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2019年3月の記事一覧
『声めぐり』齋藤陽道
彼の文章を読むと「厚手のふわふわの、ピンクの毛布」を思い出す。毛足が長くて、ついスリスリしちゃいたくなるような毛布。そしてこれも思い出す。「柔突起(じゅうとっき)」。腸は栄養の吸収を高めるために、表面を多数のヒダにすることで表面積を増やす。何が言いたいかというと、「とてもなめらかで、情報量が多い」ということなんだけど。音が聞こえない夫婦の子育てについての『異なり記念日』(本79)に続き彼の本を読む
もっとみる『フィフティ・ピープル』チョン・セラン
わたし、この本好きだわ。いろんな意味で。韓国ソウル郊外を舞台に子供から老人、男女、色々な職業やライフスタイルの50人について、一人8ページくらいで綴られる。読み進めていくと、あの人とこの人が家族だったり、同僚だったり、同じ店に出入りしていたりすることがわかっていく。点が線になり、面になり、立体となっていく。暮らしや街の様子、時代が立ち上がってくる。
私は人の名前が致命的に覚えられないのと、洋風の
『スイス人銀行家の教え』本田健
本田健さんの『ユダヤ人大富豪の教え』『大富豪からの手紙』(本50)をかつて読んでいて、スイス人銀行家の話も出ていたので読んでみた。ルパン三世に出てくる知識くらいしか知らないがスイス銀行ってなんかすごい特別なんでしょう?
まず今回ショックだったのは『大富豪からの手紙』の内容をすっかり忘れているということ。片っ端から読んだ本の内容を忘れていくので、感想を書くことにしたが、それでも覚えていない。大富豪
『穂村弘の、こんなところで。』穂村弘
資生堂の季刊誌『花椿』に載っていたという穂村さんとゲストの対談。2016年の出版。写真撮影とペインティングはアラーキー。ゲストはユーミンや瑛太といった歌手、俳優、作家のほか、本の装丁を手掛ける名久井直子さん、美術史家の金沢百枝さん、女性棋士など。
先日、穂村さんの対談集『あの人に会いに 穂村弘対談集』(本87)を読んだのでどうしても比べてしまう。個人的には全員私が知っている対談相手と、深い話をし