小池統合医療クリニック

日本ではまだなじみの薄い「統合医療」という概念を紹介することを目的にしています。統合医…

小池統合医療クリニック

日本ではまだなじみの薄い「統合医療」という概念を紹介することを目的にしています。統合医療とは、ただ「代替医療」を適当に取り入れた医療ではありません。 関心のある皆様とともに「統合医療」を通して現代医療のもつ様々な問題を考えていければ幸いです。

記事一覧

がんの転移について ファシアから考える

 がんの遠隔転移を考える中で、気になったのが、固有筋層への腫瘍の到達です。  粘膜下層への到達により、血管やリンパを介して転移が生じるとしても、それがより激しく…

「種と土理論」からがんとファシアについて考える

 一連のコロナ騒動におけるPCRの問題点をいち早く指摘されていた大橋先生の「がん」の本が出版されたので読んでみました。かつての近藤誠『患者よ、がんと闘うな』を参…

医学・生物学における(割と大きな)パラダイムシフト

 流し読み以降、ずいぶんと長い間積読になっていた「寄生虫なき病」を読了した。最近のマトリックス医学の体系をつくる中で、どうしても気になって再読したのだが、文字通…

波動治療器のソマチッド効果を考察する(第2回マトリックス統合医学研究会の予告)

 バタバタと休み前の雑事も終わり、夏期休暇期間に入りました。個人的には働いてはいるのですが、臨床や研究の方向性をゆっくりと見つめ直す期間になりそうです。  年末…

ホロンとマトリックスに関してのメモ

 マトリックスと層構造に関してのメモ。栗本慎一郎先生の言う、社会も文字通り生命体であるという主張と関連して、ケストラーの言う階層を考えると、それが彼の言うホロン…

小池統合医療クリニック 2024夏期休暇のお知らせ

 夏期休暇のお知らせです。とてつもなく暑い日が続いております。皆様、お身体ご自愛ください。  8月11日~16日、クリニックは休診となります。この間は電話での受付対…

暗視野顕微鏡をみてソマチッドに思うこと、いくつか

 これまではあまり、ソマチッドなど顕微鏡関連の代替医療的なモノには首を突っ込まないできたのですが、昨年から光学顕微鏡観察を刺絡臨床に取り入れたのを機に、いろいろ…

統合医療学会のプレ開催

 今週末は、統合医療学会の栃木大会のプレ開催企画が宇都宮にて開催されます。12月の本大会の紹介的な講演が多いようです。当院からも私を始め、セラピストの三村さんが発…

8月のジャングルカフェの課題図書「メディカル・ダイアローグ入門」

 前回のジャングルカンファレンスでは、難しい患者(クライアント)さんの対応について話し合いました。  難しいといっても、色々な意味合いがあるので、この回では、自…

マトリックス統合医学研究会が発足しました!

 週末はマトリックス統合医学研究会の第1回が、日本統合医療センター(JIMC)にて開催されました。急な開催予告にも関わらず、ご参加頂いた皆様には深謝いたします。  Q…

特異性と非特異性に関して

 今週末は研究会なのでマトリックスとその介入の一つでもあるQPAという波動治療機器についていろいろ考えています。そこで気づいたことをメモ的に。  こうした治療機器…

ファシアとQPAについて マトリックス統合医学研究会のご紹介

 今週末に開催予定の「マトリックス統合医学研究会」についてのご紹介です。開催時間などは前回の記事の通りですが、今回は内容の紹介です。  まずは、ファシアと波動治…

「マトリックス統合医学研究会」のお知らせ

 このブログでもお知らせしてきました、マトリックス医学に関しての研究会を今月、立ち上げることになりました。定期的な講演会や勉強会、波動治療器QPA(AWG)の体験会な…

ふくらはぎ力(世界文化社)の新装版

 もう「ふくらはぎ」ブームもずいぶん経つのですが、血流改善の重要性はいつの時代も変わらずなので、ふと思い出した時にはぜひともやって頂きたいセルフケアの一つです。…

マトリックス医学への道(増補改訂版)

 以前、分割して載せた記事の検索数が多いので、読みやすいようにまとめ、かつ少し現在の状況に合わせて改訂した原稿を掲載します。  ここで話題にする「マトリックス」…

データから身体を推測する 化学的マトリックスの一例として

 統合医療関係の採血検査というと、どうも遺伝子検査や副腎疲労関係の米国での検査を思い浮かべる方が多いようで、時折、当院にも問い合わせがきたりもしますが、そうした…

がんの転移について ファシアから考える

がんの転移について ファシアから考える

 がんの遠隔転移を考える中で、気になったのが、固有筋層への腫瘍の到達です。
 粘膜下層への到達により、血管やリンパを介して転移が生じるとしても、それがより激しくなるのが固有筋層の突破です。これはバリアとしての筋層に到達したように考えていましたが、もしかしたら腫瘍と筋層が接触することで、上皮間葉転換(EMT)といった質的な変化が生じ、それによって固有筋層そのものが変化してしまう、ということもあるので

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「種と土理論」からがんとファシアについて考える

「種と土理論」からがんとファシアについて考える

 一連のコロナ騒動におけるPCRの問題点をいち早く指摘されていた大橋先生の「がん」の本が出版されたので読んでみました。かつての近藤誠『患者よ、がんと闘うな』を参考にしながらも、コロナ禍での様々な出来事を経過して考察された、新たな「がん」への視点が述べれています。
 内容に関しては読んで頂くとして、記述はとても分かり易い書き方になっています。が、実際に臨床の場もしくは、研究の場に縁のない方にとっては

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医学・生物学における(割と大きな)パラダイムシフト

医学・生物学における(割と大きな)パラダイムシフト

 流し読み以降、ずいぶんと長い間積読になっていた「寄生虫なき病」を読了した。最近のマトリックス医学の体系をつくる中で、どうしても気になって再読したのだが、文字通り「寄生虫なき」状況において自己免疫疾患やアレルギー、果てには悪性腫瘍に至るまでの疾患が増加している不気味な状況に戦慄した。しかし、読了してもっとも印象に残ったのは、こうした状況が、最終部の「ヒト生物学」におけるパラダイムシフトを意味すると

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波動治療器のソマチッド効果を考察する(第2回マトリックス統合医学研究会の予告)

波動治療器のソマチッド効果を考察する(第2回マトリックス統合医学研究会の予告)

 バタバタと休み前の雑事も終わり、夏期休暇期間に入りました。個人的には働いてはいるのですが、臨床や研究の方向性をゆっくりと見つめ直す期間になりそうです。

 年末の統合医療学会に向けて、マトリックス統合医学研究会の展開を考察中です。波動治療器でもあるQPAの治療機転を考えているのですが、これまでの流れからソマチッドについての言及は避けられず、色々なモデルで考察してきました。以下、メモ的な記載ですが

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ホロンとマトリックスに関してのメモ

ホロンとマトリックスに関してのメモ

 マトリックスと層構造に関してのメモ。栗本慎一郎先生の言う、社会も文字通り生命体であるという主張と関連して、ケストラーの言う階層を考えると、それが彼の言うホロンの階層構造であるホラーキーであるならば、我々のレベルでは、そのプログラムにあたるものは実体として理解できないに違いない。
 つまりもう一層の上の階層での論理が必要であって、同じ層内のみでは説明不可能となる。これは図としての組織細胞の制御が、

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小池統合医療クリニック 2024夏期休暇のお知らせ

小池統合医療クリニック 2024夏期休暇のお知らせ

 夏期休暇のお知らせです。とてつもなく暑い日が続いております。皆様、お身体ご自愛ください。

 8月11日~16日、クリニックは休診となります。この間は電話での受付対応もしておりませんので、ご注意下さい。予約の変更等は、それ以前にお早めにお願いいたします。

 いよいよ8月からマトリックス統合医学研究会が始動します。波動治療器QPAにくわえ、光学顕微鏡・暗視野顕微鏡にて血液像を観察しながら治療効果

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暗視野顕微鏡をみてソマチッドに思うこと、いくつか

暗視野顕微鏡をみてソマチッドに思うこと、いくつか

 これまではあまり、ソマチッドなど顕微鏡関連の代替医療的なモノには首を突っ込まないできたのですが、昨年から光学顕微鏡観察を刺絡臨床に取り入れたのを機に、いろいろと考えるようになりました。とりわけ今後はマトリックス研究会において、ウィスマーさんの暗視野顕微鏡を取り入れますので、具体的な実感を得られるのではないかと思っています。

 通常医学のワードとしては、ソマチッドはまともなものとして取り上げられ

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統合医療学会のプレ開催

統合医療学会のプレ開催

 今週末は、統合医療学会の栃木大会のプレ開催企画が宇都宮にて開催されます。12月の本大会の紹介的な講演が多いようです。当院からも私を始め、セラピストの三村さんが発表を予定しています。
 今回の栃木大会は、実行委員として名前を連ねているのもありますが、シンポジウムの企画として「多職種連携」、松井先生との協同企画の「コラーゲン・ファシア・線維化」、市民公開講座での甲野善紀先生の招聘、など、色々とお伝え

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8月のジャングルカフェの課題図書「メディカル・ダイアローグ入門」

8月のジャングルカフェの課題図書「メディカル・ダイアローグ入門」

 前回のジャングルカンファレンスでは、難しい患者(クライアント)さんの対応について話し合いました。
 難しいといっても、色々な意味合いがあるので、この回では、自分の提案する方針を受け付けてもらえない場合、敵対的な場合にテーマを絞りました。

 提案を受け入れないという場合にも、実に多彩なパターンがあり、当然、答えがでるような問題ではないのですが、そもそもが何らかの相手の「抵抗」を引き出しているとい

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マトリックス統合医学研究会が発足しました!

マトリックス統合医学研究会が発足しました!

 週末はマトリックス統合医学研究会の第1回が、日本統合医療センター(JIMC)にて開催されました。急な開催予告にも関わらず、ご参加頂いた皆様には深謝いたします。

 QPA(AWG)を取り扱うアジアス社の永田社長の多大なるご協力により、第1回が無事開催することができました。ファシアの基本知識の解説から、マトリックス医学におけるQPAの意義などを入門的に解説し、幅広いこの分野の広がりを理解して頂く第

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特異性と非特異性に関して

特異性と非特異性に関して

 今週末は研究会なのでマトリックスとその介入の一つでもあるQPAという波動治療機器についていろいろ考えています。そこで気づいたことをメモ的に。

 こうした治療機器、とりわけ波動などを謳うものは当然、現状の科学・医学で完全に説明されるものではないのですが、部分的には実感を含めて説明可能なところもあるわけです。
 QPAという器機が、いわゆる波動系といったものと少し異なるのが、文字通り振動を感じると

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ファシアとQPAについて マトリックス統合医学研究会のご紹介

ファシアとQPAについて マトリックス統合医学研究会のご紹介

 今週末に開催予定の「マトリックス統合医学研究会」についてのご紹介です。開催時間などは前回の記事の通りですが、今回は内容の紹介です。

 まずは、ファシアと波動治療器QPA(AWG)の関連について。ファシアへの介入としては、総合診療領域を中心にハイドロリリースが有名ですが、これに加えて、当院ではファシア近辺で発生する瘀血への対応として「刺絡」を重要視しています。
 但し、これらは、病変に対して「注

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「マトリックス統合医学研究会」のお知らせ

「マトリックス統合医学研究会」のお知らせ

 このブログでもお知らせしてきました、マトリックス医学に関しての研究会を今月、立ち上げることになりました。定期的な講演会や勉強会、波動治療器QPA(AWG)の体験会など、様々な企画を考えております。まずは、オープニング企画のお知らせです。
 講演の部では、私が量子医学からファシアに至る「マトリックス医学」の概略を解説します。QPA(AWG)に関しては実際に、治療器を体験することが出来ます。ともに前

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ふくらはぎ力(世界文化社)の新装版

ふくらはぎ力(世界文化社)の新装版

 もう「ふくらはぎ」ブームもずいぶん経つのですが、血流改善の重要性はいつの時代も変わらずなので、ふと思い出した時にはぜひともやって頂きたいセルフケアの一つです。

 そんなことを考えていたら、かつて市野さおりさんと共著で出版した「ふくらはぎ力」が新装版で、装いも新たに出版されることが決定しました!
 この本は、現在のマトリックスの基本的な考えと、身体における「縮退」の意義などにふれた初めの方の本な

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マトリックス医学への道(増補改訂版)

マトリックス医学への道(増補改訂版)

 以前、分割して載せた記事の検索数が多いので、読みやすいようにまとめ、かつ少し現在の状況に合わせて改訂した原稿を掲載します。
 ここで話題にする「マトリックス」という概念は、ファシアという今まさに、ホットなキーワードのおそらく背景となる、大きな枠組みになっていくと思います。近いうちに、マトリックス医学としてのさらに大きな研究の枠組みをご紹介できると思いますので、それに先立って読み返して頂ければ幸い

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データから身体を推測する 化学的マトリックスの一例として

データから身体を推測する 化学的マトリックスの一例として

 統合医療関係の採血検査というと、どうも遺伝子検査や副腎疲労関係の米国での検査を思い浮かべる方が多いようで、時折、当院にも問い合わせがきたりもしますが、そうした珍奇な検査群はほぼしていないのが現状です。それらが悪いという事ではなく、通常の検査項目ですら、しっかりと説明されずに理解できていない方がほとんどの中で、それほど高度な専門性の高い、そして高額な検査をするまでもなく、通常の項目でかなりのことが

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