一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

一人俳句ときどき短歌

一人俳句と短歌に挑戦を始めた 70歳目前の焦りの日常の とりとめのない 独り言

最近の記事

俳句 桐始結花 の頃

   深呼吸して大暑の気呑んでいる    その話呑めぬ水羊羹するり  大暑(たいしょ)二十四節気    暑気が極みに達する   桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)七十二候      キリの花が結実して固い実がなり始め      る頃 写真は 風鈴 と 朝顔(墨彩画) 七十二候の言葉に俳句と絵を合わせる挑戦を続行中(37/72)        ・・・・・・・    連日のあまりの暑さに食料調達の他は外出もせず、家ごもりです。  水羊羹は 好物ですが、これを食べると い

    • 短歌 夏の月

       鎮まれる夜の風涼し頬なでて       月や誰かの恋を聴くらん    夜も更けて さて戸締まりを… と、窓から明るい月の光が。 思わず外へ出てみると、思いの外 涼しいではありませんか…  良い月です。  七月の満月を バックムーンと名付けて外つ国の古人も見上げた月は 今見上げる自分へと繋がっている と思うと 得も言われぬ安堵が生まれます。  …………まぁ、多少のことは いいではないか  悩みなど 宇宙の塵の上の塵  見えもせん……… と 月の声聴く夜 です

      • 短歌 朝顔の朝

           前カゴの朝顔ゆらり自転車を        押して親子の笑顔も揺れて  夏休み前に持ち帰ったらしい朝顔の鉢を自転車に乗せて 顔見知りの親子さんが歩いていきます。   ………朝顔きれいですね 今日も暑いですね 施設にいる おばあちゃんに見せるというものだから… 行ってきます   ………まあ それは 喜ばれますね      はっとして 一瞬 暑さを忘れ     私にも 幸せな朝が きました        朝顔の朝    

        • 短歌 アボカド観察①

            玉の種割れて白き根を出しぬ       アボカドは今スタートを切る   アボカドはそもクスノキ科大木も       初めは白き根の壱センチ    俵万智もすなるアボカド育て をせんとて 種を水に浮かべて待つこと二週間。毎日水を替え 観察を続けました。  三日前から 種に亀裂が入り始め だんだん広がり発根しました。調べると、そう簡単に成長するわけでもないらしいのです。見守りたいと思います。    

        俳句 桐始結花 の頃

          短歌 自撰(五月〜六月)

            延びすぎたアイビーを刈る捨てた枝         拾う矛盾を一人笑いつ   新しいアプリ血流心拍数        見えない愛の見える化いつか   影ひとつ持ち歩く道石畳        明暗ゆるく振り向く犬の   古葉書かたむく文字の零れ落つ        置き去りにした友情ひとつ   竹箒シャラシャラ道の夏落ち葉        過去現在の絡まりを掃く   蜻蛉よその透明な翅のよな        ころも欲しくてシアー纏うよ   ドビュッシー聴く土曜日の朝トマト

          短歌 自撰(五月〜六月)

          俳句 初蝉 

            初蝉や一斉に声降りそそぎ   季至り吾呼びたるか今朝の蝉         季(とき)   空蝉の眼はまだ乾ききらず在り    朝 今年始めて蝉の声を聞きました。 なるほど、ネットに蝉の脱け殻。しかも、まだ乾ききっていません。  脱け殻の蝉と眼が合いました。  蝉の 梅雨明け宣言です

          俳句 自撰(立夏〜芒種)

            一滴が落ちきるまでを待つ新茶   熟れ麦の香るや風の駅無人   わたしをみて薔薇複雑に巻く襞よ   百十で驟雨なわとびの子へ犬へ   爪たてて枇杷剥くピリリ人恋し   青天へ枇杷の大木君は君   雨宿りクレープの抱く夏みかん   旗竿に動かぬ蜻蛉風をよみ   入り乱るあめんぼ空へ躍りでる   思案の脚をかすめ飛燕の去りし方   紫陽花のブルー溶けだし夕暮るる   夕暮の路地風鈴の鳴るばかり   青田風揺らす水面の自転車よ   茎みどりするする伸び

          俳句 自撰(立夏〜芒種)

          〘枯れ紫陽花の写真へ〙   枯れながら尚花ならん紫陽花は   紫陽花は立ち尽すかに恋めやも 短歌と短歌写真の投稿より 紫陽花への愛に眼を開かされ 俳句が生まれました。 花は 愛でる人に 詩心を返してくれるのかもしれません。

          〘枯れ紫陽花の写真へ〙   枯れながら尚花ならん紫陽花は   紫陽花は立ち尽すかに恋めやも 短歌と短歌写真の投稿より 紫陽花への愛に眼を開かされ 俳句が生まれました。 花は 愛でる人に 詩心を返してくれるのかもしれません。

          俳句 鷹乃学習 の頃

               炎昼や無人の街路陰の息      待ちぼうけ氷珈琲溶けて鳴り    鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)七十二  候   タカの幼鳥が飛ぶことを覚える頃 写真の絵は筆者によるものです  ハイビスカス(墨彩画) と 木立ベゴニア(こちらは水彩画) 七十二候の言葉に俳句と絵を合わせることに挑戦中(36/72)  日盛りの街は 人通りもまばら、暑さにたまりかねて ビルの陰に身を寄せ 息を整えます。 再び日差しの中に出る時は 〈いざ〉と劇画のセリフのような気合をいれ

          俳句 鷹乃学習 の頃

          短歌 恋は別れ?

           “二十二歳の別れ”耳そばだてて息詰めて          ラヂオの前の吾恋初めし    この歌といい “神田川”といい、当時少し大人の 別れの歌に揺さぶられ 映画のような恋に憧れた日の 何と懐かしく 思い出した今も心に風吹く思いです。  少し前、投稿されていた記事に 陽水“心もよう” と 風“二十二才の別れ” を聴ける窓がついていました。しみじみと有り難く聴きました。  むかし ラジオにリクエストして ハガキが読まれ かけてもらえた曲でした。思い出の引出しが 何十年ぶりか

          短歌 恋は別れ?

          短歌 鳩尾(みぞおち)

            ふつふつと沸き出す感情みぞおちの       辺りどうして頭じゃなくて                感動すると、胸が熱くなり 次第に鳩尾の辺りが温かくなります。 映画を視ている時に顕著です。  素晴らしい音楽や 景色 に感動すると 始めに鳥肌が立ち 暫くすると 鳩尾がじんわり温かいのです。  あくまでも個人的な感覚です。  毎朝 家事を終えて noteを開き 投稿記事を読む時間が 新聞を読む時間をじわりと上回り始めています。            

          短歌 鳩尾(みぞおち)

          短歌 解らないまま

            解らないところは暫くおいておく         人生訓のような数学         むかし、数学の先生は よくそう言っていました。無理に解こうとしない とも。  そんな言葉が、ふいに記憶の底から顔をだします。急いで答えをだそうとしたら、間違えるよ とか。大事なのは、考え続けることだ その過程だよ… と。  今頃 思い出して腑に落ちている劣等生です。  写真は 散歩コースにある畠です。ハウスにそって並ぶヒマワリが 音符のようです。全体が楽譜に見えます。ヒマワリたちが歌っ

          短歌 解らないまま

          短歌 雨の朝

            雨の朝“陽水”を聴くあの日への       梯子降りゆく否昇りゆく  陽水のLIVEを初めて見た二十歳、陽水も若く、その名が知られはじめた頃です。モシャモシャヘアが英国の衛兵のようでした。歌いはじめた途端 あの歌詞 あの声… 雷に撃たれたとはこのこと という体験です。 ただただ 全身を囚えられたまま LIVEの終わりの記憶がありません。熱狂の中、電車でも30分の距離をひたすら歩いて帰りました。  雨の朝 そんなことを 思い出しました    写真は ガマズミ  雨の合間

          俳句 蓮始華 の頃

              蓮はなの朝の芳撮らんとし           芳(かんばせ)            蓮はなの散りて花托の現るる           花托(かたく)       蓮始華(はすはじめてはなさく)七十二候     ハスの花が咲き始める頃 写真の絵は 蓮 と 凌霄花(ノウゼンカズラ) 七十二候の言葉に俳句と絵(墨彩画)を合わせることに挑戦中(35/72)  近くに蓮田があります。晴れた朝早いうちに見にいきます。ここの花は純白、空には早起きのヒヨが鳴き交わしています。エサ

          俳句 蓮始華 の頃

          俳句 雷

            いかづちや夜を照らして百鬼在り   はたた神覚めても止まず雨の朝                   いかづち・はたた神 (雷)    昨夜から大雨です。夜中 稲妻というよりは、空全体が一瞬明るくなるような光でした。その度に飛び起きるくらいの光。障子の桟が かっと浮かび上がり おどろおどろしい。  朝になっても 雨は 一層激しいです。  稲妻 雷親父 どちらがより 怖い 強い 恐い( こわい )のでしょうか。 当てられた漢字に 可笑しみを感じます。 はたた神 は、は

          俳句 冷酒とかき氷

             墓石の灼けて友や暑からん    約束の墓参の後の冷酒かな    偲びつつ呑みし後にはかき氷    もう十三年になります。以前から顔見知りではありましたが、親しく口をきくようになったのは、親友の葬儀からでした。  思えば、親友が引き合せてくれたようなものです。いつからか、彼女と時折 親友のお墓参りに行くようになりました。  命日というわけではないのですが、共通の思い出が 夏に振る舞われた冷酒でした。何となく、私達固有の歳時記のように そろそろか と墓参りに出かけます

          俳句 冷酒とかき氷