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ハンコを捺してもらえれば。
時代に逆行して、ハンコというもののことがちょっぴり好きだ。
捺してもらうためだけにわざわざ出社、なんて目に遭ったことがないから言えるのかもしれないけれど。
小・中学生の頃、宿題をしてノートやドリルを提出すると、先生が何かしらの印をつけてくれた。それは時に赤ペンのマルであり、時にハンコだった。
私はハンコのほうが好きな子どもだった。
「クソ」とつけたくなるほど真面目だった私のノートでは、ひしめく
無職、贅を尽くす。 #KUKUMU
ハレルヤ、無職の日々2022年9月末日、一身上の都合で会社を辞め、私は無職になりました。
義務教育を済ませ、高校を経て、四年制大学を出て就職する。ありがちな道をなんの変哲もないステップで歩んできた私。
そんな良くも悪くも浮き沈みのなかった私が、今や無職です。
咳をしても無職。風呂に入っても無職。庭先を掃いても無職。ああ、無職無職無職。なんとずっしりくる言葉でしょう。口にすると後ろめたくて、宙ぶ
いつもと違う朝に、マッシュルーム味噌汁を。 #KUKUMU
窓から射し込む朝日にも、つくづく秋を感じるようになった。
秋の光に満たされた私の部屋。夏の突き刺すような強い日差しではなく、透明感のある清々しい光。暑気はあまり感じない。
本やら置き物やらで狭苦しいけれど、澄んだ静かな光に包まれて、どこか整頓されて見える気がする。そのせいか、寒々しくも見える。
実際、ちょっと寒い。
毛布を首元まで引き上げ、かたわらで寝ている猫を抱き寄せる。猫は一瞬迷惑そう
結婚前夜と麻婆豆腐。 #KUKUMU
気だるさの正体は空腹だと薄々わかっていながら、気づかぬふりをしていた。2021年、緊急事態宣言下の夏の夜。飲食店はどこも20時で閉まる。
今から外に出たところで、どの店に入ろうとラストオーダーの時間すれすれだ。
間に合ったとしても、20時のタイムリミットに追われて急いで食べねばならないだろうし、何より、うだるような暑さの夜の街にくり出す元気が湧かない。まったく湧かない(そう、あの夏は本当に暑かっ