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短編小説たち

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書いてきた、短編小説たちです。
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#短編

あさにっき79(夢小説)

あさにっき79(夢小説)

前にも見たことがある、神戸の上の方の山にのぼって、歩いて下山してくる夢。
風の強い日だった。
高所なのに、桜がたくさん咲いていた?少しスキップのように歩くだけで、その強い風に飛ばされそうになる。
いつも同じところで足を滑らせて、うわ死ぬ…と思う。ロープに捕まって神戸の港町までを眺めながら、上へ…

目の前には渓流が見えた。
見るからに「清」といった感じで、山の上なのに、その場所だけは風も吹いてなく

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短編【OLとある休日】

短編【OLとある休日】

 小学三年 三月に 戻りたい。

そんなことを思った夕方。

なんだか力の入らない一日だった。

仕事にも身が入らず、寝て、本を読んで、ばかりの一日。
三十近くになっても、こんな日々は来る。
情けないと、いつもの布団に横になった。

いつも見ているはずの天井が、いつもより私に向かってくる。
目に入ったのは、小学生の頃に絵の県展で賞を取った賞状。

今はふつうのOLだ。
なぜあの時に、絵に志さなかっ

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短編【公園】

短編【公園】

公園には、作業員が日陰で点々と休んでいる。
派遣社員のようなご婦人の真横のベンチが空いてたので、ここいいですか、といって、橋の方に座った。
お昼休み、近くの公園だ。

この公園での数年前の思い出が、ありありと思い出される。
心地よい春もしくは夏のような爽やかな風が耳を通り抜ける。

目の前に立ったエレベーターの動いている深い赤の雑居ビルが、少し神戸の生田川沿いの景色と似ている。
あのエレベーターに

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短編【帰り道】

今日も仕事を終えた。特に何があるわけでもあったわけでもなかったが、急いで帰って、早く一人になりたい、そんな気分だった。

そんなときに限って、やけに信号に止まる。いや、わたしの中で信号に止まった感覚が強く残っているだけなのかもしれない。
かかる時間も止まる回数も、普段と変わらないだろうから、これだけこの感覚になるということは、よっぽどたくさんの信号が不規則なリズムになったか、わたし自身がそうなのか

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短編【ある日常2】

短編【ある日常2】

この世に完璧は存在しない。

それに気づきはじめていても、完璧を求めてしまうのが、僕だった。

何もかもが手元から離れた今、僕は実家のリビングで白い天井を見上げている。

なんの曲だかわからないが、外からは軽やかな野の花畑のようなピアノの音が、新緑の力強さとともにこの部屋に入ってくる。

僕には、何が残っただろうか。

いつしかのあの情熱は、いつか戻ってくるのだろうか。そう信じて、わずかな希望でも

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短編【灰色】

私は山を中心とした街にいて、案内をしてもらっていた。

「素晴らしいところでしょう。」

案内してくれたイクタサトシさんはいった。

市の職員だったか…

そんな感じだったと思う。

タクシーの運転手ではないことは確かだ。

「はい、なんだか甘い匂いもします。」

車に揺られ、一日の案内だった。

「そろそろ終わりの時間です。そういえば、どちらから来られたんでしたっけ?」

もう一人、後ろに乗って

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短編【どうでもよい。】

短編【どうでもよい。】

「このアイデアはボツだな。」

最終決定目前で、今回のアイデアもボツになった。

いったい自分たちが何を目指していたのかすらも、霞んでぼやけてきて、怪しくなった。

「アイデア」

アイデアとは今までに見たこともないことを思いつく、幻想的で選ばれた人だけの特殊な才能のような発想のことではない。

アイデアは、あくまでその人の頭で生まれたものが、つまり、内にある既存のものが外気と衝突しあって、新鮮で

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短編【ある日常】

短編【ある日常】

昨晩、テレビ番組を見ていた。
おいしい食事を紹介する番組だった。
いろんな食事の中で、私が特に記憶に残ったのはランチだった。
650円のミニバンランチ。
なぜだかは説明できない。しかし、そのランチに惹かれたという事実は確かだ。

翌日私は仕事だった。
午前のアルバイトが終わってお昼休憩の時、ふとよぎったのは、昨日記憶に残したランチだ。
当然、テレビ番組で作られた架空のランチだから、同じものがあるは

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短編《批判おじさん》

「でも行動してみないとわからないけどね。」

私はこの意見に、異議を申し立てる。

特に、聞き手がこの発言をするのは、相手のことを思いやっていると、自分が思いたいためだけの発言だ。

実に嘆かわしい。

そして良い人を演じるのが上手い話手は、許可されて聞き手に話しているはずなのに、いつのまにか「そうですよね」とか「貴方の言う通り」だとか、賛同してあげなくてはならなくなる。

どちらが聞き手でどちら

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