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もうイライラしない!心がラクになる感情コントロールの法則
時間に追われ、仕事に疲れ、家族や人間関係にわずらわしさを感じ…日常生活の中でついイラッとしてしまうこと、ありますよね?「ストレス社会」と言われる現代では、誰もが少なからずイライラを抱えています。
雑誌「健康」編集部が行った読者(40~60代女性)アンケートでも、家族や職場、アカの他人に対して「イライラする!」の声が出るわ、出るわ…。
そこで、金髪アフロで赤メガネがトレードマークの精神科医・井上智介先生に、イライラを感じた時にはどうすればいいのか、ケース別にアドバイスをいただきました。
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井上先生によれば、イライラの正体とは「相手に対する期待」。誰もが環境や受けてきた教育でつくられた価値観があり、そこから生まれる期待に相手が達しないとイライラするのだそうです。
「でも、相手の価値観をねじ曲げてまで、こちらの価値観を押しつけるのは難しいもの。時には自分の価値観を疑う、相手に対する期待値を下げるなど、自分の行動や考えを柔軟に変えることが何より大切です」
【ケース1】夫の言動にイライラ
・「くしゃみや咳払いなど、夫の立てる音にイラッとします」
・「夫が家事もしないで自分優先で動くのが我慢できません!」
・「きつい物言いや荒い動作…夫のやることなすこと気に入らない」
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【井上先生のアドバイス】
夫は自分の願望を一番伝えやすい相手ですから、まず思ったことを伝えてみては。聞いてくれるかどうかは夫次第ですが、押しつけがましくないよう伝えてみるのも手です。家事をしてほしい時は、「困っているから助けて」と弱さをアピールするのがコツ。
ただそれで変わらないからと、イライラするのはお門違いです。家族は接触の機会をコントロールしゃすいので、理想はうまく距離をとること。一緒にいる時間や顔を合わせる回数を意識的に減らすと、イライラも軽減します。カフェに行く、自室にこもるなど、自分一人の時間を確保して。
【ケース2】言うことをきかない子どもにイライラ
・「子どもに『なんで言ったことが守れないの?』と聞いても無視。こちらの言うことをスルーされるとムカッ」
・「家のリフォームや高額な買い物など、親の意見を無視して勝手なことばかりする…」
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【井上先生のアドバイス】
子どもに無視されて腹が立つのは、子どもは親の言うとおりに行動するのが当たり前、という考えがあるからかもしれません。あるいは「こうあってほしい」という期待が外れて生まれるストレスですね。
親子は本来は対等な関係です。子どもには子どもの人生があって、親は何も期待しないぐらいがちょうどいいのです。経済的な実害が及ばなければ、うまく距離をとってつき合っていくのがベストでしょう。
「4・2・6呼吸法」は心を落ち着かせるのに有効ですよ。ぜひ試してみてください。
★対処法~4・2・6呼吸法★
①一人になれる静かな場所にゆったり横たわります。
②自分が呼吸していることを意識しながら、そのまま1分。呼吸を感じ続けます。
③鼻から4秒かけて息を吸い、2秒止めて、6秒かけて口から細く吐き出します。
④5分かけて③の呼吸法を繰り返します。慣れないうちは1分でもOKです。
【ケース3】毎日が忙しすぎてイライラ
・「仕事、家事、介護、することが多すぎる!予定通りに物事が進まないとイライラします」
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【井上先生のアドバイス】
この場合、時短テクニックを実践するより、「何を手放せるか」を考えるほうがベター。睡眠時間を削ってお弁当を手作りするのが苦痛なら、冷凍食品を使ったり、お弁当代を渡したっていいのでは。
仕事や介護も、一人で頑張りすぎず、人に頼ってもいいんですよ。思い切って一度トライして、「これぐらい手放しても大丈夫」という感覚を身につけられるといいですね。
【ケース4】仕事に追われてイライラ
・「あまりに仕事量が多い。終わらない時はイライラするし、泣きたくもなります」
・「非正規雇用で給与が上がらない。正社員並みに働いているのに…モヤモヤ」
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【井上先生のアドバイス】
仕事というのは、いくら効率化されても余暇が増えるわけではなく、むしろどんどん増えていきます。それで仕事が終わらないとイライラする人が多いわけですが、その背景にあるのは「完璧に終わらせよう」という自分への期待。そこにこだわりすぎず、なんとなくでも「これでいい」と自分で終わりを決めることが大切です。
★対処法★
①チェック回数を増やす
成果物は一気に作らず、3分の1作ってチェックしてもらうなど、少しずつ進めるとやり直しが減って効率的。
②TO DOリストを作る
やり残した仕事があると気になるもの。翌日するべき仕事はリスト化して一日を終えましょう。
③途中でやめる
仕事は途中で切り上げるのも手。キリが悪いと続きが気になって、次に始めやすい効果があります。
【ケース5】同僚の仕事ぶりにイライラ
・「同僚がノロノロ仕事をしているのを見るとイラつくことが。さっさとやったらいいのに!」
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【井上先生のアドバイス】
自分はさっさとやっているのに、同僚は怠けている、さっさとするべきという他人への期待から出るストレスですね。「早くしてほしい」と伝えてもよいのですが、それで変わることは少ないでしょう。
ちょっと面倒ですが、同僚が早くできる方法を一緒に考えてあげるのが、一番の対処法かもしれません。イラついた時には前向きな対処を。
【ケース6】アカの他人にイライラ
・「コロナ禍ではこちらも神経質になっていたので、人の行動に腹を立てることも多かったです。マスクをはずして騒いでいる人や路上にたむろする若者にイラッ」
・「お店で適当な接客をされるとイラッとして『他の方に代わってくださる?』とダメ出ししてしまいます」
・「歩きスマホをしている人にぶつかりそうになった時はキレそうになった!」
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【井上先生のアドバイス】
通りすがりの他人は最もコントロールしにくい相手なので、イライラすることはよくあります。注意して相手を変えることも難しく、いかに自分がその状況に対して柔軟に考えられるかが肝心です。
関わると自分が傷つく可能性も!守らなければいけない大事なものがなければ、無理に関わる必要はないと考えて。
★対処法★
①その場を離れる
自分の目に入らなければ腹も立ちません。イライラしたら、その場から立ち去りましょう。
②反面教師とする
歩きスマホは危ないと思いつつ、自分がする可能性も。わが身を振り返るよいチャンスかも。
③納得できる理由をこじつける
「イライラさせるやつは、きっと隕石に当たるわ」など、非現実的な考えでも、自分を納得させられればOK。
いかがでしたか?あなたが日々感じているイライラに近いものはあったでしょうか?
毎日の生活の中で、イラつく種はそこかしこに転がっています。でも、イライラに任せて他人を攻撃すると人間関係を壊してしまったり、自身に実害が及ぶ危険も。数を数える、その場を離れるなどして、上手に感情をコントロールしていきましょう。
「自分なりのストレス解消法を50個リストアップしておくのもおすすめです。例えば、単に『音楽を聴く』ではなく、『〇〇のAという曲を聴く』と具体的に挙げるのがポイント。思い立ったらすぐにできることで、上手にストレスを解消法して」
「健康」2022冬号より
【監修】井上智介先生
![監修井上智介先生](https://assets.st-note.com/img/1717743680372-icod8y0R2w.jpg?width=1200)
島根大学医学部を卒業後、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動。産業医として毎月約40社を訪問。健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務。『ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト』『みんなのネガティブ感情のおてあて』など著書多数。ブログ→https://ameblo.jp/tatakau-sangyoi
雑誌『健康』とは
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創刊46周年。すぐに試せる健康法が満載の、最新健康情報マガジンです。ドクターや専門家監修の確かな情報をお届けします。
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