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まいにち、考える。

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日々の思考を書きとめるnote。
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#アート

「meiro」と呼ぶ声が聴こえ

「meiro」と呼ぶ声が聴こえ

原宿・VACANTで上映中の「帝国は今日も歌う」。現代美術作家、小泉明郎氏の映像作品である。

彼が幼い時に見た悪夢-父親がニワトリの餌に選ばれてしまい連れ去られるというシュールでショッキングな-が、現代の何とも言えない空気感と合わさり、静かに観客を圧倒していく。

怖くて息苦しい、でもそれはどこか穏やかに迫る。だから、ホラーが嫌いでもちゃんと見られる。最後まで目が離せなくなる。

作中で叫ばれる

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あこがれのひとについて(篠田桃紅さん)

あこがれのひとについて(篠田桃紅さん)

ある1枚のフライヤーに見とれたことがある。

それは原美術館の「朱よ」というタイトルの個展のもので、作家は篠田桃紅とあった。

書であり絵でもある作品を描く人のようだった。きれいな名前だな、と思った。

結局その展覧会には行けなかったのだが、その作風はいつまでも印象に残っており、心の片隅に存在し続けた。

その後、篠田さんは著書(「百歳の力」など)がヒットを記録しさらに有名になった。昨年の「あさイ

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ロンドン・ナショナル・ギャラリー展での意外な遭遇

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展での意外な遭遇

少し前の話になるが、上野の国立西洋美術館で開催されているロンドン・ナショナル・ギャラリー展へ行った。本当は春の開催だったけれど、夏〜秋に会期が変更されたもの。

目玉はこのポスターの通りゴッホの「ひまわり」なのだけれど、さすが由緒正しい美術館の展示だけあって、ラインナップが豪華だった。モネもルノワールもあるし、レンブラントやラトゥールなんかも揃ってる。さながら画家のオールスターゲーム。

私のお目

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時計以上の何か

時計以上の何か

「オーデマ ピゲ」の展覧会「時計以上の何か」へ。スイスの時計の名家、オーデマ家とピゲ家によって作られる時計はまばゆく、ただならぬ雰囲気を醸し出していた。先日見た森岡書店の砂時計もそうだけど、時間を測るためのものではない別の価値を有していて、興味深い。

ルミネアートフェアにて

ルミネアートフェアにて

新宿の昨日と今日のギャップに少々とまどいつつ、ブルックリンから来日中のアーティスト、リカルド・ゴンザレスのライブペインティングを鑑賞。

軽やかに文字を描き、にこやかにファンと交流する彼の姿を見て、やはり晴れをありがたく感じた。

それにしても、世の中には実に多様な表現がたくさんあって、飽きないでいられるから嬉しい。

13日の金曜日はパフェみたいな日

13日の金曜日はパフェみたいな日

「せかいいちのいちご」という絵本を読み、テーマの深さににやりとする。

「!真夏のサクランボは闇に輝く。ー浜口陽三 夏の銅版画展ー」にときめきまくる。

吉玉サキさんにインタビューする、というパフェのようにてんこ盛りな日でした(吉玉さん、ありがとうございました)。

刺繍世界へようこそ

刺繍世界へようこそ

取り置いていた本をピックアップしに行ったので、その足でスパイラルの手塚愛子さんの展示へ。織る人編む人は常に尊敬しているのですが、その中でも手塚さんの作品は好きでうっとりします。時間の許す限り、もっと見ていたかった。

ジュリアン・オピー

ジュリアン・オピー



ずっと行きたかったジュリアン・オピー展へ。居合わせた子供が、オピーの絵に顔がないのを怖がっていたのが印象的だった。大人にとっては、公園で観察をするように楽しめる空気感がありました。

人生の時間を考える

人生の時間を考える

「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime 」を国立新美術館に見に行った。見知らぬ人々の写真、服の山、心臓音で創り上げられた空間は、帰らぬ人たちとそこにいる生者が変わらないものだと教えるよう。ひかり飛び交う涼しさの中で、来し方とこの先に思いを馳せる。

自分の心の中を見た

自分の心の中を見た

美術作家クリスチャン・ポルタンスキーの「アニミタスⅡ」を見る。日本とイスラエルの死海で撮られた風にそよぐ風鈴の映像と、その前に配置された藁とドライフラワーの絨毯。荒涼として、どこか落ち着く光景は、まるで今の自分の心象風景のようで、しばらくその場から離れられなくなりました。

リュックにゴッホのピンバッジ

リュックにゴッホのピンバッジ

電車に乗り込んできた若い女性集団のうち1人が、黒いリュックにピンバッジをつけていた。ゴッホの有名な自画像のもの。独特の背景の部分がないからか、なんか可愛らしく見えた。

銀の世界に誘われて

銀の世界に誘われて

そういえば大好きな篠田桃紅さんの展示をやっているはずだ、と思い出し駆け込む。銀色に輝く大きな書画を見て、月に降り立つとこんな風に見えるだろうか、なんて考える。

ぜひもっと多くの人に、彼女の作品を知ってもらいたいので、過去記事を置いておきます。

コーネルの小宇宙

コーネルの小宇宙

DIC川村記念美術館の「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」展がしみじみ良く、また参考になった。ロマンティックな世界を閉じ込めた箱は、並べると大きなうねりとなり、鑑賞者の心と響き合う。「鳥たちの天空航法」など、タイトルも魅力的だった。

開催中のムーミン展、行って損なし

開催中のムーミン展、行って損なし

「ムーミン展っていっつもやってない?もういいよ」とお思いのそこのあなた。ここ数年のムーミン関連展示に行きまくった自分が、たった今太鼓判を押しましたので、ぜひ六本木森アーツギャラリーへ急ごう。個人的にはムーミンのオペラ!や劇周りの絵に感激し、羽海野チカ先生への影響力がいかに強いかもわかったので満足しかない。