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ハッピーエンド

透明な蜻蛉を抱いて、笑う少女がいた。

夏の青い空に照らされて、地面から雨のにおいはすっかりと消えてしまったらしい。青い鳥を肩に乗せた少年は、仄暗いトンネルの向こうへどんどんと進んでいく。

ぎざぎざに割れた空き瓶の欠片で、僕たちは緑色の血液を作った。流し込む先には、もう既にきらきらした音が待っていると知っていた。

透明な蜻蛉は日向に揺れて、もう誰も笑ったりはしなくなるけれど。

あの子が着ていたワンピースは、確かに真っ白な黒だったんだ。


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