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俳句 冷酒とかき氷

   墓石の灼けて友や暑からん

   約束の墓参の後の冷酒かな

   偲びつつ呑みし後にはかき氷

 
 もう十三年になります。以前から顔見知りではありましたが、親しく口をきくようになったのは、親友の葬儀からでした。
 思えば、親友が引き合せてくれたようなものです。いつからか、彼女と時折 親友のお墓参りに行くようになりました。
 命日というわけではないのですが、共通の思い出が 夏に振る舞われた冷酒でした。何となく、私達固有の歳時記のように そろそろか と墓参りに出かけます。
 それから まだ日の高いうちから…と気が引けながらも、互いに主婦としては 忙しくなる夕刻前に友を偲んで というのが習わしになりました。
 二人とも、冷酒の後はかき氷です。はみ出した世界から通常に戻る梯子のような かき氷です。 
村上春樹「1Q84」を思い出しています。酔っているようです。下戸が呑むからです。
 
 

   

   

   

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