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短編小説・まっくらな男
喉がゆっくりと締まるような気怠さに身体が支配されていた。今日に限ったことではない。いつだってそうだった。いくら眠ろうと、いくら食べようと、いくら休もうと、いつまでも居座る呪いのような倦怠感。果てのない繰り返しへの飽きが原因だと気がついたのはいつだったか。だが、それを思い出すのすらもはや億劫だった。
「なあ、それ、いらないならくれよ」
仕事帰り、コンビニを出てすぐのことだった。不意にそんな声が
エッセイ・「わたしとコロナ」
最近そろそろコロナ禍に終わりが見えてきた。コロナの感染者が増えてもなんだか以前のような緊迫感はない。大方の予想通り、コロナは第二のインフルエンザと化しはじめている。
だからこそ言えるのだが、わたしはこの数年コロナ禍で困ったことがあまり多くない、たぶん。もちろん、マスクは鬱陶しいし帰省や旅行はしづらくなった。でも、それだけだ。1番きつかったのは実家の猫に会える頻度が落ちたことくらいか。(禁断症状を