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命を絶とうとしていた頃

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命を絶とうとしていた10代の頃のこと
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むなしさを語る聖書のことばを

― 命を絶とうとしていた頃 ―

死にたいと思うようなことは
神さまへの冒瀆だって
ある牧師が説教していた

確かにそうなのだろうと思う
でも聖書の中の伝道者の書は
人生のむなしさを語っている

私はそこからの説教を
一度も聞いたことがない

人生のむなしさを悟った
牧師の説教が聞きたかった

人生のむなしさを悟り
救いの喜びを心で語る
心の通った説教が・・・

むなしさとともに生きる術

むなしさとともに生きる術

― 命を絶とうとしていた頃 ―

むなしさとともに生きる術は
生きるむなしさを悟ること

生きるむなしさをただ知っても
ただすべてがむなしいだけ

むなしさとともに生きる術を
持ち合わせた人間などいない

むなしさから逃げる術を
むなしく披露しているだけ

生きることはむなしいこと

でもそう悟ることはできない

だからその意味を見出せず
ただむなしさが生きている

自ら命を絶った人を分析する人たち

自ら命を絶った人を分析する人たち

― 命を絶とうとしていた頃 ―

自ら命を絶った人や
その後を追った人について
自分はそのようなことはせず
強く生きていけるかのように
色々と分析する人がいる

そんなことをしてどうするのだろう
何になるというのだろう

専門家の分析も
心理学者の言葉にも
心の相談所などにも
何の共鳴も感じられず
心の通わない解釈に
追い込まれるばかりなのだから

鼓動に耳を塞ぐ心

― 命を絶とうとしていた頃 ―

苦しみに悶える心が
鼓動に耳を塞いでいる

鼓動がむなしく身体を打ち
むなしい心に語りかけるから

鼓動が心に語りかけても
むなしい心は動けないから

生きることを拒む心が
鼓動に耳を塞いでいる

なぜ命を絶とうとするのか 3

なぜ命を絶とうとするのか 3

― 命を絶とうとしていた頃 ―

わかったようなことを言われるほど
生きることが辛くなるもの
わかったようなことを言う
カウンセラーや自称クリスチャンが
何をわかっているのだろう

耐え難い苦しみの中で
わからない人たちに応じようと
残りの力を振り絞ることに
疲れ果ててしまうのだから

なぜ命を絶とうとするのか 2

なぜ命を絶とうとするのか 2

― 命を絶とうとしていた頃 ―

なぜ命を絶とうとするのか

“一人で抱え込まないで” と言われても
抱え込む以外にないわけだから

人に話をしたとしても
わかってもらえないことを
確信させられるだけだから

わかってもらえていないことに
なおさら苦しくなるだけだから
わかってもらえない苦しみが
相手までも苦しくさせるから

“一人で抱え込まないで“ と寄り添うように言いつつも
本気で命を絶とうと

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なぜ命を絶とうとするのか 1

なぜ命を絶とうとするのか 1

― 命を絶とうとしていた頃 ―

なぜ命を絶とうとするのか

それはこの世に何の希望もない現実を
真っすぐ見つめずにいられないから

簡単に命を絶とうとはしない

様々なことを試みて
限界まで苦悩して
命を絶とうと踏み出すのだから

苦しみが追いかけてくる

苦しみが追いかけてくる

― 命を絶とうとしていた頃 ―

苦しみが追いかけてくる
勢いを増して迫ってくる

逃げるつもりはないのだけれど

耐えられないほど苦しくて
逃げることも苦しいから

助けたいなんて思わないでほしい
励まそうなんて考えないでほしい
余計に苦しくなるだけだから

だから私は誰にも言わない

言ってくれればよかったなどと
どうか思わないでほしい

さようならも言えなくなって

さようならも言えなくなって

― 命を絶とうとしていた頃 ―

あなたは大切な存在だなどと
力いっぱいに言われたとしても
むなしさを知った心には
ただむなしくこだまするだけ
こだまがむなしさを煽るだけ
さようならも言えなくなって
独り土に横たわる

眠りに入ってしまいたくても

― 命を絶とうとしていた頃 ―

眠りに入ってしまいたくても
酔っ払いなのか正気なのか
周りのことなど考えず
うるさく笑い喋る大人たちの声
聞くに耐えない大きな歌声
言い争うような大声や怒号
大音量で音楽を流したり
やかましく走る車やバイク・・・
静かに眠ることなどできない
夜の闇は人間の闇
むなしい現実が心を殴り
ひどく荒み果てさせていく
東京なんて大嫌い
欲深い人間が街をつくり出し
満たされな

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変えることのできない未来

変えることのできない未来

― 命を絶とうとしていた頃 ―

どんなに上手く真実から逃げ
賢く今を生き抜いても
待ち受けている死という未来を
誰も変えることはできない

人間とはみじめな生き物
その真実に向き合えない
人間とは弱い生き物

自分をひたすらごまかすことが
強さであると勘違いして
未来に夢と希望を抱き
むなしい日々を積んでいくより
とことん現実と向き合って
命尽きた方がいい

何故こんなにむなしいのか

何故こんなにむなしいのか

― 命を絶とうとしていた頃 ―

何でこんなに苦しいのか
むなしくて仕方がないからだろう
何でこんなにむなしいのか
自分でわからないのだから
人にわかるわけがない
わかってあげたいなどというように
思うこともしないでほしい
私もあなたもわからないのだから

人に相談できるくらいなら

人に相談できるくらいなら

― 命を絶とうとしていた頃 ―

人に相談できるくらいのことならば
命を絶とうと踏み出したりしない

人に話して解決できることならば
解決の鍵は既に持っているのだから

言葉にならない心のうめきが
人に届くことはない

“話そうよ” なんて言われると
なおさら追い詰められるわけだから

そんな言葉があふれている
この世に別れを告げようとした

死んではいけないと言われても

死んではいけないと言われても

― 命を絶とうとしていた頃 ―

死んではいけないと言われても
生きることに耐えられない

どうにもならないむなしさと
生死をさまよう苦しみに
耐えて生きろというならば
私の心に入り込んで
私の代わりに生きてほしい

私は私でなくなっていい
私は私でなくなりたい
私は存在しなかったように
あなたの命で生きてほしい