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メンタルを強くするには?精神科医が教える、心を癒す6つの方法

ちょっとしたことでイライラしたり、逆に誰かにイライラをぶつけられたり。社会生活を送る上では日々様々なストレスにさらされます。

では、心穏やかに過ごすためにできることとは?金髪アフロで赤メガネがトレードマークの精神科医・井上智介先生に、心を強くするための癒し方をうかがいました。自分に合うイライラの解消法を見つけて、心を健やかに保ちたいですね。

イラスト/鈴木衣津子

▶シリーズを読む
【#1】心がラクになる感情コントロールの法則
【#2】心が折れないための感情整理術


【バタフライハグ】

自分をギュッと抱きしめて肩をたたくだけで癒し効果抜群

イライラやモヤモヤを感じたら、自分で自分を癒す「バタフライハグ」をしてみましょう。自分を抱きしめて肩をたたくだけの簡単な動作ですが、実は精神疾患の治療で多くの成功例が報告されている心理療法の一つ。不安や心配から解放されて、気持ちが落ち着きます。

★「バタフライハグ」のやり方★

①今の不安や悩みを頭の中に描きながら、ゆっくりと目を閉じる。

②右手を左肩に、左手を右肩に置いて、左右の肩を交互にトントンたたく。

③左右1秒を目安にたたいて、約2分間、たたき続ける。

【お風呂に入る】

41℃の湯船に10分。一日の終わりのリラックス習慣

umiphoto/Shutterstock.com

入浴は心と体の緊張をほぐす、リラックス効果抜群のストレス解消法。湯船につかると体温が上がり、血流がよくなる上、重力から解放されて、首や肩のこりもすっきり。湯温は41℃が目安で、42℃以上は逆効果になります。10分程度、肩までしっかりとつかりましょう。入浴後は90分くらいで自然な眠気がやってくるので、ぐっすり眠れます。

【自然を感じながら散歩】

ただ歩くだけでなく「自然」を意識すると効果アップ

ただ歩くだけでもストレス解消になりますが、植物の香りや風の匂いなど「自然」を実感しながら歩くと、さらにストレス解消効果がアップするという報告があります。

散歩はもちろん、通勤で歩く時、買い物に行く時も、自然を意識しながら歩くと、よりリラックスできます。なるべく自然を感じられる道を選ぶとよいでしょう。

【アロマをたく】

リラックス効果が一番高いのはラベンダーの香り

アロマは不安を落ち着かせる効果があるとして、医療現場でも活用されています。香りや効能は様々ですが、なかでもラベンダーは最もリラックス効果が高いと言われています。アロマオイルは不純物の入っていない製品を選びましょう。アロマポットでたくと、部屋中がいい香りに包まれて、穏やかな気持ちに。

【植物を育てる】

手をかけて育てることで癒し効果と達成感が得られる

maroke/Shutterstock.com

種をまいて、そこから芽が出て、咲いた花に水をやって、と植物を育てることは、ストレス解消に有効な手段と言われます。土に触れる時間は自分だけの時間であり、自分が手をかけた植物が育つと、大きな達成感を得られます。鉢植えを育てるだけでも十分。簡単なものからトライしてください。

【涙活】

泣くと副交感神経が優位に。泣ける作品をストックして

涙を流すと副交感神経を刺激し、心身がリラックスモードになります。感動するドラマや作品を見て泣いたあとは、気持ちがすっきりしますよね。ですからストレス解消のために、泣ける映画や小説などをいくつか持っておくのがおすすめ。男性は泣くこと自体に抵抗のある人が多いですが、時には感情を抑えず思いっきり泣くといいですよ。

以上、イライラに巻き込まれた時にトライしたい心の癒し方6つでした。
ストレスがゼロになることはありませんが、心が限界を迎えポキッと折れてしまうのを避けるためにも、日々できる対処法を知っておくことはとても大切です。ぜひ習慣にしてイライラと上手につき合ってください。

「健康」2022冬号より

【監修】井上智介先生

監修 井上智介先生

島根大学医学部を卒業後、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動。産業医として毎月約40社を訪問。健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務。『ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト』『みんなのネガティブ感情のおてあて』など著書多数。ブログ→https://ameblo.jp/tatakau-sangyoi

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