5/9 僕の素晴らしい今まで一人で頑張ってきたところ
多くの孤独の時間を過ごしてきた。
それはお前のせいだって言われるかもしれない。
その通りだ。
自分から、孤独を選んだ。
だってまわりに好きな人がいなかったし、尊敬できる人もいなかった。
こちらも仲良くなるスキルもないし、甘えることもできない。
友達にも彼女にだって、心を開いたことなんてなかったよ。
そんな場所に居続けたお前が悪い?
だから、居場所を変えたんじゃないか。
居心地が悪くなって、でも早々に辞めるような自分の情けない姿を晒したくなくて、ほぼ全ての会社はバックれて辞めた。
結果的に一番迷惑をかける一番情けない辞め方だったけど。
今更そんなこと言ったってしょうがないじゃないか。
誰も頼れる人がいなかったんだ。
自分すら頼れずに、バックれるまで無理して愛想よく振りまいていた虚像の姿に頼るしかなかった。
せめてその虚像を記憶に残したまま消えたかった。
それくらい他人に、隠した素の自分がバレるのが怖かったんだ。
だから人の目にいつも怯えていて、どんな風に映るか気にしてばかりいた。
歳を重ねれば重ねるほど履歴書は真っ赤な嘘で染まったよ。
もう本当の履歴書なんて書けない。
情けない人間だね。
会社は、ほとんど半年以内に辞めてるかなあ。
その度にすぐ次の仕事を探して、面接で嘘の履歴書を渡して、つぎはぎつぎはぎでやってきた。
人生が豊かになればいいと思って、全部違う業種に挑戦してみたんだ。
僕は経営者になりたかったから、実務を経験してそれを活かして成りあがってやるつもりでね。
面接で嘘ばかり喋ってきたから、今度こそは会社の役に立って、認めてもらうぞって。
人生をここでやり遂げるんだって、骨をうずめるつもりで仕事を始めるんだ。
でも、結局人間関係が嫌になって半年もたたないから何も身につかない。
仕事に身が入っていないから、語れるエピソードもない。
違う職種をやるから、何も積み重なっていかない。
休みの日になれば、仕事で疲れ切った脳と体を休ませる為に、娯楽で時間を消費する。
何のスキルもなければ、人付き合いもままならない、気付けばもうすぐ30歳だ。
あるのはちょっと重い物が持てる力だけ。
毎日毎日、寂しさを感じないように、ブルーライトを浴び続けたよ。
孤独に気付かないように、頭の中で物語を作って、射精してきた。
何か努力してきたワケじゃない。
東京に来てから家にいる間、ずっと怠惰をしてきただけだ。
それでも、
それでもだ。
誰がなんと言おうと、僕は頑張ってきた。
頑張ってきたんだ。僕は。
1人でね。
中学生活の最後の半年で、家に引きこもったまま3年分の勉強をした。ひとりでだ。
15歳で東京で一人暮らしをして、自炊して、高校の学費と教科書代、生活費はアルバイトして自分で払った。
毎週鬼のように出るレポートも1人で淡々とやった。
高校生らしい遊びなんて、数えるほどしかしたことない。
頼れる人がいなかったから、全部自分で調べて、全部自分で決めた。
尊敬できる人なんているわけないよ。
友達は、僕が頑張ってきたことをわかってくれない。
彼女は、僕が頑張ってきたことをわかってくれない。
親なんて一番信用ならない生き物だ。
イザとなったら僕と向き合うことをやめる。
そんな環境で、健康に育てっていうことの方が難しいだろう。
つい最近まで、僕は何も頑張ってこなかったと思っていた。
時間があったのに、何も積み重ねてこなかった精神力の無い自分。
せっかく東京に来た10年間を何も活かせない自分。
時間の無駄を過ごしたと。
そんなわけないのにね。
今まで、一人で頑張ってきたんだ。
頑張り始めるのが早すぎて、全てのことがついてこなかった。
それは土台がないのに、城を作り始めてしまったようなもので。
だから、運がついてこれなかったんだ。
心許せる相手が、たまたま見つからなかったから、ここまで孤独に生きてきた。
誰彼構わず無差別に殺してやりたいと思う気持ちも、
1人1人に復讐したいと思う気持ちも当たり前だ。
むしろ
よく、ここまでもった。
よく、ここまで耐えた。
よく、腐らずに頑張ってきた。
実際、どこまで腐ってるかわからない。
でも、もう大丈夫だ。
俺は、大丈夫だ。
大丈夫、俺は頑張っている。
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