はじめまして 母親を介護してきたこの10年(後半4年ほどは施設でお世話していただきましたが)。 3月にその母が旅立ちました。勿論悲しく寂しいのですが、大往生と言うや…
高校時代。 必修クラブを文芸部に選んだ私は(今は必修クラブってないのかな)、調子に乗って放課後の部活動も文芸部に入部した。 なんで調子に乗ったかと言うと、顧問のK…
1週間後、獣医さんに電話をした。 しろちゃんは食べたり食べなかったりで、点滴もしているけれど、なかなか風邪も治りきれないと獣医さんは言った。 おっぱいを吸わせた痕…
結局、獣医さんとの約束の時間まで、しろちゃんは姿を現さなかった。 ママさんと友人と三人で、付近を探し回ったが見つからず、ちょうど三十分ほど前に、獣医さんから遅れ…
実はこの半年余りの短い期間に、いくつものお別れがあった。 お外猫たちとの、である。 お外猫たちの生きる環境は、厳しい。 短命は、外で生きる子たちの運命と言ってしま…
台所の流しの下に、かなり幅をとっている四角の蒸し器がある。 母が使っていたものだ。 私が物心ついた時からあったので、ひょっとしたら私よりも年季が入っているかもしれ…
最初は、しゃーなんて言っていたまんちゃんだけど、最近はちょっと慣れて、遊んでくれるようになった。 でもやっぱり怖がりだね。 いいよ。 ゆっくり仲良くなろうね。 小…
近くの緑地で見かけた子。 左耳をカットしてるから女の子。 にしても、ちょっと個性的な柄だねえ。 茶と黒と白と、だから三毛ちゃんね。 でも配置が珍しい。 まだら模様の…
ある日、晩ご飯を食べた後。 母はため息をつきながら、言った。 もうきつい、行きたくない。 デイサービスのことを言っているのだ。 何と返したらいいか、暫く言葉が見つか…
発熱、血尿、足の浮腫、尾てい骨あたりの褥瘡(床ずれ)。 色んな不調が母の体に起きるようになった。 特に、原因不明の発熱が度々あった。 原因不明の発熱は、前触れも…
神経質になり過ぎていたとは思うが、毎日、いつも目で、耳で、母の動きを追っていた。 夜中、母がトイレに起きる小さな音にさえ、目が覚める。 毎日眠りは浅く、身体が重か…
母のトイレでの転倒が、介護生活後半の始まりになった。 勿論、後々に思えば、の話である。 トイレでの転倒以来、母も私もやはり神経質にならざるを得なかった。 トイレは…
トイレが怖い トイレでの転倒をきっかけに、母はトイレを怖がるようになってしまった。 リハビリで1週間入院した後に帰宅したが、家のトイレに入ろうとすると、トイレの入…
トイレで何が? 「お母様がお家のトイレで倒れられていて」 デイサービスの、お迎えの介護士さんからの電話を受けたのは、仕事中だった。 「今、救急車を呼んでいます」 …
タイトル 写真は、つい最近の、家の近所の桜並木。 桜が散り始め、通路に花びらの絨毯が敷かれている。 綺麗。 日本人が大好きな桜。 桜にまつわる思い出話しは、多くの…
いつか会えなくなる運命なら 出会わなければよかったのだろうか 別れの痛さに身を捩る 慣れることのない痛みを もう味わいたくなければ 目を閉じるしかない 心を閉じてし…
りっちー
2023年11月8日 23:20
はじめまして母親を介護してきたこの10年(後半4年ほどは施設でお世話していただきましたが)。3月にその母が旅立ちました。勿論悲しく寂しいのですが、大往生と言うやつ故に、そこは微妙な心持ちではあります。認知症にもならず寝たきりでもなく、あっぱれと申しますか…。自宅で介護をしていた時は、時間に追われきゅうきゅうとした毎日でした。私一人。年の離れた姉は遠方に嫁いでいます。近くに縁故者もおりま
2024年7月17日 21:09
高校時代。必修クラブを文芸部に選んだ私は(今は必修クラブってないのかな)、調子に乗って放課後の部活動も文芸部に入部した。なんで調子に乗ったかと言うと、顧問のK先生から書いた詩を褒められたからである。文芸部で、それらしい怪しげな詩やらエッセイやら小説(のようなもの)を書いて、もっともらしい註釈を述べてみたりしていると、なんだか頭が良さげに見えるらしい。ということに気がついた。同じクラスの女
2024年7月10日 20:21
1週間後、獣医さんに電話をした。しろちゃんは食べたり食べなかったりで、点滴もしているけれど、なかなか風邪も治りきれないと獣医さんは言った。おっぱいを吸わせた痕跡は、やはりないとのことだった。死産だったのか、うまく育たず死んでしまったのか。ひょっとして赤ちゃんを助けようと、ご飯も食べずに必死にお世話をしているうちに、自分が病気になってしまったのかも知れないとも思った。外での悪い環境の中で、出産
2024年7月3日 20:32
結局、獣医さんとの約束の時間まで、しろちゃんは姿を現さなかった。ママさんと友人と三人で、付近を探し回ったが見つからず、ちょうど三十分ほど前に、獣医さんから遅れそうとの電話をいただいたので、その時点で一旦お断りをした。翌日、私は仕事が休みの日なので、午後一番にまた来てもらうようお願いした。ここ数日の、しろちゃんの辛そうな顔を思い浮かべると、切なかった。前回の記事翌日は、朝から激しい雨
2024年6月26日 20:44
実はこの半年余りの短い期間に、いくつものお別れがあった。お外猫たちとの、である。お外猫たちの生きる環境は、厳しい。短命は、外で生きる子たちの運命と言ってしまえばそれまでではあるが、信じ難いような出来事もあった。そのことについては、気持の整理がまだついていない。ひょっとしたら、ずっとつかないかもしれない。私の記憶がある限り、忘れることはないだろう。改めて人間の愚かさと、残虐さを知った。
2024年6月19日 20:19
台所の流しの下に、かなり幅をとっている四角の蒸し器がある。母が使っていたものだ。私が物心ついた時からあったので、ひょっとしたら私よりも年季が入っているかもしれない。母はこの蒸し器を使って、いろんな料理を作ってくれた。ふかしいも、草餅、石垣餅(小麦粉と角切りのさつまいもの饅頭。ひょっとしたら全国区じゃないのかも)、お赤飯、そして蒸し餃子。いろんな蒸し料理が、その蒸し器から母の手によって取り
2024年6月12日 21:09
最初は、しゃーなんて言っていたまんちゃんだけど、最近はちょっと慣れて、遊んでくれるようになった。でもやっぱり怖がりだね。いいよ。ゆっくり仲良くなろうね。小学校3年の時。その女性教師2人の顔は、まだ覚えている。1人はHといって、学級担任だった。その頃、40過ぎくらいだっただろうか。ひょっとしたら、もっと若かったのかもしれない。他の生徒には笑顔を見せても、私に対する時には、いつも能面
2024年6月5日 20:58
近くの緑地で見かけた子。左耳をカットしてるから女の子。にしても、ちょっと個性的な柄だねえ。茶と黒と白と、だから三毛ちゃんね。でも配置が珍しい。まだら模様のまんちゃん。個性的な女の子。個性的。私もずいぶん、そう言われたものだ。「個性的」は気を遣ってくれた表現だ(私の場合)。変わってる、独特、何を考えてるのかわからない。よくそんなことを言われた。個性的?だった、自分の昔話
2024年5月29日 21:29
ある日、晩ご飯を食べた後。母はため息をつきながら、言った。もうきつい、行きたくない。デイサービスのことを言っているのだ。何と返したらいいか、暫く言葉が見つからなかった。何日か前の朝、母に異変が起きた。表情の無い顔つきでベッドに座ったまま、呼びかけてもぼんやりとして、反応がない。母の身体を、ズボンのウエスト周りを握って引き上げようとしたが、ぐんにゃりとして立ち上がることが出来ない。
2024年5月22日 21:16
発熱、血尿、足の浮腫、尾てい骨あたりの褥瘡(床ずれ)。色んな不調が母の体に起きるようになった。特に、原因不明の発熱が度々あった。原因不明の発熱は、前触れもなく訪れる。ある日。朝、起きたあと、急に母は寒いと言い出した。寒い季節ではない。違和感を感じた。母の身体が震え始めた。びっくりして母を寝かせる。母は、寒い寒いと繰り返して言っている。歯がカチカチと音を立てるくらい震えている。
2024年5月15日 21:40
神経質になり過ぎていたとは思うが、毎日、いつも目で、耳で、母の動きを追っていた。夜中、母がトイレに起きる小さな音にさえ、目が覚める。毎日眠りは浅く、身体が重かったが、それも当たり前の日常だった。母の身の回りの世話も、大変だった。母は、毎日丁寧に洗顔したがった。古い家の洗面台は、タイル張りの風呂場の中にあって、使いにくく危ない。台所の流し台で、歯磨きと洗顔をしなければならなかった。流
2024年5月8日 21:28
母のトイレでの転倒が、介護生活後半の始まりになった。勿論、後々に思えば、の話である。トイレでの転倒以来、母も私もやはり神経質にならざるを得なかった。トイレはポータブル、室内の移動は杖と手すり。1人の時間を極力無くすため、デイサービスの利用と、それ以外の時間は私が気をつけるしかない。たちまち、時間に追われる生活になっていった。古い家は水回りが不便で、何かと手間がかかる。湿気が多く、色ん
2024年5月1日 21:29
トイレが怖いトイレでの転倒をきっかけに、母はトイレを怖がるようになってしまった。リハビリで1週間入院した後に帰宅したが、家のトイレに入ろうとすると、トイレの入り口で足が進まなくなってしまう。足腰などの問題ではなく、メンタルの問題ゆえ改善は難しい。トラウマというやつである。病院ではポータブルトイレを使用していたので、本人も抵抗はないようで、その方が良いと言う。身体的には、トイレ使用はまだ
2024年4月24日 21:49
トイレで何が?「お母様がお家のトイレで倒れられていて」デイサービスの、お迎えの介護士さんからの電話を受けたのは、仕事中だった。「今、救急車を呼んでいます」頭の中が真っ白になった。倒れた?「すぐ帰ります。5分で着きます」慌てて電話を切った。仕事場から家まで、自転車で5分ほど。早退させてもらい、家に向かった。心疾患。脳疾患。のようなものを想像した。朝は特に異常はなかった。
2024年4月17日 21:16
タイトル写真は、つい最近の、家の近所の桜並木。桜が散り始め、通路に花びらの絨毯が敷かれている。綺麗。日本人が大好きな桜。桜にまつわる思い出話しは、多くの人が持っていそう。ご多分に洩れず私にも、いくつか思い出がある。母も桜が好きだった。再び一緒に暮らし始めた、翌年の春だっただろうか。桜が見たいと母が言い出した。私は気乗りしなかった。休日の時間は、自分のために使いたかったか
2024年4月10日 20:43
いつか会えなくなる運命なら出会わなければよかったのだろうか別れの痛さに身を捩る慣れることのない痛みをもう味わいたくなければ目を閉じるしかない心を閉じてしまうしかない私の魂は夜の海を彷徨ったそこにあの子たちが行き着いているのなら会える気がして冷たい風に晒されながらあの子たちを探した幾度となく身体は灰色の街を歩いたどこかにあの子たちが潜んでいたらとひたすら奇跡の邂逅