一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

最近の記事

短歌  噓の温度

   温かき噓の温度よ珈琲は        砂糖ミルクも無しで頂く          たまゆら 行きずりの人の心憎い言葉に 心晴れることがあります。今なら 即座にメモし、短歌か俳句に詠むでしょうに。  言葉は忘れても、その時の温かさは覚ていて、時折 ふいにその感情を思い出します。その時 ぁぁ、嘘にも温度がある と感じたことを。 写真は ジャコウソウ

    • 俳句  真昼時

          桐落花ポトリ 寺の真昼時     終りなき巡りの今や花は葉に  高い所に咲く桐の花は ポトリと落ちて来るその音と 落ちてきた花の大きさに驚きます。今 葉桜のとなりで桐の花が お寺詣りの人に憩いの陰をつくってくれています。このお寺は街中にあり、ブックマルシェ(本の日 4月23日前後に開かれる本のお祭り)の帰りによく寄るお寺です。  そのブックマルシェが今年は開催されず、そういえば昨年 開催場所を探しているけれど 見つからないと話されていたことを思い出しました。雨の

      • 俳句  霜止出苗の頃

           脱帽ですそのままアート葱坊主    そら豆のさや寝袋にしてみたき    霜止出苗(しもやんでなえいず)七十二候      温暖になって霜はなく、苗が青葉を      出す頃 写真の絵は 筆者によるものです      絹さやの花 と そら豆 七十二候の言葉に 墨彩画と俳句を合わせることに挑戦しています(只今20/72)       

        • 俳句  牡丹寺

              鶯の近し山寺巡るバス     明日は明日牡丹開く今日の良き     白牡丹人の穢れを吸うて白    牡丹の花は 4月末の「牡丹華」(ぼたんはなさく)の日を待たず もう終わりかけていました。 山が深くなるにつれ 雨催い 雨にまた花が傷むでしょうか。  牡丹は栽培方法で、冬に咲かせたりして寒牡丹という季語もあるくらいです。華やかな大輪は人の心を惹きつけるのでしょう。  紅い系統や黄色い花が多く 白は少ないようです。雨に打たれて咲く白は 殊更目を惹き 花盛りを過ぎた雨

          短歌  空欄

             不確かな記憶増やしている日記         空欄みつけほっとしている    日記をつけ始めて思うことがあります。誰も読まないのに 書いてる自分が読み返すので 自分に何だかカッコつけてるのです。何と滑稽  書いたそばから 不確かになっていくような不思議に 囚われています。  面白いので 続いています。昨年末に五年日記をプレゼントされました。未だに 何故と思います。  明日はいつも空欄  そこが良さ です。                               

          短歌  姉弟  

            カタカタと姉おとうとのランドセル        縦にならんで行く春を行く     麦が好きです   近所の子が一年生になり 朝 お姉さんの厳しめの先導に 普段のやんちゃぶりを封印して 神妙に後を行きます  麦の成長と重なり涙腺ゆるむ春です 成長を しみじみ祝いたいと感じます 写真は 大麦畠      麦は熟れはじめると早く 晴れて黄金色                        に輝く頃 芳しい香りが肺を満たします

          短歌  姉弟  

          俳句  初燕

              頭上注意飛燕知らせる札かかる     去年の巣覚えていたかツバメ来る    見上げれば、また随分高い処に巣を作っている様子 産直市場の外壁です。 柱の陰で燕を待ちます 何方から来るかわからないので、カメラを巣にあわせて 待ちます。  せっせと泥を運ぶ燕 何故こうも惹きつけられるのでしようか  朝から雨が降っています  雨の似合う燕               

          短歌 つちふる

              雑巾を濯ぐ水にはゴビの砂        はるばる此処でまた土へ    黄砂が続きました。車を洗うバケツの中で もやもやと細かな砂が浮きます。  ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠から来たかと思うと 厄介だけではない感情がわき起こります。  黄砂の夜 月はどのように見えるかとスマホのレンズを向けましたが、肉眼で見たようには撮れません。昨夜の月は ぼうっと紗がかかったようでした。  月の砂漠をはるばると  口ずさむ夜でした。       

            短歌写真より    小手毬の毬の連なりそのひとつ       ひとつが明日へ明日へ繋がる             

            短歌写真より    小手毬の毬の連なりそのひとつ       ひとつが明日へ明日へ繋がる             

          俳句  育つ

            よぎる香や青麦の熟れ始まりぬ   登校の子ら見え隠れ麦青む   青麦の伸びて一年生が行く  穀雨(こくう)春の雨が田畑を潤し 穀物の成      長を助ける  二十四節気  葭始生(よしはじめてしょうず)七十二候      ヨシ アシ が芽を出し始める頃    麦が 育っています。風に乗って 時折 香りが来ます。穂先がぼうっと黄を帯びた麦畠の向こうを 登校の小学生の列が行きます。新一年生に高学年が付き添い並んでいるのでしょうか。頭の凸凹の行進です。  葭はヨシズと

          俳句 いつか花見る人も

             十薬は匂いの使者を先ず寄越し    坂道の縁を踊るよ踊り子草      十薬(ドクダミ)は ほんの小さな葉が地面にへばり付いている頃から それと気付かず触れただけで あの独特の匂いを発します。あら、何処と探すと下草に隠れた若い葉をみつけました。  漢方薬で売られているくらい 役に立つ薬草  坂道の途中 道の縁に踊り子草が群生している場所があります。昔 この坂道の上に小さなアトリエがありました。その画家の方が植えられたのでしょうか。 主亡き後も 花は代変わりしつつこ

          俳句 いつか花見る人も

          短歌 母子草

               今年また同じ処に母子草         母とは別の無念を吾も      雨後の草丈の成長と追いかけっこです。牧野博士に習い 名前の無い草はありません 雑草という草もありません と、全ての草の生命を見届けるというわけにもいかず 草引きます。  母子草は抜くのがためらわれます。愛らしいのです。わざわざ育てましたが、後々大変なことになりました。繁殖力強めです。      写真は タニウツギ     今年は花が早くて驚いています     

          短歌 オルゴール

            オルゴール螺子巻く昼の静かさを      ゼンマイゆっくりほどけて眠る    プレゼントにオルゴールを贈り贈られ いくつも残っています。大事にしていたものに限って鳴らなくなります。  時々 鳴らしてみます。物憂げなオルゴールの音色は眠気をさそいます。 写真は ブルーベリーの花     今は 蜜蜂が大忙し

          短歌 オルゴール

          短歌  蝶

             葉陰より花へ移りし蝶を追う       蝶の軌跡に数式ありや    蝶は上下をくり返しながら進みさらに左右へと 揺れるような複雑な飛翔で、私は眩惑されます。 この複雑な飛翔も数式で表わせるかもしれない、 博士なら。   蝶が飛ぶのをスマホのカメラで追いながら ふと 随分前に読んだ「博士の愛した数式」の世界を思い出しています。  午後から雨になりました。

          俳句 虹始見の頃

             揚げ雲雀この空今は君のもの    蔦若葉日を吸うて吐き発光す    もう少し暮色を行かん遠柳      虹始見(七十二候)にじはじめてあらわる      冬にはなかった虹が現れ始める頃  春の虹はまだ見ていません。 虹はいつも忽然と現れ足が止まります。 古代の人の目に虹はどんなふうに映ったでしょうか。今より澄んだ空気の中で 今よりずっと広い空に 美しくくっきりとかかる虹を。  虹の色を思わせるアイリスが静かにさいています。 写真の絵は アイリス と アヤメの

          俳句 虹始見の頃

          短歌 花を去る

             風無きに花のひとひら夕影を       去る人の背へまたひとひら    さざめきつ散りゆく花のひとひらは        旅ゆく人の道祖神なれ  夜桜までには少し間があるころ 昼間の花見客はそろそろ帰り支度。旅の途中らしい人は大きなリュックを背負い 花のさざめきの如き若いグループもお開きに。帰るところ、行くところ それぞれの場所へ。    また来年 桜に会えますように    道中無事でありますように