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「柳田國男を読む」シリーズ

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個人的偏向に基づいた柳田國男の論文読書録をまとめました。 スーパー利己主義的な動機でマガジンを組んでいます。
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#祭り

卑猥、悪口、歓喜、何でもあり?...失われし祖先の労働唄ー柳田國男を読む_09(「民謡覚書」「民謡の今と昔」)ー

卑猥、悪口、歓喜、何でもあり?...失われし祖先の労働唄ー柳田國男を読む_09(「民謡覚書」「民謡の今と昔」)ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より)

『柳田國男全集18』 ちくま文庫(1990)

序論 21世紀の今日、職場で音楽ないし歌曲が流れることもそう珍しいことではなくなってきています。しかし、ふと目を配ると大体は受動的であって、恭しく上司好みの歌曲を拝受するか()、世間で"流行歌"と見做されるものが垂れ流されているケースが大半のように思われます。
いずれにしても能動的にとなれば、勤務怠慢と

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昔の日本人の生活リズムとは?ー柳田國男を読む_04(「年中行事覚書」「新たなる太陽」)ー

昔の日本人の生活リズムとは?ー柳田國男を読む_04(「年中行事覚書」「新たなる太陽」)ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より)

『柳田國男全集16 』ちくま文庫(1990)

序論
 年中行事というのは、自然と我々の体内に生活リズムとして刻まれ、これを通してより強く四季折々の空気を感じ取ることができます。 

まさに人々の生活に欠かすことのできない生きた史料というものを柳田氏が見逃すはずはなく、見事喰らいついています。
柳田氏曰く、日頃からジャーナリズムが騒ぎ立てるような毎年

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そもそも日本の祭りとは何ぞ?ー柳田國男を読む_01(「日本の祭」)ー

そもそも日本の祭りとは何ぞ?ー柳田國男を読む_01(「日本の祭」)ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より)

「柳田國男全集13 」 ちくま文庫(1990)

序論 本日は、新たなシリーズものとして、柳田國男特集を組み、境界人という名の無学の偏愛家を少しでも賢くさせてあげようという至極利己主義的な企画を実施しようかなと思っております。

今回は第一回目ということになりますが、そもそも、何故柳田國男の特集を組んだかという需要なき動機について、一言述べさせて頂け

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