なぜ、ぼくは「実績アピールがダサい」と考えてしまったんだろう。
こんにちは。今、ぼくが抱えている「後悔」について、お話しします。
2016年からライターとして活動している、大塚たくまと申します。これまでの経緯を年表にするとこんな感じです。
ライターとお伝えしましたが、ぼくは完全なるWebライターです。紙媒体に寄稿したことはありますが、「助けて」という方から依頼を受け、無記名で何度か対応したことがあるのみ。
フリーのWebライターとしては、そこそこ成功していた方だと思います。これまで、2016年から累計で1500記事程度は執筆してきました。独立して初月で20万円の報酬を得ていましたし、最後の方は月に100万円以上の報酬を安定してもらえるくらいになっていました。最高で1記事で20万円の仕事を受けたこともあります。
「はてなブックマーク」で100ブックマークを越えた記事は5年程度の活動で14記事あります。最高で1400ブックマークを超えた記事もあります。noteでのスキは1000超えたことが。オモコロ杯でも2020年と2023年に銀賞、2021年に銅賞を1回受賞しています。
こう話すと「バズ記事をつくるおもしろライター」と思われるかもしれませんが、ぼくが得意としているのはSEO記事を作る時の勝ち筋の分析、記事企画です。検索者の本質を見極め、セオリーをひっくり返すような独自の記事企画を行い、検索画面に「新たな正解」を生み出すような記事をつくります。
事例で言えば、BtoBマーケティング関連メディアの記事制作全体を担当し、リライトを担当した記事の9割以上で順位上昇。ぼくが関わった1年で10位以内を獲得したキーワードが約5倍になりました。
ローカルWebメディアでの成功事例もあります。旅館大村屋の「嬉野温泉 暮らし観光案内所」を立ち上げたところ、旅館サイトの月間流入数は3.4倍に増加。採用活動の活性化だけでなく、Webサイトからの直接予約が増え、売り上げにも貢献しました。また、一連の「暮らし観光」活動については、チームで佐賀県から表彰を受けています。
ぼくはWebライター業界ではかなり珍しい「SEOとバズとローカルに実績があるライター」なんです。どちらも具体的な独自理論を持っています。
……実を言うと、こんな感じの「実績ベース」の自己紹介を初めてしました。
ライターの使命は「伝えること」だった
何かをつくり、発信することは、ぼくにとって生理的欲求です。
いつも「なんか面白いことがしたい」と考えながら、生きています。
ライターという仕事は、心の底から天職だと思います。
フリーライターとして独立をして、Twitterに触れた時、ぼくは他のライターの発信に違和感がありました。各々の仕事の考え方や、同業者への鼓舞のような内容ばかりで、自分の記事を読んでくれる読者に対する発信を行う人が極端に少なかったからです。「なぜ自分の記事をシェアしないんだ」「なぜ伝えたい物事の話をしないんだ」と強く疑問に思いました。
その結果、ぼくは「読者に見つけてもらって、記事を楽しんでくれる人を増やそう」というTwitter運営ポリシーを持つことにしたのです。
これは「バズ記事」と相性の良い考え方でした。ぼくの文章は福岡のグルメ関連の記事、アビスパ福岡の記事などでバズり、そういった記事を期待する福岡にお住まいの方のフォロワーが増えました。
福岡のローカル番組でテレビ出演する機会が増えるなど、活動は順調。福岡のフリーライターとして、認知度が高まり、取材に行くと「記事を読んだことがあります」と言われることも増えていました。
たのしい記事を発表し、それをたのしみにしてくれる人に囲まれる。
ぼくはそれこそが、自分が思う「理想的なライター」だと、信じて疑っていませんでした。
嫌いだったSEO記事が大好きになった理由
ぼくは、前職でアフィリエイトのSEO記事に血眼で取り組んだ経験があります。
↑当時作っていた記事
自分の書きたいことを書くのが得意だったぼくは、SEO記事の「正解はないけど、明確な間違いはある」という世界観が苦手でした。この「明確な間違い」をしてしまうんです。何度「検索者とズレを感じる」と、上司や同僚に指摘を受けたかわかりません。
惨めで、悔しくて。「なんとしてでも、自分の作業レベルに落とし込んでやろう」と思い、指摘を受けて反省したことを、自分の作業レベルに落とし込んでいきました。それをやっていくうちに、一つの考えに行きつきました。
「検索意図を探るって、なんて面白いんだ」
Googleの検索結果をヒントに、検索者がなぜこの検索意図で検索したかを想定する作業。その作業を深く掘り下げれば掘り下げるほど、ぼくはSEO記事をつくることが楽しくなりました。
「男性が検索するワードはざっくりした傾向で、女性が検索するワードは細やかな傾向だ」
「関連する検索ワードを見ると、人物像が見えてくる」
「上位記事のタイトルは、一番知りたいことを言い当ててることが多い」
記事企画を考えることが楽しくなりました。読み手を想像する解像度を上げれば、上げるほど面白い。人間の感情を読み解くような面白みがありました。もしかすると、人生で初めて、自分の努力で苦手なものを乗り越えた成功体験だったかもしれません。
結局、ぼくは誰よりもSEOにハマることになったのです。
ライターさんと技術交流しながら文章を追求
嫌いだったSEOが好きになった体験は、法人化した後で業務委託のライターさんに記事制作の方針を伝える上で、大いに役立ちました。
ぼくはSEOがもともと苦手だったので、苦手な人の気持ちがわかります。苦手な人でも、正しい方向性でSEO記事制作に向き合えるように「構成シート」という、独自のワークシートのようなものをつくりました。
構成シートは、記事作成に具体的で明確な意図を持てるように促してくれます。ぼくもこれを見れば、どこが足りていないのかが明確に分かり、伝達しやすくなるのです。
これまで関わってきたライターさんと比べ、構成シートを使ってやりとりするライターさんとは、格段にコミュニケーションがとりやすくなりました。
さらに、ぼくは動画でライターさんに自分が大切にしていることを教え、伝えるようにしました。その基本を共有した上で、フィードバックを行うようにすれば、より意図が伝わりやすくなると思ったからです。
実際に研修で使っている動画の一部
そして、記事を納品し、修正する作業は弊社が目指す文章を具体的に示すための絶好の機会。なるべく無駄にしたくありません。そのため、フィードバックに明確な14個の評価基準と点数方式の評価制度を導入し、弊社の目指す文章に近づけるように、具体的に5段階評価(SABCD)を伝えることにしました。
評価内容に基づいた自動生成のコメントと一緒に、チェック担当者からのコメントを必要に応じて伝えています。これによって議論が生まれ、文章の改善に対するやり取りは具体性を持ったものとなり「株式会社なかみが良しとする文章」が、少しずつ明確になっていきます。そうすることで、より良い仕事ができるようになっていきました。
その結果「SEO記事を大量に受注しても、クオリティを担保できる」という状況が作れるようになったのです。実際にコンテンツSEOで次々とよい成果が出せるようになり、多くのクライアントさんからの評価を高めていきました。
とあるクライアントさんでは、弊社との良好な関係を築いて、オウンドメディアで成果を出したことを評価された担当者さんが、社内の「MVP」に輝くということが起きました。SEOに関わる悩みや、新たなチャレンジなどを一緒に進めていた、情熱ある担当者さんだったので、とても嬉しく思いました。印象深い出来事です。
「実績を見せびらかすのはダサい」という呪い
自分の本業は、コンテンツSEOだ。
そんな想いとはまったく別方向に、ぼくのTwitterアカウントは進んでいきました。
ぼくはTwitter(X)を使用した情報発信を継続していました。フォロワー獲得のために何かするということはなく「面白いことをやっていれば、自然とフォロワーはつく」と考えていて、それは間違いではないと思います。
2019年に400人程度だったフォロワーは、現在は4000人を超えています。とくに福岡のグルメに関するポストや、アビスパ福岡に関するポストをしたときに反応が良い状況です。ぼくは反応がよいポストは「フォロワーに求められている」と感じ、積極的にポストするようになっていきました。
「SEOの実績」については、ほぼ語らなくなってしまいました。なぜなら、それは最初に決めた「読者に見つけてもらって、記事を楽しんでくれる人を増やそう」という考えに反すると思っていたから。
SEOの話なんかしても、フォロワーは楽しんでくれない。むしろ、仕事に直結する話でやらしく感じるだけだ。自慢話のように実績を語るのもダサい。
そう思った、僕はよりいっそうグルメやアビスパ福岡のポストを続けていきます。アビスパ福岡に関しては、YouTubeもスタートさせました。
実際に好きな話題ではあるので、楽しいことには変わりないし、これはこれでとても有意義です。でも、ジワジワと大きな問題が出てきました。
だれもぼくの本業を知らない。
「おもしろい」は、あなたのなかにある。
「なかみ」という社名含め、「なかみ」という会社の大きなテーマを、一文で表した言葉があります。
「おもしろい」は、あなたのなかにある。
クライアントさんにぼくはよく熱弁します。「あなたの本業こそが、あなたがもつ一番おもしろい話題なんです」と。そんな当然のことが、自分になると全くできなくなりました。見事なまでに。不思議ですよね。
ぼく自身が、全然自分の持っているものが「おもしろい」と信じてあげることができていなかったのです。
その結果、ぼくは自分が望む仕事に対する新たなお声かけがもらいにくくなってきました。あまりにも、ぼくの本業を知っている人が少なすぎるからです。
こんなことが続いていると、会社が危ない。ぼくは大きな危機感を持つようになりました。これじゃやばい。続かないよ。なんで実績をアピールしてこなかったんだ。なんで全然営業してこなかったんだ。悔やんでも悔やみきれません。
今、ぼくは全国各地に郵送DMを送り、新規開拓を行っています。少しずつ成果が出ており、郵送DMの楽しさを実感してはいますが、これまで本業の話をしてこなかったという問題は現在進行形で続いているのです。
noteでぼくのSEOや文章のノウハウを伝えたい
そもそも「ぼくが本業の記事を書く」というときの反響は悪いものではありませんでした。数は少ないのですが、3回だけ本業に関する記事をnoteでも書いています。
どの記事も1万PVを超えており、決して悪い結果ではありません。ちゃんと本業の内容を書いて楽しんでくれている人がいたのに、なぜ気づけなかったのか。もうとにかく、発狂するくらい悔しい。てか、今この記事も発狂しながら書いています。
もうこんな後悔をするのは嫌です。ぼくは、この場でもっともっと、自分ができることを伝えたい。そして、自分の仕事のことを知ってもらいたい。強く、そう願っています。
専門技術としてのSEOライティング。わかりやすい文章の書き方。人が拡散したくなる記事企画のやり方。言語化できている、自分の本業のことをたくさんここに書いていきたいと思います。
「ライターって、すごいな」
「Webライティングって専門技術なんだな」
「誰にでもできることじゃないんだな」
「でも、正しく努力すればできるんだな」
そんなふうに思っていただければと考えています。今後、ぜひぼくのnoteに注目していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
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