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消雲堂自分史 阿武隈川

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駄目な人間の私が、どうやって生きてきたのかを再確認するマガジンです。自分のためのものですが、興味のある方はどうぞご覧下さい。
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2020年8月の記事一覧

現世は夢となり、夢は現世となる

現世は夢となり、夢は現世となる

少し前から、出会う人に「成功と失敗とは何でしょう?」と聞いています。答えの多くは「死ぬときに自分は成功したと思うか失敗したと思うか」だと言います。つまり、死ぬときにわかることだと言うのです。僕もそう思います。

人は、数え切れないほどの「成功者」を作り出して、褒め称えます。しかし、その成功者とは、長い人生の途中で “たまたま運が良くて” お金持ちになったとか、有名になったとか、世界記録を出したとか

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「窮すれば濫す」

「窮すれば濫す」

僕はライターと自称しているだけで、実は文章を書く仕事なんかひとつもありません。アルバイトでいくつかの企業さんの宣伝営業補助と監査法人さんのお手伝いの仕事をしているだけです。正しくは繰り上げ年金暮らしのフリーター爺さんです。

このnoteというのは、多才なプロの方たちの文化SNSのようですが、僕なんかが、とっちらかった未整理の文章書いたりしていると、凄く違和感がありますね。

若い頃に漫画専門誌や

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文章パズル

文章パズル

以前、カルチャースクールの文章講座で行った情景描写力をつけるためのトレーニング「文章スケッチ」をご紹介しましたが、もうひとつの文章トレーニングをご紹介します。これはわかりやすく整理された文章構成力をつけるためのものです。

まずは文章が巧みな作家の作品を素材にします。例えば「青空文庫」から谷崎潤一郎の「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」の冒頭部分を抜粋して素材にしましょう。以下に原文を添付します。

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「百万人の大合唱」

「百万人の大合唱」

また、とりとめのない投稿をいたします。

「ワンステップフェスティバル」ってご存じですか?

1974年の8月に福島県郡山市で行われた音楽フェスティバルです。日本からはキャロル、センチメンタル・シティ・ロマンスにクリエイションや加納秀人(外道)、サディスティック・ミカ・バンド、沢田研二、サンハウス、四人囃子…等々といったバンドが出演し、海外からはクリス・クリストファーソンとリタ・クーリッジ、オノ・

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釣魚大全「魚を描くこと」

釣魚大全「魚を描くこと」

随分前に、釣りというのは魚を虐待すること…と思うようになって釣りをやめました。

釣りをしていると、魚に詳しくなります。これは僕だけかもしれませんが、彼らの肉体的構造に関しても好奇心がそそられるのです。で、絵を描いちゃったりします。

魚の中ではブラックバスが好きで、彼らの写真集を見てスケッチしたりしちゃいました。

特に彼らの顔が好きなんです。しゃくれた顎にぎょろぎょろした目。獰猛で何でも食べち

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下手の横好き

下手の横好き

好きこそものの上手なれ…という言葉があります。好きなことを続けていたら上手になると言う意味です。こういう人は少なからず才能があるのです。ところが好きなことを続けていても上手になれないという人もいます。こういう人は残念ながら才能がないのでしょう。

下手の横好き…という言葉もあります。才能がなくて下手なのにいつまでも続けているという意味です。ああ、僕のことです。

僕は子どもの頃から絵を描くことと文

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「湯河原温泉」

「湯河原温泉」

僕は夏が嫌いだ。四季の中で一番嫌いだ。暑いからだ。暑いことに何の意味も感じない。裸に近い格好をして能天気に歩き回る若者の姿を見るのも嫌だ。汗だくになって外回りをしていた頃の息苦しいほどの暑さを思い出してしまうのも嫌だ。

その大嫌いな夏が終われば、涼しい秋がやってくる。僕は秋が一番好きだ。秋といえば紅葉で、旅行の季節でもある。

湯河原温泉に出かけたのは秋だった。会社勤めを辞めて少しばかり退職金が

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不毛の戦争「母の命」

不毛の戦争「母の命」

僕の母は昭和5年(1930)に岩手県の一関市という街に生まれました。学校をまともに行けなかったことを悔やんでいるのか「あだしはバカだから…」というのが口癖でした。息子の僕が勉強嫌いで、小学校の時から0点ばかりとっていたので「あんたはあだしの血を受け継いでいるんだよ」と嬉しそうに笑っていました。劣等生の仲間意識だったのでしょうかね。

母は、終戦間近の昭和20年に一関駅で電話交換手の仕事をしていまし

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25歳の旅 五能線(写真は、38年前の津軽鉄道金木駅)

25歳の旅 五能線(写真は、38年前の津軽鉄道金木駅)

「ほれ」と言って、行商のおばさんが大きな行李の中から1個のリンゴを差し出した。

「ん?」と、僕が怪訝な顔をしていると、おばさんは「け」と言う。「食え」と言っているのだ。

「いいんですか?」と言うと、おばさんはリンゴが入った行商の行李の中を確認していて聞こえないようだった。仕方がないので「ありがとうございます」と返事をして、貰ったリンゴを、自分が着ていた革ジャンの袖で拭いてから一口齧ると甘い果汁

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今日は眠いです( -.-)また明日

今日は眠いです( -.-)また明日

写真は、僕の文章が掲載された文芸同人誌「破滅派(10号)」の表紙です。義父が亡くなった時のことを書いた「風を供物に」が載っております。

https://minico.me/product/%E7%A0%B4%E6%BB%85%E6%B4%BE10%E5%8F%B7/