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なかにし(nia)
2018年4月19日 12:57
僕はどうして人間なんだろうと考えたことがあるか。世界はどうして透明なんだろうと考えたことが。或いは空の色を移したバターの味だとか、それらがトーストの上で溶けていく速度について。愚かな君と僕の300日後については後で話そう。あっという間の50日を突破して、残りの15日は誰かにあげる計画でもいいな。夕焼けの燃える世界の意味は。月がわざわざ満ち欠けをして、星がその遺影を夜に残し続けていく意味は
2018年2月18日 22:13
2017年11月12日 01:10
久しぶりに人を好きになった。この恋が実るとか実らないとかよりも、なんだか今は「人を好きになれた」ということがただ嬉しい。あなたが好きです。あなたを好きになれて嬉しいです。だから、ありがとうと言わせてください。ありがとう、あなた。今日もどうか幸せに。わたしはきっと、それだけを願います。それだけを祈っています。少し酸味の強い苺みたいなそんな恋心なんだと思います。秋
2016年10月24日 20:32
夜の匂いを吸い込みながら、腕時計の秒針と心音の類似性について考えていた。眼帯でふさがれた片方の目は、真白なものを見ているはずなのに何にも見えない。清潔なシーツと、新品のガーゼに包帯。ぴんとしたものを身につけると、ほんの少しの自尊心をくすぐられるから不思議だ。新しいパジャマを着ると違った自分になれたみたいな気持ちになる。知らないベッドで、真新しいパジャマに袖を通す瞬間。それが一番きれいな自分で居
2016年10月19日 11:49
もう二度と会えない人がいる。いつか交わした言葉を思い出せずにいたわたしの夢の中で、彼女が手を振ってこういった。「うそつき」。笑っていたようにも思うし、怒っていたようにも思う。わたしは彼女に何か嘘を吐いていたんだっけ。思い出そうにも、今となってはもう白い薄靄のかかった記憶ばかりが浮かぶ。彼女のことを、忘れかけている。最後に会ったときの彼女はどことなく疲れているようだった。昔からそんな感じの、
2016年8月31日 23:44
空と海って似てるね。とろむ空に、さっきまでなかった小さな光をみつけて、一番星をみつけて、思わず泣いた。豆電球の灯りみたいな光の粒にどうしようもなく泣けてくる。長くなった煙草の灰がぽたりと落ちた。———2016.06.14 スマートフォンのメモより明け方だったのか、真夜中だったのか。と思ったら19:44だった。
2016年7月20日 16:15
透明な蜻蛉を抱いて、笑う少女がいた。夏の青い空に照らされて、地面から雨のにおいはすっかりと消えてしまったらしい。青い鳥を肩に乗せた少年は、仄暗いトンネルの向こうへどんどんと進んでいく。 ぎざぎざに割れた空き瓶の欠片で、僕たちは緑色の血液を作った。流し込む先には、もう既にきらきらした音が待っていると知っていた。透明な蜻蛉は日向に揺れて、もう誰も笑ったりはしなくなるけれど。 あ
2016年7月20日 16:02
何者でもない人の声を聴きたいとおもった。何者でもない誰か。だけど確かに息をしている人。やさしくて、臆病で、月の匂いがするあの子は今どこで、誰の隣で眠っているんだろう。天の川を溶かしたら、夏の終わりにきみに会えるかな。