナログ”方式になると、元の使い方を忘れる等して、慌てふためいて冷や汗をかきそうだ。

時間があって、しかも自分ひとりに降りかかる問題ならまだしも、このトイレのように自分以外の人が使う箇所では非常に気になる。

臭いが残るだけでも気になるのに、使用後の“ブツ”が残ってて「もー!!前の人流してない!!」となると、いくら人生で一度きりしか会わない相手ひとでも、相手には申し訳ないのは勿論、自分も恥ずかしいので、何とか避けたいところだ。

確かに、体調が悪いとか身体の自由がきかない状態の方なら、便利な機能だと思う。コロナが流行ってる時でも、レバーやボタンを触らなくて良い分、メリットもある。

しかし普及率が100%でなかったり、外国でそういうトイレを使ってない所に行った時に、何か恥ずかしい思いをしそうな気がして、“便利すぎるトイレもの”に慣れるのが若干怖くなる。
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ある日、その便利な“自動洗浄(自動洗浄及び清掃機能付き)トイレ”を付けた実家の母から電話があった。

「アンタ、今朝はエラい目に遭っおうたわ。お父さんが検診で検便を提出せなアカンのに、便を採取しようとしたら、自動でサーッと流れてしもて…。」

「えぇえぇえぇぇ!!(出た!!やっぱり便利すぎるのも良し悪しやな…。)で、どうするん?提出日には間に合うの?第一、その自動で流す機能、一時的にでも何とかできひんの?」

「分からへん。」

「設置した時に説明書もろたやろ?一回見てみたら?私も実家出てから設置したトイレやからよう知らんし。」

「分からへん…。もう電気屋さんに来てもらうわ。」

「そんなんでわざわざ来てもらうのも…。電気屋さんあの人も忙しい人やのに…。」

「でもお父さんのこともあるし、その提出期限もあることやし、一回聞いて覚えるようにする。」

と言って、電話を切った。

母も歳のせいで最新設備の説明書を見るのが億劫だろうし、ややこしいと思ったのであろう。言い出したら聞かない所もあるのは分かり過ぎていたので、申し訳ないが電気屋さんにお任せして、無事“解決”を祈った。

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その後しばらくして、実家から電話があった。

「あの後、無事に来てもらえて、ボタン教えてもらったから、お父さんの検診提出期限にも間に合って良かったわ。アンタにも聞いてもらってたから連絡したんよ。」

「それは良かったね。それでボタンとか止め方、分かったの?」

「分かった!」

検診ならせいぜい年1回ぐらいの頻度と思われるので、多分また忘れるんじゃないかと思ったが、今言ってもどうにもならないので、とりあえず普通の会話をして切った。

最初の相談後、問題解決前に利用した際に見た時、表にそんなボタンは見かけなかった。だから余計分かりにくいのかな?とか思ったが、実家に行って、そんな“まじまじ”機能や他に色々見たわけではないので、次回同じ事が起きても、私もお手上げである。

「両親よ、何とか頑張っておくれ…。」と願うばかりである。

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後日、そのエピソードを友人に話した。

「…何かエライことになったみたいで。大変やったみたいですわ。」

「そりゃ、お父さんにしたら、『今から、さぁ!』って時に、突然自動でシャーっと水が出てきて、“どんぶらこ”と流れたら、ビックリしてまうわねぇ!」

「ホンマですよ!」と2人で大笑いしながら話した。

ちなみに同じ“どんぶらこ”でも、“桃”ではないところが残念すぎる。

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便利すぎるもの…それは魅惑的で人々の生活を豊かにしてくれる。

しかし、「人間の本来の機能を劣化や退化させる程便利なのはどうなのだろう?」と、“時代の最後尾”は思うのである。

今、世良公則の“銃爪ひきがね”を聴いているが…。

この私の大好きな“銃爪(ひきがね)素晴らしい歌”を大変失礼ながら引用させて頂き、替え歌を作って歌いながら書いている。

今夜こそモーニングオマエをブツをおとして救ってみせる♫

と歌えるほど、実家で次回うまいこといくかどうかは、私にも分からない。

便利すぎるものに程々に付き合いながら、基本を忘れずにいたいと思う、らびっとなのであった。


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