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毎日800字書こうと思ったわけ

 毎日800字の文章を書こうと思ったのは、800字の雰囲気を自分の頭の中から無くしたくなかったからです。

 新聞の連載も800字という形式が決まっていて、それぞれのテーマについての最初の導入から起こったことや取り組んでいること、最後に自分の考えをまとめる流れで、だいたい800字を少し越すくらいのテンポが自分の中にできてきた感覚がありました。毎週の連載だったので、2年弱の連載で80回になり、繰り返し書き続けることができるようになった気がしていました。

 もう一つの理由は、自分が毎日を過ごす中で、何か決まって頭を使う継続できることを作りたいからです。毎日、身の回りのことを整えたり、生活を回すことに努める日々は、過呼吸発作が頻繁に起こる私にとってはよいトレーニングになっています。毎日決まったことが目に見えてあること、生活のほとんどが家の中や半径5キロ以内で完結する環境はとてもありがたいものです。
 ただ、新しい地では人にあまり会うことがなく、自分の頭の中の考えをアウトプットできないと、本当にぼんやりと毎日を過ごすだけになってしまうことは、少し怖いと思ったのです。頭の中を空っぽにしてぼんやりと家の周りを眺めたり、同居ねこと遊んだりすることも、元気になるための薬のように思いますが、そんな時にもポツポツと思いや考えが浮かんできます。

 同居ねことのネズミのおもちゃ遊びでは、釣竿風のおもちゃをスイングしていると、これを続けていればバス釣りの名人になれるんじゃないだろうかとか、映画「リバーランススルーイット」の一場面をピンクのプラスチックの細い棒をシュンシュンと鳴らす今の自分に重ねてみたり、変な妄想のようなものですが日々、思考は働いています。

 誰に届くかは分からないし、インターネットの海の中へ垂らすしずくのような、沈んでゆく一滴だとしても、自分の頭の中のことを言葉として外へ出すことが今の私には必要に思うのです。

♩ひがしのまち
    バレーボウイズ

2018年 「卒業/ひがしのまち」

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