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エッセイ 児童文学によせて 2 モモとジョバンニとガンバ
・「モモ」の声 日本を愛してくれたエンデに感謝。
『モモ』ミヒャエル・エンデ作/大島かおり訳 岩波文庫
わたしの大好きな『モモ』。
もう何度読んだかわかりません。(たぶん、うなずいている人、多いと思います)
「モモ」が時間泥棒たちから街のみんなを助けるお話しです。映像化もされました。観てないですけど。
エンデ作品は初期の『ジムボタンの機関車大冒険』がアニメで映像化されています。ずい分昔NH
エッセイ 児童文学によせて
1 児童文学という沼そして世界三大ファンタジー
三十年以上も前のことです。
娘が幼稚園の年長に上がった頃、若い母親たちの読書会に参加しました。
「子どもたちになるべく良書を」また「その良書とはどういうものか」を学びあう会でした。
主催者は、独身の頃関西のラジオ局でアナウンサー経験のある女性でした。
「絵本の読み聞かせ」ボランティアが盛んな時代です。
彼女の読む絵本はそれはそれは心地よく、子どもた
『鬼の夜ばなし7 笑う、鬼』
これは、ぼくのおじいちゃんが子供の頃聞かされたお話し。
おじいちゃんのそのまたおじいちゃんに起こった出来事だという。
そのおじいちゃんの名前はツトム。十歳くらいの頃のことだった。
ツトムには、ケンジというもっとちいさな弟がいた。
ある時、母親が病気で入院し、そのうえ仕事が忙しくなってきた父親は、頼る者もないまま子どもたちの世話に困って、遠くの親戚の家にふたりを預けることにした。
まだ
『鬼の夜ばなし5 三人の鬼女のつぶやき(生きながら鬼となった女たち)』
「でね 悔しいからあの寺の釣鐘に閉じ込めてやったわ そしたらいつの間にか わたし 蛇になっちゃってて 気が付いたら辺り一面火の海だったのよ」
囲炉裏の炭が一瞬勢いよく燃え上がった。
「うふふふ」まだあどけなさの残る無邪気なこの娘には、藤色の小袖がよく似合っていた。興味津々なのだろう、若さゆえの真っ直ぐさで、娘は話しながら反対側の女を始終眺めていた。
「まあ それじゃ 中のお人は 蒸し焼きじゃ