マガジンのカバー画像

My-Mythology〜新しく綴りあげる神話の世界〜

1,046
My-Mythology〜新しく綴りあげる神話の世界〜 #note神話部 投稿用マガジン 参加方法についてはこちらの記事をご一読下さい。 → https://note.com/… もっと読む
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 二十三話「鬼たちと話す」

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 二十三話「鬼たちと話す」

登場人物紹介

織田信長(おだのぶなが): みなさんご存知、尾張(おわり)生まれの第六天の魔王。この神話×歴史ファンタジー小説のなかでは、本能寺の変で天使に救ってもらう。一般人、一介の冒険商人「小田信春(おだのぶはる)」と名乗り一番のお気に入りだった黒人侍弥助(やすけ)をアフリカへ送り届ける旅を始める。

弥助(やすけ): 本能寺の変でも、最後まで戦い、信長を守ろうとした黒人侍。気は優しくて力持ち

もっとみる
The Latest Mythology -vol.82-(note神話部週報)

The Latest Mythology -vol.82-(note神話部週報)

【今週の神話】すーさん/人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 二十二話「長崎では従者になる」
保守と革新、宗教対立、領土拡大の抗争……一行が降り立った長崎はきな臭い気配の立ち込める港であった。いざこざを避けるために信長はある策略を提案するが……



すーさん『信長の大航海時代』
↓マガジンはコチラ↓



【note神話部企画のお知らせ】2020年東京オリンピック競技大会が開催されており

もっとみる
掌編 いつも待ってるんだ

掌編 いつも待ってるんだ

「よう、マウイ、鼻の穴は元気なんだろうな」
そう声をかけられた半神半人のマウイはニヤリと笑った。

「ぬぁんだ、銅像。俺様にその口のききかたとは、随分と偉くなったもんだな」

銅像の名はデューク・カハナモク。永遠に日焼けを堪能する男は目の前に広がるハワイの海を見つめていた。

「銅像になってから随分と時間も過ぎた。海から出たら俺は何者でもないと言っておったんだがな」デューク像は目を細めた。
「マウ

もっとみる
人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 二十二話「長崎では従者になる」

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 二十二話「長崎では従者になる」

登場人物紹介

織田信長(おだのぶなが): みなさんご存知、尾張(おわり)生まれの第六天の魔王。この神話×歴史ファンタジー小説のなかでは、本能寺の変で天使に救ってもらう。一般人、一介の冒険商人「小田信春(おだのぶはる)」と名乗り一番のお気に入りだった黒人侍弥助(やすけ)をアフリカへ送り届ける旅を始める。

弥助(やすけ): 本能寺の変でも、最後まで戦い、信長を守ろうとした黒人侍。気は優しくて力持ち

もっとみる
【掌編】暇つぶし

【掌編】暇つぶし

僕はしげしげと目の前の少女を見た。少女は不機嫌そうに僕の視線を受け流している。

「邪魔じゃない?」

単刀直入に僕は言った。

「その羽。空気抵抗が」

少女はダンマリだ。

「不利だと思うんだ」

ショートカットヘアの少女は、ますます不機嫌そうに僕をチラッと見やった。

「背中の羽ってのはね、そもそも飛行用じゃなくて、落下の速度を緩和させる、まあパラシュートみたいなものなんだ。憧れが高い割に用

もっとみる
冥海バレー【掌編小説】

冥海バレー【掌編小説】

“ワーーーッ!ワーーーッ!!”

“ブーー!ブーー!ブーー!!”

『男子バレーボール準決勝第2試合、大変なことになってまいりました! 精巧なチームプレーを練り上げてきたフランス、強豪ブラジル相手に引けを取らず、第5セットのデュースまでもつれ込みましたぁ!!』

観客の大歓声など何のその、ボールを打ち付ける音は遠く隔たれた実況席まで高らかに響いてきていた。

鳥かと見紛うほどに高い打点。弦を限界ま

もっとみる

神々の球技

地球はひとつのボールだ。その美しく、ときに壊れそうなほど繊細なそのボールの主導権を競って、多くの神々がいつも取り合いをしている。それはさながら競技であり、バスケットボールやラグビーのように、扱いは丁寧だったり、ときにはアグレッシブだったり。

その地球ボールころころ競技の一部分を、これから実況してみよう。

コロコロン、と落ちてきた地球をまっさきに拾い上げたのは、ギリシアの主神ゼウス。

「ふんぬ

もっとみる
The Latest Mythology -vol.81-(note神話部週報)

The Latest Mythology -vol.81-(note神話部週報)

【今週の神話】すーさん/創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」28話 恋人たちはノマド ~幕間のマッシモたち~幕間に登場したのはジョニーの父と母と支援職員のマッシモ。そしてなんとあの神々まで再び! 取り戻された愛情に神の恩恵が呼応して奇跡が起こる。



すーさん/人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 二十一話「平戸の姫が来る」一艘の小舟に乗った少女〈まつ〉の頼みで平戸の港に立ち寄る一行

もっとみる
【詩】小さな夜を燃やして

【詩】小さな夜を燃やして

 「小さな夜を燃やして」

 裸のキャンドルに

 焚き染める願い

 立ち登る煙が

 少しばかり空いた窓へと向かう

 数千年も前から手付かずの

 稀有な藍色の世界へと

 おもむろに誘われてゆく

 絹の帷をすり抜けた

 空を駆ける

 風を受ける

 冷えた指先の内に響くのは

 心(しん)の洞穴から躍り出た

 無数の山羊の群れの足音

 行き止まっては折り返し

 絶えず駆け巡る英

もっとみる
創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」28話 恋人たちはノマド ~幕間のマッシモたち~

創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」28話 恋人たちはノマド ~幕間のマッシモたち~

27話のあらすじ

アンドラ公国でドメイン「.ad」につながるガーディアン、子羊アンドラを呼び起こしたジョニーと絵美は、滞在を終えて次の「.ae」であるアラブ首長国連邦へと旅立つのだった。フランスとスペインのあいだの国アンドラから、ジョニーは家族に宛てて記念ハガキを出した。そのハガキはロンドンに届いて……。

28話

場所: 地球、ロンドン

記録者: マッシモ  マイジェンダー: 男性 29才

もっとみる

『玉と石の神話25』
王が金剛を呼び寄せた理由が、琥珀にはわかったような気がした。
どれほど威厳に満ちていようと、ならず者にはそれは関係のない事。話し合いにすら応じない輩の可能性もあり、争う為の言いがかりなどいくらでも作れるのだ。
だが、争いが起きれば確実に民も国土も犠牲になる。

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 二十一話「平戸の姫が来る」

人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 二十一話「平戸の姫が来る」

登場人物紹介

織田信長(おだのぶなが): みなさんご存知、尾張(おわり)生まれの第六天の魔王。この神話×歴史ファンタジー小説のなかでは、本能寺の変で天使に救ってもらう。一般人、一介の冒険商人「小田信春(おだのぶはる)」と名乗り一番のお気に入りだった黒人侍弥助(やすけ)をアフリカへ送り届ける旅を始める。

弥助(やすけ): 本能寺の変でも、最後まで戦い、信長を守ろうとした黒人侍。気は優しくて力持ち

もっとみる
The Latest Mythology -vol.80-(note神話部週報)

The Latest Mythology -vol.80-(note神話部週報)

【今週の神話】吉田翠さん/七夕 よもやま話世界中に散らばる機織り女神の神話。海を渡ってきた機織り機と七夕祭り。「たなばた」の語源と思しき「棚機津女」(たなばたつめ)と呼ばれた巫女たち、記紀神話に登場するあの女神もそうだった?



悠凛さん/ウラバナ2織姫には彦星にも全地球人にも明かしていない秘密があった。七夕の逢瀬の後に彼女は何を想う?



すーさん/人生は50から! 信長公、アフリカへ行

もっとみる

『ウラバナ2』
「今年も大変だった…」
眠気と闘いながら織姫は思った。
何せ夫とは年一しか逢えないワケで、一年分イチャコラしておかねばならない。そこは最早、前倒しなのか後払いなのかすら不明なのだが。
一年後の夫を待ちわびつつ、近所のBF達と過ごす一年にも思いを馳せる織姫であった。