凛葉楓流

リバプールだけどビートルズマニアというわけじゃないです

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記事一覧

2022年ベストアルバム9選

うーん、あんまり僕が書くようなものでもないような気がしちゃいます。だってTwitterを見て、みんなが聴いてるものを聴いてるだけだし、新譜に対してはどこまでも受動的だ…

凛葉楓流
1年前
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blgtzを聴け。

”ミュージシャンズ・ミュージシャン”なんて言葉がある。 肯定的な意味で使われることはほぼないと言ってもいい。(理解のないクソサイトでは)the pillowsの代名詞的にな…

凛葉楓流
1年前
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syrup16g入門アルバムランキング

11月23日に新アルバム『Les Mise blue』を発表するsyrup16g。そんな時流にちょっと便乗して、syrupを語りたくなりました。 個人的なことになりますが、今年から一人暮らし…

凛葉楓流
1年前
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『廃市』と日本の夏

大林宣彦観たことないので、教養として観ておこうと思い立った。近所のTSUTAYAに行ったら『転校生』がリメイク版しか置いていない。 最初からリメイク版ってあんまり良い方…

凛葉楓流
2年前
3

『プラネットフォークス』とジョー・ストラマーと羊文学

本題に移る前に、ちょっとクラッシュの話をしようと思う。僕は連載企画としてクラッシュについて書こうと考えていた……のだが、未だに記事は第一回で止まってしまっている…

凛葉楓流
2年前
23

ザ・クラッシュについて

 僕はロックが大好きだ。でも"ロック"なんてものを正面から論じようとすればするほど、その本質は見えなくなってくる。  "ロックンロール"ならばある程度の定義はできる…

凛葉楓流
2年前
4

卒業と僕とロック

スマホに溜まった写真を辿っていくと、サムネイルのこの写真を見つけた。高一の5月に撮った写真だ。この写真はお気に入りだ。青春の象徴のようで。でも気づけば三年が過ぎ…

凛葉楓流
2年前
6

Fontaines D.C.のあざとい新曲について

 Fontaines D.C.の新曲、『Jackie Down the Line』がとても良かった。4月22日リリースの新アルバム、『Skinty Fia』からの先行曲として先日発表された。  まずはMVを見…

凛葉楓流
2年前
5

【小説】 サハラで紅茶を

『紅茶の起源は、中国人が緑茶を売る際にゴミや豚糞なんかを混ぜて、ヨーロッパまで運んでいるうちに発酵してしまったことなんだって』  いきなりそんなことを言われた。…

凛葉楓流
2年前
1

二月に三月を想うということ

朝起きると12時を過ぎていた。もう朝じゃなかった。三度寝くらいしていたみたいだ。 夢を見ていた。商店街の隅にある、あのレコード屋にいく夢。その夢の中で何をしたのか…

凛葉楓流
2年前
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2022年ベストアルバム9選

2022年ベストアルバム9選

うーん、あんまり僕が書くようなものでもないような気がしちゃいます。だってTwitterを見て、みんなが聴いてるものを聴いてるだけだし、新譜に対してはどこまでも受動的だし。

というか、今年はsyrup16gとART-SCHOOLとPeople In The BoxとThe Novembersの年だったし……。

まあ、そんなことは置いといて、あくまでも記録として。邦洋も一括りにして、今年のアルバム

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blgtzを聴け。

blgtzを聴け。

”ミュージシャンズ・ミュージシャン”なんて言葉がある。
肯定的な意味で使われることはほぼないと言ってもいい。(理解のないクソサイトでは)the pillowsの代名詞的になっちゃてるし、なんならザ・バンドにも使われてることもある。

まあ the pillowsなんてまだマシでSpotifyの月間リスナーは30万人近くいる(*2022年12月)からいい方で、これから僕が紹介するのは月間リスナーが3

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syrup16g入門アルバムランキング

syrup16g入門アルバムランキング

11月23日に新アルバム『Les Mise blue』を発表するsyrup16g。そんな時流にちょっと便乗して、syrupを語りたくなりました。

個人的なことになりますが、今年から一人暮らしを始めました。
夜中に一人で出歩くことも、一週間カップ麺でも、掃除も洗濯もしなくても、引きこもっていることも、自由なわけです。
だけど何か満たされないし、何もしないまま一日は過ぎる。自由という見えない虚無に恐

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『廃市』と日本の夏

『廃市』と日本の夏

大林宣彦観たことないので、教養として観ておこうと思い立った。近所のTSUTAYAに行ったら『転校生』がリメイク版しか置いていない。
最初からリメイク版ってあんまり良い方法じゃない気がして(市川崑の『犬神家の一族』もリメイクから観たが、あんま印象良くなかった)、散々悩んで、近くにあった『廃市』を手に取った。

1983年作品。福永武彦原作、らしい。

鑑賞後、本当に良い映画に出逢えたと感じた。

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『プラネットフォークス』とジョー・ストラマーと羊文学

『プラネットフォークス』とジョー・ストラマーと羊文学

本題に移る前に、ちょっとクラッシュの話をしようと思う。僕は連載企画としてクラッシュについて書こうと考えていた……のだが、未だに記事は第一回で止まってしまっている。

言い訳するが、大傑作ロンドン・コーリングの記事を書くのは勇気が要る。ブログや雑誌の記事でクラッシュに触れたものがあまりに多く、詳細で、深い考察があるので、自分が書く意味を見いだせなくなるのだ。
でもそれ以上にクラッシュというバンドその

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ザ・クラッシュについて

ザ・クラッシュについて

 僕はロックが大好きだ。でも"ロック"なんてものを正面から論じようとすればするほど、その本質は見えなくなってくる。
 "ロックンロール"ならばある程度の定義はできるだろう。8ビートだとかペンタトニックスケールだとか言って。でもその音楽性に一貫性はないような、ビートルズもメタリカもレディオヘッドもThe1975だって、みんなロックバンドだと言われている。

 けれど僕は陳腐なロックスピリッツの話をし

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卒業と僕とロック

卒業と僕とロック

スマホに溜まった写真を辿っていくと、サムネイルのこの写真を見つけた。高一の5月に撮った写真だ。この写真はお気に入りだ。青春の象徴のようで。でも気づけば三年が過ぎた。

"青春時代が終われば
私たち生きてる意味なんてないわ"
        -羊文学『若者たち』

こんな言葉を思い出していた。
高校生という資格も無くしてしまった。

生きてる意味を本当に見失ってしまったような気がする。
それは別に、

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Fontaines D.C.のあざとい新曲について

Fontaines D.C.のあざとい新曲について

 Fontaines D.C.の新曲、『Jackie Down the Line』がとても良かった。4月22日リリースの新アルバム、『Skinty Fia』からの先行曲として先日発表された。

 まずはMVを見て欲しい。

 まず目を引くのは4:3のアスペクト比。どこか懐かしい印象で何かしらのオマージュであることがわかる。
 そして地面に散らばる薔薇の花。倒れ込んだバンドメンバーたち。完全にザ・ス

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【小説】 サハラで紅茶を

【小説】 サハラで紅茶を

『紅茶の起源は、中国人が緑茶を売る際にゴミや豚糞なんかを混ぜて、ヨーロッパまで運んでいるうちに発酵してしまったことなんだって』

 いきなりそんなことを言われた。何の脈絡もなく。コーヒーチェーンで彼はブレンドコーヒーを、私は紅茶を飲んでいた。期末テスト直前の平日のデートにちょっと後ろめたさも感じつつ。

 二月なのに雪はなく、冷たく突き刺さる風ばかりが吹く嫌な日だった。駅前のアーケード街を歩く人々

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二月に三月を想うということ

二月に三月を想うということ

朝起きると12時を過ぎていた。もう朝じゃなかった。三度寝くらいしていたみたいだ。

夢を見ていた。商店街の隅にある、あのレコード屋にいく夢。その夢の中で何をしたのかは忘れてしまった。

そのレコード屋には一年前に行ったことがある。レコードプレーヤーは持っていなかった。代わりにCDを何枚か買った。1000円くらいだったと思う。Nirvanaのブート、ClashのCut the Crap、Stevie

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