ホロンとマトリックスに関してのメモ
マトリックスと層構造に関してのメモ。栗本慎一郎先生の言う、社会も文字通り生命体であるという主張と関連して、ケストラーの言う階層を考えると、それが彼の言うホロンの階層構造であるホラーキーであるならば、我々のレベルでは、そのプログラムにあたるものは実体として理解できないに違いない。
つまりもう一層の上の階層での論理が必要であって、同じ層内のみでは説明不可能となる。これは図としての組織細胞の制御が、地としてのファシア、つまりマトリックスの論理を用いなければ理解できないという事情によく似る。
これは私の言う5つのマトリックスに広く適用しうる考えで、特に微生物マトリックスにおいてがわかりやすい。つまりそこでの細菌や寄生虫による感染症を抑制することが、マトリックス全体としての均衡を崩し、耐性菌の誕生や、自己免疫疾患の増加といったしっぺ返しをくうことになる。
さらに身近な例でいうなら、一人の思惑によってグループ全体が容易には動かないということや、グループの総意が必ずしも個々の意図と一致しないという事にもつながる。これを関係性マトリックスと称している。
我々は背景としての存在するマトリックスの影響を受けないというわけにはいかない。医学のみならず、歴史学や人類学的考察を要する理由の一つでもある。今後もマトリックスについて思いついたものをメモしていこうと思う。
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