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古民家床張り、蜜蝋ワックスづくり

古民家床張り、蜜蝋ワックスづくり

 築100年を超える古民家に引っ越して、家を直しながら住んでいます。

 この夏、居間の畳を剥がして木の床板に張り替えて、先週は土間の台所に床を作りました。

 木は経年変化を楽しめる自然素材です。共に過ごして一緒に歴史を刻んでいくと同時に、世界にひとつの材質になってくれる点が魅力に感じます。
また無垢の木は耐久性があることから時間が経っても劣化しにくいため、世代を越えて引き継がれていくことも知ら

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いろんな色があっていい

いろんな色があっていい

 久しぶりに投稿します。というのも、3月の終わりにに出版の話をいただいて、9月の販売に間に合わせられるよう、ずっと文字と向き合っており、原稿の完成の目処が立ってやっとnoteに文字が書けるようになったので、のんびり書き込んでいます。

 私はニワトリを飼っています。全部で9羽。1羽、オスのニワトリがいます。
 ある日、ハゲちゃんと呼んでいるニワトリが、自分たちが産んだ卵を食べているところを目撃しま

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猫と眠る

猫と眠る

 同居猫の朔太郎と住みはじめて1年半。家族以外の命と暮らすのは初めて。もちろん言い合いをすることはない。しかし時々互いにちらりと不満を態度に表すことはある。2匹生活はうまくやっている気がする。
 私が不満を表すとしたら、家の障子やふすまを引っ掻いてボロボロにされた時、棚の中を荒らされた時などだ。しかし、くうへ向かって「もう!」と言うだけで、彼へ向かって言葉にして怒ることはない。朔太郎の方は(私から

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春をまつ

春をまつ

 少し前からジャンプをする人が視界の端に現れるようになりました。ジャンプといっても、ラジオ体操の中の跳躍みたいなジャンプではなくて、戦隊ヒーローが登場するときに勢いをつけて跳ねるのを繰り返すような、病的に見えるようなジャンプです。
 病院の先生からは幻視と言われていて、たしかに目を動かしてその人にピントを合わせようとするといなくなったり、また目の端に移動します。幻視はもう1つあって、壁に何か黒い物

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2022年 編みはじめてからの夢

2022年 編みはじめてからの夢

 あたらしい一年がはじまりました。みなさんにとってよい年になりますように!

 最近編むのことにはまっています。きっかけは昨年の年の瀬に祖母から編み物を教えてもらったことから。その日はコマアミとナガアミをするとコースターができるかぎ針編みでした。教えてもらった日、家に帰ると8時間も編み続けていて、ひとつひとつの糸に針を進めているとこんなにも時間が飛ぶようにすぎることに驚きました。

 今まで作った

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わたしがパンを焼くとき

わたしがパンを焼くとき

 パンを焼いた。この小麦で今年収穫した麦を使い終わることになる。私のパンは、私が昨年の晩秋に種を畑に撒いて、収穫して、石臼で挽いた小麦粉を使う。
 品種は「ゆきちから」という品種。秋、麦を蒔いて、厚い厚い雪の下で冬を越し、春になったらぐんぐんと伸びていく麦の芽たち。
 石臼は、近くの石屋さんに特別に作ってもらった、墓石のように磨かれた石臼だ。石臼でゴリゴリ挽くときは、麦の種が少しずつしか挽けなくて

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ハッピーを見つける探偵になれそう。

ハッピーを見つける探偵になれそう。

 久しぶりにアイドル的に好きになってしまった人に出会いました。それはマーティン・フリーマン
  動きがとても可愛いのです。鼻の大きさとか、口をムッとしたときの口横の皺とか、ペンギンみたいな体を上下させながら歩いている様子とか。ほんとうに全てがかわいい。

 それはさておき、ドラマ「シャーロック」を観ています。Netflixで、1話約1時間半の長編、1シーズン3話の4シーズンまで配信されています。

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ヒリヒリするのはチャンスかもしれない。

 人との連絡のやりとりで、よく使うLINEやメッセンジャー、Instagramや Twitterのダイレクトメッセージ機能、略してDMと呼ばれるもよく使われる。

 このような連絡の取り合える機能はとても便利だ。便利だからこそ改めて気をつけないといけないな、と思うのが言葉が表す意味やその言葉の使い方。なかでも、自分はそういう風なニュアンスで使っていなかったものでも、相手にはネガティブなニュアンスで

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ひとの過去に触れながら空き家で生きる

ひとの過去に触れながら空き家で生きる

 私は今、曾祖父の家に住んでいます。曾祖父は10年前に他界して、この家はそれからずっと空き家になっていました。空き家になったといっても、私の祖父母が定期的に管理をしに来ていたそうです。

 この曾祖父の空き家に住み始めた頃、生前使っていたものや、祖父母が家で使わなくなった家具家電を持ち込んでいて、家の中は物で溢れていました。移動するのにもやっとなくらい所狭しと置かれた物たち。私も持ってきた自分の家

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しいんと静かなみずうみを持つ

しいんと静かなみずうみを持つ

 不意に6年前の写真をもらいました。「懐かしいの出てきた」というメッセージと一緒に届いた、私の昔の写真。カバーの写真は友人の写真家の人と、島サイクリングをしたときの写真です。

 本日27歳の誕生日を迎えました。周りの友人たちは結婚して、新しい家族ができて...そういう年齢になったんだ、というのは同年代の友人たちともよく話題になることです。
 この写真の頃の私は、「山で猟をして暮らす」ということに

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毎日800字書こうと思ったわけ

毎日800字書こうと思ったわけ

 毎日800字の文章を書こうと思ったのは、800字の雰囲気を自分の頭の中から無くしたくなかったからです。

 新聞の連載も800字という形式が決まっていて、それぞれのテーマについての最初の導入から起こったことや取り組んでいること、最後に自分の考えをまとめる流れで、だいたい800字を少し越すくらいのテンポが自分の中にできてきた感覚がありました。毎週の連載だったので、2年弱の連載で80回になり、繰り返

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島しょ部→フェリーの看板にときめく

島しょ部→フェリーの看板にときめく

 久しぶりに家族と外で会う。私の生活の変化と、誕生日が間近だからか、家族のみんなが買い物に連れ出してくれました。連れ出すといっても、港での待ち合わせ。過疎地での山暮らしを6年間していたので、移動はめっきり自家用車のため、久しぶりに公共の乗り物に乗る緊張で、何度も時刻表と料金表を見てそわそわしてしまいました。

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 朝、前

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朝、パン屋さんの窯入れを見学して、草刈りをバリバリやった日

朝、パン屋さんの窯入れを見学して、草刈りをバリバリやった日

 朝6時半、パン屋さんへ向かう。もちろんまだオープンされていないのですが、昨日見学をお願いして見せていただけることになった。
 ただただ、今日の日記です。

         ・ ・ ・

 暗くて、あまり慣れない道を進むと、パン屋さんの窯のお部屋にオレンジの光がぼんやりと見えた。ワクワクしながら扉を叩くと、「どうぞ」と優しい笑顔が見えました。中に入ると、ボワッと熱

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