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裏表をなくしていく

 気に入らなかった人をある日好きになる。好きだった人が突然嫌いになる。
 感情の変化は唐突だ。それは離れた位置にあるものではなく、コインの表裏一体のものなのかもしれない。

「〇〇さんみたいになりたい」「××のようにはなりたくない」と憧れと嫌悪感もまた相反するようでいて、根っこは同じだ。
 ある強烈に関心のある対象がいて、それに近づきたいか遠ざかりたいかの違いに過ぎない。つまり、なにかに囚われていることに変わりない。
 だから、「なりたくない人」の反対を行ったとしても、大抵上手くいかない。思考そのものを変える必要がある。

 なにが気に入ってなにが気に入らないのか、既に自分で意識できている部分だけではダメだ。思考の枠組みから一歩外に出ようとしているのだから、その下に隠されている願望はなんなのかを探った先に、変化は起こる。

 すぐには答えは出てこないし、変化の感覚はとても薄いだろう。なんなら、自分がいつまでも変わっていないような気もする。けれど、見えなかったものをみようとする過程で、既に変化は起こっているのだ。

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