一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

記事一覧

俳句 薔薇(蚯蚓出の頃)                  

  薔薇の名を呼ぶ名を咲くや‘’プリンセス‘’   物語秘めてゆるみし薔薇の赤   わたしをみて薔薇ふくざつに巻く襞よ             襞(ひだ)    …

俳句 風の駅

   熟れ麦の薫るや風の駅無人    麦熟れて揺れる畠は風まかせ    昔、初めてこの駅に降りた時 遥か先まで見渡せました。駅の側にタクシー屋さんが一軒あるばか…

短歌 進化するアプリ

   新しいアプリ血流心拍数      見えない愛の見える化いつか    自律神経を測るアプリが開発されたらしい。 カメラに指を30秒当てると、自律神経の状態が数…

短歌 みどりの指

  一日をねぎらう今日の一冊の        少年チトよみどりのゆびの   庭仕事をしている間は、いろんな考えが廻ります。green fingers が 草木を上手に育てる人…

短歌  新樹

   伸びようとする枝切れば木の飛ばす            命のしぶき髪に纒わる        纒わる まつわる (まとわりつく)      この時期 木々は特に…

俳句  立夏  (蛙始鳴)

   初夏の空ゆっくりと飛行機雲    若葉風木の天辺の空も揺れ    一滴が落ちきるまでを待つ新茶  蛙始鳴(かえるはじめてなく)七十二候      田野のカ…

自選俳句 春分から穀雨

  人の子も蜂も巣分かれ日の中を   春の日を一匙掬う粥の白   麦青む風雨貫く背すじ見せ   菜種梅雨紙漉くように窓流る   街燈の音なく消ゆる春暁や   網籠の…

短歌 アイビー

  延びすぎたアイビーを刈る捨てた枝         拾う矛盾を一人笑いつ 昨日は草刈りや伸びた木の剪定をして一日がすぎました。  せっかく刈ったのに ついつい …

短歌 花降る(二月〜四月)

  夕さりて池も朧や影ひとつ      雲間の月に寝転ぶ「SLIM」    (月面探査機SLIM)   細胞の破壊と再生その間       …

短歌 白詰草

   摘み取りし白詰草の根の白し        大匙一の水に甘んじ    雨の朝です ふと見ると白詰草から根がでています 予期せぬ嬉しい贈り物を貰ったような  広…

俳句 牡丹華の頃

    朧夜の光跡坂道下りゆく     春惜しむレモンサワーの泡いくつ     四月尽名もなき山も濃くなりて   牡丹華(ぼたんはなさく)七十二候      牡…

短歌  影絵

    言葉には噓と感情潜り込み           影絵のきつね息をしている  言葉は そもそも曖昧で 人は 受け取りたい部分を受取る気がします。  手の作る影…

短歌  二心

  偉業への献身虚しふたごころ       人間という悲しき者よ   哲学は悪も善だと説くけれど       消えない凝り抱えたままで         一人の人間…

短歌  噓の温度

   温かき噓の温度よ珈琲は        砂糖ミルクも無しで頂く          たまゆら 行きずりの人の心憎い言葉に 心晴れることがあります。今なら 即座に…

俳句  真昼時

    桐落花ポトリ 寺の真昼時     終りなき巡りの今や花は葉に  高い所に咲く桐の花は ポトリと落ちて来るその音と 落ちてきた花の大きさに驚きます。今 葉…

俳句  霜止出苗の頃

   脱帽ですそのままアート葱坊主    そら豆のさや寝袋にしてみたき    霜止出苗(しもやんでなえいず)七十二候      温暖になって霜はなく、苗が青葉を …

俳句 薔薇(蚯蚓出の頃)                  

俳句 薔薇(蚯蚓出の頃)                  

  薔薇の名を呼ぶ名を咲くや‘’プリンセス‘’

  物語秘めてゆるみし薔薇の赤

  わたしをみて薔薇ふくざつに巻く襞よ
            襞(ひだ)
             

  蚯蚓出(きゅういんいずる)七十二候
    ミミズが地上に現れ始める頃
 蚯蚓がミミズとは、何かと思い調べると
体を引いて通ったあとが丘のようになるから、 とありました。

薔薇には様々な名前がつけられ、ど

もっとみる
俳句 風の駅

俳句 風の駅

   熟れ麦の薫るや風の駅無人

   麦熟れて揺れる畠は風まかせ

 
 昔、初めてこの駅に降りた時 遥か先まで見渡せました。駅の側にタクシー屋さんが一軒あるばかりで、一面の麦畠です。
 今は駅の周辺に家々が立ち並んでいますが、それでも、線路を挟んで麦畠が広がり、この時期は麦刈りのコンバインの音が遠く近く重なり合い、そこへ踏切の警笛と、電車が来て 音の景色が楽しめます。

短歌 進化するアプリ

短歌 進化するアプリ

   新しいアプリ血流心拍数
     見えない愛の見える化いつか

 
 自律神経を測るアプリが開発されたらしい。
カメラに指を30秒当てると、自律神経の状態が数値化されて表示 改善の方法をアドバイスしてくれる というもの。
 妄想のスイッチが入ります。
そのうち、カメラに額を押しあてると、前頭葉の血流を読み取り アナタの知的活性度は… 。
これは面白くない。 喜怒哀楽の数値化。から 怒り予報に

もっとみる
短歌 みどりの指

短歌 みどりの指

  一日をねぎらう今日の一冊の
       少年チトよみどりのゆびの

  庭仕事をしている間は、いろんな考えが廻ります。green fingers が 草木を上手に育てる人のことを表すと知った時、なんて素敵な表現だろうと感動しました。緑の指を持つ人。
 少年チトは いつも自分に何ができるか考えています。親指でふれたら種は芽をだし、花が咲く不思議な自分のちから。特別なみどりの指を持つ自分。そこで

もっとみる
短歌  新樹

短歌  新樹

   伸びようとする枝切れば木の飛ばす  
         命のしぶき髪に纒わる

   
   纒わる まつわる (まとわりつく)
 
 
 この時期 木々は特に雨の後 勢いよく伸びて
油断すると ジャングルになります。これから梅雨が終わるまで、晴れたら切るを繰返します。
 木を切ると花粉を浴びたような感じになります。油分を含んだ微粒子が髪や衣服にまとわりつきます。若葉の浅い緑の透き通る柔らか

もっとみる
俳句     立夏  (蛙始鳴)

俳句  立夏  (蛙始鳴)

   初夏の空ゆっくりと飛行機雲

   若葉風木の天辺の空も揺れ

   一滴が落ちきるまでを待つ新茶

 蛙始鳴(かえるはじめてなく)七十二候
     田野のカエルが鳴き始める頃

 新緑が沸き立つような眩しさで勢いを増し、
生命の力強さに励まされるような気がします。
さあ新しく始めるのだと言われているようです。

 日常のことで、ついぞんざいに茶を淹れてしまうのに、新茶を淹れる時ばかりは 

もっとみる
自選俳句 春分から穀雨

自選俳句 春分から穀雨

  人の子も蜂も巣分かれ日の中を
  春の日を一匙掬う粥の白
  麦青む風雨貫く背すじ見せ
  菜種梅雨紙漉くように窓流る
  街燈の音なく消ゆる春暁や
  網籠の桜鯛の眼の海よ
  魚の棚さより水平線より来
  春雷や街はまるごと縮んだか

  花影の辻󠄀を護るや幾世代
  揚げ雲雀この空今は君のもの
  蔦若葉日を吸うて吐き発光す
  十薬は匂いの使者を先ず寄越し
  よぎる香や青麦の熟れ始

もっとみる
短歌 アイビー

短歌 アイビー

  延びすぎたアイビーを刈る捨てた枝
        拾う矛盾を一人笑いつ

昨日は草刈りや伸びた木の剪定をして一日がすぎました。
 せっかく刈ったのに ついつい 枝ぶりの良いのを拾いあげては 活けていると 強健なものは根がでます。困りものです。よせばいいのに。

 好きな俳句に 河東碧梧桐の
   さくら活けた花屑の中から一枝拾う
という句があります。この一枝拾う 動作をして
碧梧桐の気持ちにな

もっとみる
短歌 花降る(二月〜四月)

短歌 花降る(二月〜四月)

  夕さりて池も朧や影ひとつ
     雲間の月に寝転ぶ「SLIM」
   (月面探査機SLIM)

  細胞の破壊と再生その間
      魂の音生まれ続ける

  同じ木にまた新しき花の咲く
      友の本音も上書きされて
 
  朧夜に白木蓮のにじみたる
      風も尋ねんものや思うと
           (まひろを想い

もっとみる
短歌 白詰草

短歌 白詰草

   摘み取りし白詰草の根の白し
       大匙一の水に甘んじ

 
 雨の朝です ふと見ると白詰草から根がでています 予期せぬ嬉しい贈り物を貰ったような
 広がりすぎたクローバーを刈取り 数本を水にさしていただけなのに
 捨てる寸前の小さいグラスの僅かな水に

俳句 牡丹華の頃

俳句 牡丹華の頃

    朧夜の光跡坂道下りゆく

    春惜しむレモンサワーの泡いくつ

    四月尽名もなき山も濃くなりて

  牡丹華(ぼたんはなさく)七十二候
     牡丹の花が咲き始める頃

四月尽です。波乱の天候に此方では牡丹は散ってしまいましたが、菖蒲が咲き始めています。日本の何処かでは 牡丹が今まさに開いているかもしれません
標高の高い山では藤だより 
いずれにしても 牡丹は春に別れを告げる花

もっとみる
短歌  影絵

短歌  影絵

    言葉には噓と感情潜り込み  
        影絵のきつね息をしている

 言葉は そもそも曖昧で 人は 受け取りたい部分を受取る気がします。
 手の作る影の不思議 影絵から物語もうまれそうです。
 
写真は ジャスミンの花
    辺りに甘い匂いを放っています
    茉莉花とも
    

 
 
 
 
          

           
    
 

 

     

もっとみる
短歌  二心

短歌  二心

  偉業への献身虚しふたごころ
      人間という悲しき者よ

  哲学は悪も善だと説くけれど
      消えない凝り抱えたままで
      

 一人の人間の身に起きた 同時進行の善行と悪行という出来事を消化できずにいます。
 説明できないことが起きるのが人生かもしれませんが。生きているのは もうそれだけで、毎日 別誂えのトラップの上を歩くようなものかもしれません。それにしても と、堂々

もっとみる
短歌  噓の温度

短歌  噓の温度

   温かき噓の温度よ珈琲は
       砂糖ミルクも無しで頂く
       

 たまゆら 行きずりの人の心憎い言葉に 心晴れることがあります。今なら 即座にメモし、短歌か俳句に詠むでしょうに。
 言葉は忘れても、その時の温かさは覚ていて、時折 ふいにその感情を思い出します。その時
ぁぁ、嘘にも温度がある と感じたことを。

写真は ジャコウソウ

俳句  真昼時

俳句  真昼時

    桐落花ポトリ 寺の真昼時

    終りなき巡りの今や花は葉に

 高い所に咲く桐の花は ポトリと落ちて来るその音と 落ちてきた花の大きさに驚きます。今 葉桜のとなりで桐の花が お寺詣りの人に憩いの陰をつくってくれています。このお寺は街中にあり、ブックマルシェ(本の日 4月23日前後に開かれる本のお祭り)の帰りによく寄るお寺です。

 そのブックマルシェが今年は開催されず、そういえば昨年 

もっとみる
俳句  霜止出苗の頃

俳句  霜止出苗の頃

   脱帽ですそのままアート葱坊主

   そら豆のさや寝袋にしてみたき

 
 霜止出苗(しもやんでなえいず)七十二候
     温暖になって霜はなく、苗が青葉を
     出す頃

写真の絵は 筆者によるものです
     絹さやの花 と そら豆
七十二候の言葉に 墨彩画と俳句を合わせることに挑戦しています(只今20/72)