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日々の思考と記録

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毒にも薬にもならないけれど、身体に染み込むように、思ったこと、考えたことを自分の言葉で書きます。拙くたって、伝わらなくたって、真摯に書く。
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2021年2月の記事一覧

知らんけど、大丈夫

知らんけど、大丈夫

「大丈夫だよ」

 去年の暮れから決断を迫られ、僕1人では抱えきれなくて、様々な人に相談をした。自分の中にある漠然とした想いをなかなか言葉にできない僕に、たくさんのアドバイスと、お誘いをいただいた。
 そして、決まったように言われた。「あなたはなにやっても大丈夫だから」。立場も年齢も違う人々がなぜか口をそろえる。

 根拠も保証もない言葉が最初は信じられなかった。それでも言われ続けたら、だんだんそ

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決断のための掃除

決断のための掃除

 今年に入ってから、ずっと考え続けていることがあって、なかなか決断できないでいる。生半可な覚悟では絶対に挫けてしまうから、焦って決めず、腹が決まるその瞬間を待っている。
 とはいえ、じっとしているだけではなにも起こらないので、自分なりにできる情報収集や人に話を聞いたり話したりを続けている。

 しかし、いよいよ期限も迫ってきていて、正直焦りも感じている。もっとできることはないかと考えて、今日掃除を

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うるささに慣れすぎた

うるささに慣れすぎた

 身体を動かす時に、ラジオを流している。動画だとつい見入ってしまうので、適度に聞き流しながらできるので、とても重宝していた。

 今日はふと思い立って、なにも流さずに身体を動かしていた。シーンとした空間で、衣擦れ音と自らの呼吸音だけがある。静かだ。

 うるさいことに慣れすぎていた。

 常に、なにかしらの雑音がある。それがほぼ全てなくなった時に、これまでかき消されていた細かな音が聞こえてきた。ど

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機を見計らう

機を見計らう

 日本語字幕がついている英語の動画を見ていた。すると、字幕の内容が少しずつずれていた。
 そのせいで、まったく動画の意味がわからなかった。字幕に集中すればいいのだが、画面に表示される文章と明らかに異なる単語が聞こえてくるので、完全にゲシュタルト崩壊していた。

 リズムが少しずれるだけで、それぞれ正常に動作していても感覚は簡単に役立たずになってしまう。スポーツ選手の多くはルーティンを持っているが、

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ロボット人間、出方をうかがう

 隙間時間があり、本でも読もうと思って、パン屋に入った。トレーとトングを持ったはいいものの、惣菜パンも菓子パンも種類が多く、なににしようかと悩んでいた。
 すると、ちょうど女性の店員さんが、トレーを持ってキッチンから出てきた。焼きたてのパンを陳列しにきたらしい。

「いらっしゃいませ。出来立てでございます」
 だれかを見るでもなく、そう口にする。意外に低く、感情のこもっていない声だった。チェーン店

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目的のない体験から生まれる目的

 目的は盲信されている。
 狙いをつけてその通りに実行できることこそ素晴らしい、と。裏返せば、それは目的さえ実行できれば、他はどうでもよくなってしまい、見落とされてしまうのではないか?

 なにかを学ぶ際に、大抵目的が設定されている。すると、学ぶ内容や情報は限定される。なぜなら、その方が楽だからだ。
 足し算を学ぶ時に歴史の話をしていたら、ややこしくなるだろう。だから、教える人間からしたら、情報を

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裏表をなくしていく

裏表をなくしていく

 気に入らなかった人をある日好きになる。好きだった人が突然嫌いになる。
 感情の変化は唐突だ。それは離れた位置にあるものではなく、コインの表裏一体のものなのかもしれない。

「〇〇さんみたいになりたい」「××のようにはなりたくない」と憧れと嫌悪感もまた相反するようでいて、根っこは同じだ。
 ある強烈に関心のある対象がいて、それに近づきたいか遠ざかりたいかの違いに過ぎない。つまり、なにかに囚われてい

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問いの真ん中

問いの真ん中

 自分が他者に問いかけるとき、その問いは自分に跳ね返ってくる。

 子どもと接する時、「どうしたいのか?」とよく尋ねる。何度その言葉を口にしたかわからない。そしていま、岐路に立たされている僕は、同じ言葉を現状を打ち明けた人々から問いかけられている。

 しどろもどろになりながら、なんとか答える。自分でその回答に納得はしていない。ただ、答えようとすることでいつかぴったりハマる瞬間があると思うのだ。

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笑いあえる未来で待ってます

笑いあえる未来で待ってます

「最近、人と対面で接するのが怖くなってきちゃったんですよ」
 画面に映るその人は、俯き気味にポツリと言った。

 仕事場と身近に住んでいる人を除いて、感染症が頭をよぎって安心して過ごせないのだそうだ。気軽に外出できないことに本人もストレスを感じているが、どうにもその感情がコントロールできないらしい。

 今までも、何度か同じような話は聞いたことがあったが、その人は中でも深刻らしかった。

「大丈夫

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白猫と何気無い解決策

 僕の家の近所は野良猫が多い。駅まで約10分の道のりを歩くと、必ず複数の猫の姿を見かける。どうも野良猫にエサをやっている人がいるらしく、それが繁殖して年々増えている。一昨年などは僕の家の前で子どもが生まれたらしく、家を出るたびに子猫が駆け出していくのを見かけたものだ。

 特段猫好きでもない僕にとっては、気にすることでもないのだが、最近僕の家に頻繁に白猫がやってくるようになった。ちょうど日当たりの

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しんどさとの付き合い

しんどさとの付き合い

 この1週間くらい書くのがしんどくなっている。
 PCを開いても、なにも思いつかず、日付を跨ぐくらいの時間でギリギリなんとかまとめて投稿する日が続いている。

 書く中身がないのではなく、思考があっちへこっちへと散漫になっていて、収拾に困っている。いま決断を迫られていて、いつも頭の片隅に散らつくもののせいであるのはわかっている。だれかに代わってもらえることではないので、正直しんどさはある。

 た

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ミス雪だるまをぶっ壊す

ミス雪だるまをぶっ壊す

 失敗は必ず起こる。けれど、その被害の大きさはある程度小さくできるのかもしれない。

 急須を割ってしまった。料理をしている時に急須の上に食器を落としてしまい、急須とお皿の両方が真っ二つに割れてしまった。農家から直接仕入れるほうじ茶が好きで、毎日お茶を入れている身としては、とても痛い出来事だ。
 急須は一個しか持っていなかったので、買いに行かなければならない。

 一通りショックを受けてから思った

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本当は自分だって

本当は自分だって

「自分なんて」と言ってしまう時、守りの姿勢がある。

 自らを貶めることで他者からの批判を封じた上で、同情を誘う。できない・やらないを正当化する。ただ、たとえどれだけ同情をもらってみたところで、気休めにしかならない。
 不都合な現実は目の前に居座り続ける。

 不足はあるだろう。思い通りにならない人はいるだろう。

 でも、卑下してみても始まらないのだ。
 怖くて、不安で、できることならその場にこ

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時間をかける

時間をかける

 時間をかけることの意義はなんだろうか?
 今は「手っ取り早く」が求められる。そんな環境において、長い時間かけてやることは敬遠されがちだ。けれど、僕はやり続けることの重要性を強く感じている。

 それはなぜなのかと問われると、言葉にしづらい。

 ただ、予想外の出来事が起きるのは1つ大きな要因だ。自分が原因で壁にぶつかることもあれば、今の感染症や災害のように個人ではどうしようもない出来事もある。

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