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#本とのつながり

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読書レビューです。 気に入った本のレビューを書いていきます。 最低限月4回更新を目標にしていきます。
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#060 30代男性エンジニアが考える『最高の2時間』の過ごし方 〜 自分時間と家族時間を充実させるヒント

#060 30代男性エンジニアが考える『最高の2時間』の過ごし方 〜 自分時間と家族時間を充実させるヒント

上の本を読んで、30代男性の考えついた「2時間の天才的な使い方」を書き出してみました。

大きく分けると、「自分だけの素敵な時間」「家族との素敵な時間」「友人との素敵な時間」に分けることができます。また、「インドア」「アウトドア」にも分けることができます。これらのパターンの中で、自分が充実する選択肢をいくつか考えて持っておくのは今後の人生でも必要なことだと感じて今リストアップしています。

自分の

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#055 「絨毯織り」人間の絆-下巻(モーム)

#055 「絨毯織り」人間の絆-下巻(モーム)

人間の絆(下巻)の絨毯の話が印象に残ったのでシェアです。

場面の説明としては、フィリップは、戦場で旧友ヘイワードが腸チフスで亡くなったことを知ります。この小説の主題と思われる人生観が伝わる文章でしたので、読み返す意味でも長めに書いていきたいと思います。

※こちらの書籍のP447くらいから10ページ弱の文章を抜粋しています

1. 紀元前から繰り返す「別れ」の歴史

フィリップはまず、友人ヘイワ

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#052 意外と面白かった「紀州のドンファン」

#052 意外と面白かった「紀州のドンファン」

事前情報一切なく「紀州のドンファン」というあだ名に興味を持ってBOOKOFFで見つけたこの自伝が、想像以上に面白かったのでシェアです。「紀州のドンファン」こと野崎幸助さんは現在亡くなっていますが、死してなお世間を騒がせている大富豪です。ニュースでもよくみます。

今回は手短に内容を紹介しますと、

まず、「紀州のドンファン」の生い立ちについて記載されています。いかにして大金持ちになったのか。詳しく

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 #044 人間の絆 下巻(モーム著)のアセルニーについて語る

 #044 人間の絆 下巻(モーム著)のアセルニーについて語る

人間の絆 下巻(金原瑞人訳)の感想です!

帯に書いてあった通り「最後の方はページをめくるのが惜しくなる」感覚が確かにありました。最後の方は、まだまだ読みたいフィリップの生活に対して残りのページが少なすぎたために「あれ、どこまで描いてくれるんだろう」という焦りもありました。さらに続編があれば良いのに・・・。

ちなみに上巻の感想はこちらです。

下巻は、一言でいうと「ミスタ・アセルニーが英雄すぎる

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#043 人間の絆 上巻(モーム著)に登場する愉快な仲間たち

#043 人間の絆 上巻(モーム著)に登場する愉快な仲間たち

人間の絆を読んでみて思ったのは、根本の部分でフィリップをどうしてもあまり好きになれないということでした。とはいっても作品自体はとても好きで、フィリップの周囲に出てくる登場人物は好感が持てました。私はルイーザ叔母さん、クロンショーが好きです。しかし、フィリップが気にいる人物、ミルドレッドはどう考えても好きになれませんでした。理性は情熱に勝てないと作者が語っている通り、読者は理性で読んでいる以上、実際

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#039 「悲しみよ こんにちは」(サガン著)

#039 「悲しみよ こんにちは」(サガン著)

「悲しみよ こんにちは」は起承転結を好む自分としては印象に残る作品でした。また、プレイボーイとされる父親の自由奔放でポジティブで短絡的などうしようもない人物像とその父親を見事に把握して操る娘セシルのやり取りは読んでいて飽きなかったです。子育て中の自分の立場からすると新鮮で「こんな生き方も世界のどこかには存在するんだ」と羨ましさとかではないですが発見がありました。

著者:フランソワーズ・サガン

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#038 「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス著)は万人が優しくなれる一冊

#038 「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス著)は万人が優しくなれる一冊

最近書店で目立つように陳列されることの多くなったように感じます。
「アルジャーノンに花束を」です。自分が読んだことがあるからバイアスとして目につくようになったのか、本当に目立つ位置に並んでいるのかはわかりません。しかし、「アルジャーノンに花束を」は絶対に読んだ方が良い一冊です。なぜかというと、人に優しくなれるからです。主人公チャーリィとチャーリィに接する人たち(特にギンピィ!!)を見れば、人の性善

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#037 人間観察の奥深さがわかる「英国諜報員アシェンデン(モーム著)」

#037 人間観察の奥深さがわかる「英国諜報員アシェンデン(モーム著)」

モームの作品をまたひとつ読み終えて、良い読後感がありました!

今回は簡単に振り返ってみたいと思います。

最近のモーム履歴から話します。

元々月と六ペンスは読んでいましたが、しばらく小説そのものから離れていました。今年の最初に何気なく読み始めたモーム短編集上巻を読んで再びモームにはまりました。すぐに下巻、ジゴロとジゴレットと読み進め、今回の英国諜報員アシェンデンを読みました。

英国諜報員アシ

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#018 「読んでいない本について堂々と語る方法」所感

#018 「読んでいない本について堂々と語る方法」所感

視点が面白い書籍だったのでシェアです!

著者は大学の教授です。日頃講演する中、さまざまな書籍について「教授なら当然読んだことありますよね」というプレッシャーを感じています。また、読んだことのない書籍についてコメントを求められる場面に多数遭遇し、ついに「読んだことのない書籍について堂々と語る方法」を体得されたのです!

何が知りたかったか

私は、本を読むというのはどういう状態なのか知りたかったの

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#019 倫理の「なぜ〜してはいけないのか」を追求する

#019 倫理の「なぜ〜してはいけないのか」を追求する

倫理学についての思考ゲームとして考えさせられた本があったので、紹介します!

本のタイトルに怖い印象を受けますが、「ダメなものはダメ。なぜダメなのだろうか」を掘り下げて行く趣旨の書籍で、倫理的にダメとされる行為を推奨する書籍では決してないのでご安心ください。

この本は、古代から問われ続けている10もの難題に力の及ぶ限り答えを与えていく内容となっています。特に面白かった点は、質問そのものではなく、

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#003「営業の赤本」〜どう売るかではなく、なぜ買うのか〜

#003「営業の赤本」〜どう売るかではなく、なぜ買うのか〜

目から鱗の内容だったのでシェア!

手に取ったきっかけ竹葉さんの投稿がきっかけで読んでみたいと思った1冊です。「どう売るか」ではなく、「なぜ買うか」に着目した良書です。

ジェフェリー・ギトマーさんってこんな人著者の写真があったほうが内容への興味やイメージも湧くので掲載します。ユーモアがあり、かつ文才もあるので非常に読みやすい一冊。2時間くらいで通読できますが、折に触れて繰り返し読んでみたいと思い

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#001 他人がおすすめした本は読んでおきたい

#001 他人がおすすめした本は読んでおきたい

Twitterで半年くらい前からフォローさせていただいている竹葉さんという方のストイックさを見習いたいと思い、たまにおすすめしてくださる書籍をいくつか自分でも買ってみて読んでみている。全部は難しいけれど、要素要素で読み比べてみたいと思う。

自分が他人におすすめの本を紹介するとき、あまり雑な紹介はしたくないし、少なくとも何かしら得るものがある本を選定すると思う。「読んだけどイマイチピンと来なかった

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「征服されざるもの」モーム

「征服されざるもの」モーム

モームの短編集の中でもスリルのある作品だった。タイトルの意味を最後のページで知った。勝利したドイツ軍のハンスと敗北したフランスの農家の娘アネット。戦争していた国同士のこういう婚姻関係って実際どれくらいあったのかはわからないけども、現実的な生活面を考えて「征服」されちゃう人が多いと思う。小説には描かれていなかったけれど、その後のアネットは生活面は貧困で両親にも嫌われ、短命に終わるにせよ精神は自由のま

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「マウンティングは楽しむもの」目次だけ読んだ感想

「マウンティングは楽しむもの」目次だけ読んだ感想

目次がまず最高に面白い「マウンティング」という言葉には嘲笑するニュアンスが強いのでどうしても嘲笑のニュアンスに引きづられてしまうけれども、マウンティングと捉えられる発言は日常のあちらこちらに転がっている。意識していようとなかろうと。ある意見を発したら、それは何かしらのマウンティングと捉えられてしまう可能性が高いのだ。「私はフルーツが好きです」という普通のセリフも、「マウンティング」という言葉が脳内

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