一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

記事一覧

短歌と俳句 おみなえし

  おみなえし確かに在りし人の世の          更地の隅の90度哀し     人の住まなくなった家の荒廃のスピードは凄まじいものがあります。明日は我が身で…

短歌 ローゼル の花 

    せせらぎの音よローゼルは慕うらし       身をのり出してまだ遠き水面    せせらぎの音の心地よさに 初めて気づいたのは 若い頃 嵐山に泊まった時です…

俳句 秋の雲

  振り向けたレンズの外へ秋の雲   天上を雲のひと刷毛九月尽  祝福にも思える秋の空の雲 見上げたその時だけの雲の形 みぎわ(汀)にも似て 上下も左右もない感…

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杉浦非水 百花譜展  +短歌

俳句 蟄虫坏戸

   何か落つふり向く親子栗ひろい       薄日差す秋海棠の儚きに                   蟄虫坏戸(ちっちゅうこをはいす)七十二候     寒さ…

俳句  曼珠沙華

       茎みどり水べに映す曼珠沙華       妖かしの化身と見しぞ曼珠沙華             妖かし…あやかし  曼珠沙華は 茎の美しさが際立ちま…

短歌 猫じゃらし(狗尾草)

  叢の猫じゃらし皆尾に見えて        隠れて見えて夢の尾いくつ              叢…くさむら   夢の尾かチャンスのしっぽかわたしには     …

短歌 夏の別れ

  夕暮れる空立ちどまる気配せし         彼方の夏へ風の一瞥 ついに 夏も去りゆくか 雨続きの日の後の夕空は まことに複雑な様相です。

俳句  萩

   萩の雨白き流れへまた散りて    白萩の哀しき白や雨に散る    水路ぞいの白萩が散り おりからの雨に白い流れとなっていました。  雨音と流れの音が流れては…

短歌 惑う谷空木

   うちつづく異常気象よたにうつぎ        季失いて惑ひぬるかな               季…とき    梅雨ころの花ですが、散歩中 咲いているのを見…

俳句 雷乃収声 の頃

   竜胆のいろ母のいろ供花提げ    秋彼岸河原の石へ雨が降る    小豆洗うさらさら浜辺の音のする 秋分(しゅうぶん)二十四節気   彼岸の中日  古代中国…

訂正します
短歌 おじぎ草 に間違いがあります。
  鞠…まり  を削除し忘れました。
推敲前の 歌 でした。
 おじぎ草葉と葉の間隠れたる蕾の鞠のはじけたる
 お恥ずかしい すみません

短歌 おじぎ草

   おじぎ草月夜を眠る葉の間       花二つ三つはぜる花火よ                              間…あわい              …

アボカド観察日記⑤ 短歌

      朝な夕な物語るかにアボカドの          葉脈延びて葉の太りゆく 葉脈が少しずつ延びてゆくさまは、さながら 続いて終らぬ物語のようです。  葉も…

俳句と短歌 白粉花

   またあした別れしままよ白粉花    フェンスから 白粉花が顔をのぞかせ 散歩の足が止まります。  おしろい…という言葉 少女の時代には魔法のちからがありまし…

短歌 月

  古びたる身にまつわりしをうち捨てん           古びぬ月の光纏わん             纏わん…まとわん    気づかないうちに 築きあげた‘常識…

短歌と俳句 おみなえし

短歌と俳句 おみなえし

  おみなえし確かに在りし人の世の
         更地の隅の90度哀し   

 人の住まなくなった家の荒廃のスピードは凄まじいものがあります。明日は我が身です。
 生前の庭の花々も その土地の植生には敵わず 叢になる中を まるで主の意志のように女郎花が茎を伸ばしています。
 そろそろ咲いたか写真を と、出かけてみれば 更地になっていました。
       …………………
 
 秋の七草を 自

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短歌 ローゼル の花 

短歌 ローゼル の花 

 
  せせらぎの音よローゼルは慕うらし
      身をのり出してまだ遠き水面

 
 せせらぎの音の心地よさに 初めて気づいたのは 若い頃 嵐山に泊まった時です。夜に着いたので 辺りの様子も分からぬまま横になりました。まるで、せせらぎの上に寝ているように感じました。
 翌朝、早起きして辺りの探索に出てみますと、宿の直ぐ傍の細い清流が 想像以上の速さで流れていて、驚いたのを覚えています。

写真

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俳句 秋の雲

俳句 秋の雲

  振り向けたレンズの外へ秋の雲

  天上を雲のひと刷毛九月尽

 祝福にも思える秋の空の雲 見上げたその時だけの雲の形 みぎわ(汀)にも似て 上下も左右もない感覚を覚えます。
 あぁ ほんとうの秋が来た と思えた瞬間でした。小さな秋を探しても 探しても なかなか秋は来なかった 令和六年の 秋が 此処にも きました。遅い秋です…

俳句 蟄虫坏戸

俳句 蟄虫坏戸

   何か落つふり向く親子栗ひろい

  

   薄日差す秋海棠の儚きに
          

     
 蟄虫坏戸(ちっちゅうこをはいす)七十二候
    寒さを恐れ、虫が地中に姿を隠す頃

写真は 秋海棠 と 栗 (墨彩画)
七十二候の言葉に俳句と絵を合わせることに挑戦中(50/72)

 栗は 落ちると音がします。草の上に ぽとり でもない ぼさっ でもない表せない音で 落ちます。栗ひ

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俳句  曼珠沙華

俳句  曼珠沙華

   
   茎みどり水べに映す曼珠沙華

  

   妖かしの化身と見しぞ曼珠沙華

            妖かし…あやかし

 曼珠沙華は 茎の美しさが際立ちます。群生していると圧倒されます。葉が無い、不思議な姿です。
 それにしても 次第に水辺の縁へと にじり寄り その美しい立ち姿を 水鏡に映し うっとりしたいに違いありません。考え過ぎでしょうか。
 すらりと伸びる長い茎にいきなり あで

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短歌 猫じゃらし(狗尾草)

短歌 猫じゃらし(狗尾草)

  叢の猫じゃらし皆尾に見えて
       隠れて見えて夢の尾いくつ

             叢…くさむら

  夢の尾かチャンスのしっぽかわたしには
       どちらも狗の尾にはかなわぬ
   
               狗…いぬ

   

 エノコログサを猫じゃらしとは また改めて口にしてみると 可笑しみのある名前です。
 ユーモラスな姿の草は いつ見ても しっぽです。 名前ど

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短歌 夏の別れ

短歌 夏の別れ

  夕暮れる空立ちどまる気配せし
        彼方の夏へ風の一瞥

ついに 夏も去りゆくか 雨続きの日の後の夕空は まことに複雑な様相です。

俳句  萩

俳句  萩

   萩の雨白き流れへまた散りて

   白萩の哀しき白や雨に散る

 
 水路ぞいの白萩が散り おりからの雨に白い流れとなっていました。
 雨音と流れの音が流れては かたどるように萩も流れ去ります

短歌 惑う谷空木

短歌 惑う谷空木

   うちつづく異常気象よたにうつぎ
       季失いて惑ひぬるかな

              季…とき

 
 梅雨ころの花ですが、散歩中 咲いているのを見つけ、驚きました。
 激しい暑さや大雨は もう毎年になるのでしょうか…
 植物が異変を来たすくらいです。人間も 疲労が溜まっています。その上災害に遭われたりしたら… 繰り返し同じ場所を襲う災害 言葉を失い茫然とします…我が身に起きて耐

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俳句 雷乃収声 の頃

俳句 雷乃収声 の頃

   竜胆のいろ母のいろ供花提げ

   秋彼岸河原の石へ雨が降る

   小豆洗うさらさら浜辺の音のする

秋分(しゅうぶん)二十四節気
  彼岸の中日  古代中国では「龍淵に潜む」
  と説かれた この日より夜が長くなる
雷乃収声(らいすなわちこえをおさむ)七十二候
    この頃より雷が鳴らなくなる

写真は 秋の和菓子に芭蕉の句「あかあかと日は  つれなくもあきの風」 と りんどう(墨彩画

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訂正します
短歌 おじぎ草 に間違いがあります。
  鞠…まり  を削除し忘れました。
推敲前の 歌 でした。
 おじぎ草葉と葉の間隠れたる蕾の鞠のはじけたる
 お恥ずかしい すみません

短歌 おじぎ草

短歌 おじぎ草

   おじぎ草月夜を眠る葉の間
      花二つ三つはぜる花火よ
              
              間…あわい
              鞠…まり

おじぎ草の花が咲き始めました。
夜 月を観に庭へ出ると 葉は閉じています。なるほど眠り草とも言われるわけです。
 苗を分けた先の方からも 咲いたよ の声が届き 安心しました。葉書に「老いの一人暮らしの話し相手をしてくれてい

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アボカド観察日記⑤ 短歌

アボカド観察日記⑤ 短歌

  
   朝な夕な物語るかにアボカドの
         葉脈延びて葉の太りゆく

葉脈が少しずつ延びてゆくさまは、さながら 続いて終らぬ物語のようです。

 葉も育ち そろそろ 土に植え替える頃らしいです。次なる難関は 冬越しとのことです。(グーグル先生によると)
 その前に 水から土へ変わるのは 大丈夫なのか 気になるところです。見守ることにします。

       
  
 

俳句と短歌 白粉花

俳句と短歌 白粉花

   またあした別れしままよ白粉花

 
 フェンスから 白粉花が顔をのぞかせ 散歩の足が止まります。
 おしろい…という言葉 少女の時代には魔法のちからがありました。あの日白粉花で遊んだ友だち またあしたね と言って別れたままのような そんなことを思い出す花です。
 其々 御縁の処へ みな散り散り よく遊んだあの子はどうしているでしょう…

      ・・・・・・・
  
  
  白粉花 月

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短歌 月

短歌 月

  古びたる身にまつわりしをうち捨てん
          古びぬ月の光纏わん
            纏わん…まとわん

 
 気づかないうちに 築きあげた‘常識’のおそろしいこと。
 若い人や多くの方の現在地を知らせてくれる作品を拝読して はっとするのです。
 
写真は 昨夜の 月