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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co… もっと読む
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2019年3月の記事一覧

『きのう何食べた? 15巻』 よしながふみ

『きのう何食べた? 15巻』 よしながふみ

おうちでご飯を食べさせてもらうような関係のご夫婦の孫の入学祝いに何を贈るか、というシロさんが悩むところから始まる最新刊。料理好きで倹約家の弁護士シロさんと、お茶目な美容師ケンジとのアラフィフ男性カップルのごはんと生活のお話。4月から西島秀俊さんと内野聖陽さんのダブル主演でドラマ化。キャスティングそうきたかー!私はケンジがかわいくキャッキャするところが見たい。ジルベールは出るのかな。

しょっぱなの

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『声めぐり』齋藤陽道

『声めぐり』齋藤陽道

彼の文章を読むと「厚手のふわふわの、ピンクの毛布」を思い出す。毛足が長くて、ついスリスリしちゃいたくなるような毛布。そしてこれも思い出す。「柔突起(じゅうとっき)」。腸は栄養の吸収を高めるために、表面を多数のヒダにすることで表面積を増やす。何が言いたいかというと、「とてもなめらかで、情報量が多い」ということなんだけど。音が聞こえない夫婦の子育てについての『異なり記念日』(本79)に続き彼の本を読む

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『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』井川直子

『変わらない店 僕らが尊敬する昭和 東京編』井川直子

心にずしっとくる言葉が多くて、もう一度ふせんを貼りながらさらっと読もうと思ったら、用意していたふせんがなくなるほどだった。この本は若手料理人が敬愛する昭和の店を紹介する本。紹介されている昭和の店で行ったことがあるのは、渋谷の名曲喫茶ライオンと四ツ谷の支那そば屋 こうや。タピオカミルクとかインスタ映えのようなファッショナブルさはないけれど、絶対に決まった味と雰囲気があって、期待を裏切らないお店。私は

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『フィフティ・ピープル』チョン・セラン

『フィフティ・ピープル』チョン・セラン

わたし、この本好きだわ。いろんな意味で。韓国ソウル郊外を舞台に子供から老人、男女、色々な職業やライフスタイルの50人について、一人8ページくらいで綴られる。読み進めていくと、あの人とこの人が家族だったり、同僚だったり、同じ店に出入りしていたりすることがわかっていく。点が線になり、面になり、立体となっていく。暮らしや街の様子、時代が立ち上がってくる。

私は人の名前が致命的に覚えられないのと、洋風の

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『天下一の軽口男』木下昌輝

『天下一の軽口男』木下昌輝

切支丹の教えは仏教徒を救えない、仏教の教えは切支丹を救えない。でも「笑い」なら。開始22ページ目で、最初の男、落語家の祖ともいわれる安楽庵策伝の志にぐっとくる。

それから時間が経つ。大阪のある村に、子供たちを集めては面白い話をする男の子がいました。手習いの師匠や近所の人の物真似をし、周りを沸かせる彼は漬物屋の息子、彦八。「これやったら殴られるな」と思っても、ついつい面白いことを言って、げんこつを

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『霊能動物館』加門七海

『霊能動物館』加門七海

本屋で加門七海さんをみつけると「おっ!」と思う。同時に「怖くありませんように」と思う。私はオカルトや不思議な話、古代文明や妖精・天狗といったロマン・メルヘン系は好きだが、呪い・怨念とか怖いのは無理。場合によっては恐ろしいこともあるのだが、見えないものを見たりする感覚を持ちつつ、文献を徹底的に調べ、フィールドワークをする加門さんの本は面白い。江戸に張り巡らされた結界の時は地図に一つ一つマーキングして

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『スイス人銀行家の教え』本田健

『スイス人銀行家の教え』本田健

本田健さんの『ユダヤ人大富豪の教え』『大富豪からの手紙』(本50)をかつて読んでいて、スイス人銀行家の話も出ていたので読んでみた。ルパン三世に出てくる知識くらいしか知らないがスイス銀行ってなんかすごい特別なんでしょう?

まず今回ショックだったのは『大富豪からの手紙』の内容をすっかり忘れているということ。片っ端から読んだ本の内容を忘れていくので、感想を書くことにしたが、それでも覚えていない。大富豪

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『長い道』こうの史代

『長い道』こうの史代

酒場で酔った親がてきとうに決めて結婚することになった壮介と道。(時代は現代)壮介は女好きで仕事が続かない。一言で言えば、ろくでなし。道はぼんやりおおらかに生きている。『この世界の片隅に』のすずさんタイプ。2005年の発行で14刷。

壮介は本当にダメで、お金がなくなっては道にお金をせびるし、もっと派手な女がタイプなので道さんをぞんざいに扱う。道は悲壮になったり、怒り狂ったりせず、お財布を渡し、電灯

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『穂村弘の、こんなところで。』穂村弘

『穂村弘の、こんなところで。』穂村弘

資生堂の季刊誌『花椿』に載っていたという穂村さんとゲストの対談。2016年の出版。写真撮影とペインティングはアラーキー。ゲストはユーミンや瑛太といった歌手、俳優、作家のほか、本の装丁を手掛ける名久井直子さん、美術史家の金沢百枝さん、女性棋士など。

先日、穂村さんの対談集『あの人に会いに 穂村弘対談集』(本87)を読んだのでどうしても比べてしまう。個人的には全員私が知っている対談相手と、深い話をし

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